"肝臓がん" を引き起こす病気としては、もっぱら "C型肝炎" に焦点が合わせられ、関心が持たれている現状がある。
ただ、一方で、"HBV(B型肝炎ウイルス)" が "肝臓がん" の原因として少なからぬ割合を占めている事実がある。
◆ 参照 当誌過去の "C型肝炎" 関連記事
(1) "C型慢性肝炎" 副作用少ない薬が実用化!決して侮れない"C型肝炎"と治療に伴う苦痛!/当誌 2013.12.20
(2) "C型肝炎"は早期発見/治療が肝臓がんへの進行を阻止!なのにこれを勧める医師は半数!/当誌 2013.12.15
今回注目する下記引用サイト記事 : 肝臓がん予防に光 迅速、高精度な検査法を聖マリアンナ医科大開発/カナコロ/2015.03.22 - 12:52 は、<肝臓がんの約3分の1はHBV(B型肝炎ウイルス)が原因。患者が多いC型肝炎が薬剤で完治できる現在、HBVは肝臓がんの最大の原因ともいわれている> との観点から、<肝臓がんの原因となるB型肝炎ウイルス(HBV)を効率的に発見する検査法を、聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科(伊東文生教授)の山本博幸准教授と渡辺嘉之非常勤講師が開発した。従来の方法では患者の肝臓の全遺伝子を調べる必要があったが、新しい方法ではHBVの一部遺伝子を試薬のように使うことで、より速やかに高い精度での検出が可能になった> と報じている。
<従来の検査方法では、検査結果が判明するのに3週間かかり、精度も低かった> のに対して、<結果が出るまでの時間は約2日と大幅に短縮される一方、精度は10倍になった> のだという。
<肝臓がんの原因となるB型肝炎ウイルス(HBV)を効率的に発見する検査法を、聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科(伊東文生教授)の山本博幸准教授と渡辺嘉之非常勤講師が開発した。従来の方法では患者の肝臓の全遺伝子を調べる必要があったが、新しい方法ではHBVの一部遺伝子を試薬のように使うことで、より速やかに高い精度での検出が可能になった。山本准教授は「肝臓がんの予防、治療につながる」と話す。研究成果は、米国の科学誌「ゲノムリサーチ」3月号に掲載された。 HBVは輸血や注射針の使い回し、性交渉で感染する。日本国内で無症状の感染者は約130万人に上り、世界では約4億人が存在するといわれる。うち約10%が肝炎、肝硬変を経て、最終的に肝臓がんを患っている。肝臓がんの約3分の1はHBVが原因。患者が多いC型肝炎が薬剤で完治できる現在、HBVは肝臓がんの最大の原因ともいわれている。 HBVは肝臓に到達すると、肝細胞の遺伝子の一部に食い込み、操る。このことで、最終的に肝臓がんが発生する。...... HBVが遺伝子に取り付く仕組みに規則性はなく、どの遺伝子に取り付くかは分かっていない。このため、従来の検査方法では、生検で取り出した患者の肝細胞の遺伝子をすべて調べる必要があった。「森の中から1本の針を見つけるようなもの」(山本准教授)で、検査結果が判明するのに3週間かかり、精度も低かった。 今回、開発した方法では、薬剤で細かく切ったHBVの遺伝子片を増幅機器で大量に合成。これを別の薬剤とともに試験管に入れ、その中に患者の肝臓から取った細胞片を混合する。 HBVの遺伝子は同じ配列をもった遺伝子に密着する性質があることが知られている。肝臓が感染している場合、細かく刻んだHBVの遺伝子片は感染源のHBVの遺伝子に密着。遺伝子解析装置で観察すると、2階建てのような形状になっているため、容易に判定できる=イラスト。「細かく刻んだHBVの遺伝子片は、いわばターゲットマーカーの役割を果たしている」と山本准教授。結果が出るまでの時間は約2日と大幅に短縮される一方、精度は10倍になった。 山本准教授は新検査法が普及すれば「発がんリスクが診断できるだけでなく、早期治療にも役立つ。ウイルスが原因となる子宮頸(けい)がんや悪性リンパ腫にも応用できるなど、汎用(はんよう)性も幅広い」と話している。 【神奈川新聞】> とある。
肝臓がん予防に光 迅速、高精度な検査法を聖マリアンナ医科大開発/カナコロ/2015.03.22 - 12:52
肝臓がんの原因となるB型肝炎ウイルス(HBV)を効率的に発見する検査法を、聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科(伊東文生教授)の山本博幸准教授と渡辺嘉之非常勤講師が開発した。従来の方法では患者の肝臓の全遺伝子を調べる必要があったが、新しい方法ではHBVの一部遺伝子を試薬のように使うことで、より速やかに高い精度での検出が可能になった。山本准教授は「肝臓がんの予防、治療につながる」と話す。研究成果は、米国の科学誌「ゲノムリサーチ」3月号に掲載された。
HBVは輸血や注射針の使い回し、性交渉で感染する。日本国内で無症状の感染者は約130万人に上り、世界では約4億人が存在するといわれる。うち約10%が肝炎、肝硬変を経て、最終的に肝臓がんを患っている。肝臓がんの約3分の1はHBVが原因。患者が多いC型肝炎が薬剤で完治できる現在、HBVは肝臓がんの最大の原因ともいわれている。
HBVは肝臓に到達すると、肝細胞の遺伝子の一部に食い込み、操る。このことで、最終的に肝臓がんが発生する。...... HBVが遺伝子に取り付く仕組みに規則性はなく、どの遺伝子に取り付くかは分かっていない。このため、従来の検査方法では、生検で取り出した患者の肝細胞の遺伝子をすべて調べる必要があった。「森の中から1本の針を見つけるようなもの」(山本准教授)で、検査結果が判明するのに3週間かかり、精度も低かった。
今回、開発した方法では、薬剤で細かく切ったHBVの遺伝子片を増幅機器で大量に合成。これを別の薬剤とともに試験管に入れ、その中に患者の肝臓から取った細胞片を混合する。
HBVの遺伝子は同じ配列をもった遺伝子に密着する性質があることが知られている。肝臓が感染している場合、細かく刻んだHBVの遺伝子片は感染源のHBVの遺伝子に密着。遺伝子解析装置で観察すると、2階建てのような形状になっているため、容易に判定できる=イラスト。「細かく刻んだHBVの遺伝子片は、いわばターゲットマーカーの役割を果たしている」と山本准教授。結果が出るまでの時間は約2日と大幅に短縮される一方、精度は10倍になった。
山本准教授は新検査法が普及すれば「発がんリスクが診断できるだけでなく、早期治療にも役立つ。ウイルスが原因となる子宮頸(けい)がんや悪性リンパ腫にも応用できるなど、汎用(はんよう)性も幅広い」と話している。
【神奈川新聞】
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
肝臓に到達し、肝細胞の遺伝子の一部に食い込んだ "HBV" を発見する検査のために、<HBVの遺伝子は同じ配列をもった遺伝子に密着する性質があること> を踏まえ、<細かく刻んだHBVの遺伝子片に、いわばターゲットマーカーの役割を果たさせる......> というアプローチは、実に絶妙!だと言うほかない...... (2015.03.24)
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