身体組織の "炎症" の制御などにも関係する "TGF-β(サイトカインの一種)" は、いろいろな視点から関心を集めている。"がん" の悪性化という場面でもその役割が注目され始めている。
◆ 参照 当誌過去の "TGF-β,炎症" 関連記事
○ <TGF-β とは 細胞増殖・分化を制御し、細胞死を促すことが知られているサイトカイン(細胞の働きを調節する分泌性蛋白の一種)> ( 実は"TGF-β"という"サイトカイン"の仕業!"慢性疲労"の原因も、"抜け毛"の原因も!/当誌 2014.03.26 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 慢性炎症を抑えることでがんの悪性化を制御できる可能性 - 金沢大/マイナビニュース/2015.02.17 は、一般的に、<がんの進展プロセスについては、遺伝子の異常が蓄積することによって細胞ががん化し、転移・再発といった能力を獲得してより悪性度を増していくとする説が主流> とされているのに対して、<がんの悪性化進展は、特定の遺伝子変異と慢性炎症の相互作用により誘導されることを明らかにし、慢性炎症を制御することによってがんの悪性化を制御できる可能性> があることなどの研究成果を報じている。
<金沢大学は2月16日、モデルマウスを用いた研究で、慢性炎症反応による大腸がん悪性化の仕組みを解明したと発表した。 同成果は同大学がん進展制御研究所の大島正伸 教授らによるもので、2月16日(現地時間)発行の米国学会誌「Cancer Research」に掲載された。 がんの進展プロセスについては、遺伝子の異常が蓄積することによって細胞ががん化し、転移・再発といった能力を獲得してより悪性度を増していくとする説が主流となっている。 今回の研究では、浸潤性大腸がんを自然発生するマウスを作成して解析し、浸潤がん組織では炎症反応が強く誘導されていることに着目。研究を進めた結果、がん抑制経路であるTGF-βシグナルを抑制したマウスに潰瘍性大腸炎を誘発すると浸潤性大腸がんが発生すること観察し、がんの悪性化進展は、特定の遺伝子変異と慢性炎症の相互作用により誘導されることを明らかにした。 今回の成果によって、慢性炎症を制御することによってがんの悪性化を制御できる可能性が示され、将来的にはがんの悪性化進展を予防する抗がん薬の開発につながることが期待される。> とある。
慢性炎症を抑えることでがんの悪性化を制御できる可能性 - 金沢大/マイナビニュース/2015.02.17
金沢大学は2月16日、モデルマウスを用いた研究で、慢性炎症反応による大腸がん悪性化の仕組みを解明したと発表した。
同成果は同大学がん進展制御研究所の大島正伸 教授らによるもので、2月16日(現地時間)発行の米国学会誌「Cancer Research」に掲載された。
がんの進展プロセスについては、遺伝子の異常が蓄積することによって細胞ががん化し、転移・再発といった能力を獲得してより悪性度を増していくとする説が主流となっている。
今回の研究では、浸潤性大腸がんを自然発生するマウスを作成して解析し、浸潤がん組織では炎症反応が強く誘導されていることに着目。研究を進めた結果、がん抑制経路であるTGF-βシグナルを抑制したマウスに潰瘍性大腸炎を誘発すると浸潤性大腸がんが発生すること観察し、がんの悪性化進展は、特定の遺伝子変異と慢性炎症の相互作用により誘導されることを明らかにした。
今回の成果によって、慢性炎症を制御することによってがんの悪性化を制御できる可能性が示され、将来的にはがんの悪性化進展を予防する抗がん薬の開発につながることが期待される。
従来、"がんの悪性化" については、<遺伝子の異常が蓄積すること> が専ら着目されて来た。
だが、上記記事での研究成果では、<慢性炎症を制御することによってがんの悪性化を制御できる可能性> が示されたわけであり、今後、<がんの悪性化進展を予防する薬> の開発が期待されるという...... (2015.02.18)
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