iPS細胞アプローチは、"再生医療" の分野で重視されているとともに、昨今注目されているのが、<難病向け治療薬研究"創薬">( 下記関連記事参照 )という分野での研究だ。
◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞,治療薬開発" 関連記事
(1) iPS細胞の医療応用"二つの流れ"!(1)"再生医療"分野、(2)難病向け治療薬研究"創薬"!/当誌 2014.09.21
(2) "iPS細胞"技術は"再生医療"分野での成果に加え、「創薬」研究においても手堅く展開!/当誌 2014.09.20
今回注目する下記引用サイト記事 : 難病患者のiPS細胞修復...京大チーム遺伝子操作/yomiDr. ヨミドクター/2015.03.13 は、前述のような "創薬" に向けたiPS細胞アプローチによる研究成果として、<筋肉組織などが骨に変化する希少難病の患者の皮膚から作ったiPS細胞(人工多能性幹細胞)を遺伝子操作で修復し、骨になりにくくすることに成功> と報じている。
<発症過程の解明、治療薬の開発などに役立つ成果> だと見られている。
<筋肉組織などが骨に変化する希少難病の患者の皮膚から作ったiPS細胞(人工多能性幹細胞)を遺伝子操作で修復し、骨になりにくくすることに成功したと、京都大iPS細胞研究所の戸口田淳也教授らの研究チームが12日、米専門誌「ステムセルズ」電子版に発表した。発症過程の解明、治療薬の開発などに役立つ成果としている。 「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」と呼ばれる難病で、遺伝子の異常によって筋肉や靱帯(じんたい)などの組織の一部が徐々に骨に変わる。歩行困難になり、激しい痛みも伴う。国内には40~70人の患者がいるとされるが、有効な治療法がない。 発表によると、チームはFOP患者のiPS細胞で、FOPの原因とされる変異のある遺伝子を、正常な遺伝子と置き換えて修復。軟骨に成長させる薬剤を加え、変化を観察した。 その結果、修復したiPS細胞は、修復しない細胞に比べて軟骨になりにくかった。軟骨に成長する途中段階の細胞を調べたところ、修復しない細胞では、軟骨になるのを促進する2種類の遺伝子が活発に働いているのを確認。これらがFOPの発症に関与している可能性があるという。 戸口田教授は「実験に用いたiPS細胞は、遺伝子の修復部位以外は遺伝情報が同一で、薬の効果を比較しやすい。他の病気の研究でもこの手法が応用できるだろう」と話す。患者の一人で、同研究所に自らの皮膚を提供し、研究のための募金活動にも取り組んできた兵庫県の高校2年生(17)は「研究が進んだのはうれしい。最近、病気の進行が速く、食べる力が弱くなっている。薬を早く開発して」と訴えた。(2015年3月13日 読売新聞)> とある。
難病患者のiPS細胞修復...京大チーム遺伝子操作/yomiDr. ヨミドクター/2015.03.13
筋肉組織などが骨に変化する希少難病の患者の皮膚から作ったiPS細胞(人工多能性幹細胞)を遺伝子操作で修復し、骨になりにくくすることに成功したと、京都大iPS細胞研究所の戸口田淳也教授らの研究チームが12日、米専門誌「ステムセルズ」電子版に発表した。発症過程の解明、治療薬の開発などに役立つ成果としている。
「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」と呼ばれる難病で、遺伝子の異常によって筋肉や靱帯(じんたい)などの組織の一部が徐々に骨に変わる。歩行困難になり、激しい痛みも伴う。国内には40~70人の患者がいるとされるが、有効な治療法がない。
発表によると、チームはFOP患者のiPS細胞で、FOPの原因とされる変異のある遺伝子を、正常な遺伝子と置き換えて修復。軟骨に成長させる薬剤を加え、変化を観察した。
その結果、修復したiPS細胞は、修復しない細胞に比べて軟骨になりにくかった。軟骨に成長する途中段階の細胞を調べたところ、修復しない細胞では、軟骨になるのを促進する2種類の遺伝子が活発に働いているのを確認。これらがFOPの発症に関与している可能性があるという。
戸口田教授は「実験に用いたiPS細胞は、遺伝子の修復部位以外は遺伝情報が同一で、薬の効果を比較しやすい。他の病気の研究でもこの手法が応用できるだろう」と話す。患者の一人で、同研究所に自らの皮膚を提供し、研究のための募金活動にも取り組んできた兵庫県の高校2年生(17)は「研究が進んだのはうれしい。最近、病気の進行が速く、食べる力が弱くなっている。薬を早く開発して」と訴えた。
(2015年3月13日 読売新聞)
従来、"「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」と呼ばれる難病" には、"有効な治療法がない" とされていただけに、上記の研究成果に基づく "創薬" が待ち遠しい限りだ...... (2015.03.14)
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