"群馬大学病院" における "同一医師" による "腹腔鏡手術" での "高死亡率!" という報道は、心胆を寒からしめるものであった。
◆ 参照 当誌過去の "群馬大学病院" 関連記事
(1) 群馬大学病院/第一外科 "医療過誤"があり、十二指腸潰瘍手術後約11か月で患者死亡!/当誌 2014.11.20
(2) 術後8人死亡の"腹腔鏡"肝臓切除手術問題!保険手術と偽った診療報酬不正請求疑いも!/当誌 2014.11.18
(3) "腹腔鏡"を使う肝臓切除手術!術後3か月以内に8人死亡!高難度肝切除、同一医師執刀/当誌 2014.11.16
今回注目する下記引用サイト記事 : 群馬大、開腹手術でも10人死亡...腹腔鏡と同じ医師/yomiDr. ヨミドクター/2014.12.22 は、上記の "腹腔鏡手術" に関する "驚くべき事実" に輪を掛け、より一般的な "開腹手術" にあっても、死亡率全国水準の3倍に及ぶ! という、これまた恐ろしい事態の追加情報を報じている。
<死亡率11.9%全国の3倍 群馬大学病院(前橋市)で腹腔鏡(ふくくうきょう)を使う高難度の肝臓手術を受けた患者8人が死亡した問題で、腹腔鏡手術を手がけた第二外科(消化器外科)による肝臓の開腹手術でも、過去5年間で、84人中10人が術後3か月以内に死亡していたことが関係者への取材でわかった。 開腹手術の死亡率は11・9%に上り、全国的な肝臓の開腹手術の死亡率に比べ3倍という高率だった。 同科が行った肝臓の開腹手術は、2009年4月から、同科の肝臓手術がすべて停止される今年夏頃までに、肝臓がんなどの患者84人が受け、60代~80代の男女10人が敗血症や肝不全などで死亡していた。 病院関係者によると、10人の手術を執刀したのは、腹腔鏡手術を受けて死亡した患者の執刀医と同じ40歳代の男性助教だった。この助教が執刀した腹腔鏡手術では、10年12月~14年6月に8人が亡くなっている。開腹手術で死亡した10人のうち5人までが09年度中に集中していたが、同科は、その翌年度には新たに腹腔鏡手術を導入し、同じ医師に執刀させていた形だ。 腹腔鏡を使う肝臓手術を同科で受けたのは92人で、死亡率は8・7%に上り、その高い割合が問題になっている。開腹手術の死亡率11・9%は、腹腔鏡手術の死亡率より3・2ポイント高いことになる。 全国で行われた外科手術を登録するNCD(ナショナル・クリニカル・データベース)から肝切除の手術成績を分析した研究によると、肝臓の開腹手術の術後3か月以内の患者死亡率は、比較的リスクの高い切除方法に絞ったデータで4・0%。群馬大病院の開腹手術の件数にはリスクの比較的低い切除方法も含まれているとみられるが、死亡率はこの全国データの3倍に上っている。 今のところ、手術と患者の死亡との因果関係はわかっていない。ただ、余命が数か月と想定される患者は一般的に、そもそも手術の対象にならない。 腹腔鏡手術の死亡事例について調査している群馬大病院は「今回の調査は腹腔鏡手術について調べたものであり、開腹手術については調べていないのでコメントできない」としている。 「明らかに高い」 肝臓の開腹手術を多数行っている日本大学医学部消化器外科の高山忠利教授の話 「数多くの手術を行う病院では死亡率が0・5%程度の施設もあり、12%近い死亡率は明らかに高い。肝臓の状態から本来行うべきではない手術も多かったのではないか。手術による死亡について院内外でチェックでき、問題の連鎖を止めるシステム作りが必要だ」 (2014年12月22日 読売新聞)> とある。
群馬大、開腹手術でも10人死亡...腹腔鏡と同じ医師/yomiDr. ヨミドクター/2014.12.22
死亡率11.9%全国の3倍
群馬大学病院(前橋市)で腹腔鏡(ふくくうきょう)を使う高難度の肝臓手術を受けた患者8人が死亡した問題で、腹腔鏡手術を手がけた第二外科(消化器外科)による肝臓の開腹手術でも、過去5年間で、84人中10人が術後3か月以内に死亡していたことが関係者への取材でわかった。
開腹手術の死亡率は11・9%に上り、全国的な肝臓の開腹手術の死亡率に比べ3倍という高率だった。
開腹手術は、腹部を大きく切り開く手術。肝臓手術では、小さな傷口からカメラ(腹腔鏡)や操作器具を差し入れて行う腹腔鏡手術に比べ、一般に幅広く行われている手術方法だ。
同科が行った肝臓の開腹手術は、2009年4月から、同科の肝臓手術がすべて停止される今年夏頃までに、肝臓がんなどの患者84人が受け、60代~80代の男女10人が敗血症や肝不全などで死亡していた。
病院関係者によると、10人の手術を執刀したのは、腹腔鏡手術を受けて死亡した患者の執刀医と同じ40歳代の男性助教だった。この助教が執刀した腹腔鏡手術では、10年12月~14年6月に8人が亡くなっている。開腹手術で死亡した10人のうち5人までが09年度中に集中していたが、同科は、その翌年度には新たに腹腔鏡手術を導入し、同じ医師に執刀させていた形だ。
腹腔鏡を使う肝臓手術を同科で受けたのは92人で、死亡率は8・7%に上り、その高い割合が問題になっている。開腹手術の死亡率11・9%は、腹腔鏡手術の死亡率より3・2ポイント高いことになる。
全国で行われた外科手術を登録するNCD(ナショナル・クリニカル・データベース)から肝切除の手術成績を分析した研究によると、肝臓の開腹手術の術後3か月以内の患者死亡率は、比較的リスクの高い切除方法に絞ったデータで4・0%。群馬大病院の開腹手術の件数にはリスクの比較的低い切除方法も含まれているとみられるが、死亡率はこの全国データの3倍に上っている。
今のところ、手術と患者の死亡との因果関係はわかっていない。ただ、余命が数か月と想定される患者は一般的に、そもそも手術の対象にならない。
腹腔鏡手術の死亡事例について調査している群馬大病院は「今回の調査は腹腔鏡手術について調べたものであり、開腹手術については調べていないのでコメントできない」としている。
「明らかに高い」
肝臓の開腹手術を多数行っている日本大学医学部消化器外科の高山忠利教授の話 「数多くの手術を行う病院では死亡率が0・5%程度の施設もあり、12%近い死亡率は明らかに高い。肝臓の状態から本来行うべきではない手術も多かったのではないか。手術による死亡について院内外でチェックでき、問題の連鎖を止めるシステム作りが必要だ」
(2014年12月22日 読売新聞)
<今のところ、手術と患者の死亡との因果関係はわかっていない> とあるが、<12%近い死亡率は明らかに高い。肝臓の状態から本来行うべきではない手術も多かったのではないか> という見解に目が留まる。
"患者(の容態)本位" でなければならない "外科手術" という選択が、"病院の経営採算本位" の選択に取って代わられていた(?)とするならば、患者側もうかうかとはしていられない...... (2014.12.23)
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