"遺伝子や薬剤" の、その投入効果を上げるために、それらを体内のターゲットとなる患部まで "運ばせる方法" に工夫が凝らされている。
その "運び屋" として "無害なウイルス" が開発されたケースもある。
◆ 参照 当誌過去の "運び屋" 関連記事
○ <ネプリライシンを作る治療遺伝子(ネプリライシン遺伝子)を脳内に届ける"運び屋"となるウイルスを開発。末梢(まっしょう)血管に投与しても脳の神経細胞だけに作用する無害なウイルスで、長期間にわたって効果が保たれるという。これにネプリライシン遺伝子を組み込んだ。......> ( 遺伝子治療で不可欠な「"運び屋"となるウイルス」="人工ウイルス殻"を合成!世界初!/当誌 2014.03.28 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 抗がん剤「運び屋」超微粒子...阪大グループ開発/yomiDr. ヨミドクター/2015.03.06 は、<抗がん剤を患部に直接届ける「運び屋」として、世界最小となる直径約10ナノ・メートル(10万分の1ミリ・メートル)の超微粒子(スーパーアパタイト)を開発> と報じている。
<抗がん剤を患部に直接届ける「運び屋」として、世界最小となる直径約10ナノ・メートル(10万分の1ミリ・メートル)の超微粒子を開発したと、大阪大などの研究チームが発表した。 薬剤をがん細胞まで素早く運ぶことができ、薬剤が少量でもがんの増殖を抑える効果が高いことをマウスの実験で確認。論文が5日、米電子版科学誌プロスワンに掲載される。 治療効果のある遺伝子を薬剤としてがん細胞に導入する次世代の創薬研究が進められている中、がん細胞まで薬剤を運ぶ材料の開発が不可欠となっている。これまで直径100~30ナノ・メートルの微粒子が開発されていたが、チームは遺伝子導入用の化合物「炭酸アパタイト」を、超音波で直径10ナノ・メートル程度まで細かく砕き、超微粒子を作製。「スーパーアパタイト」と名付けた。 薬剤を結合させたスーパーアパタイトを、がんのあるマウスの静脈に注射したところ、従来の微粒子と比べて高い抗がん効果を示した。 がん組織の血管はもろいため、微粒子はその血管壁のすき間を通ってがん細胞のみに取り込まれると考えられている。また、スーパーアパタイトなどの微粒子は、がん細胞内で分解され、副作用は少ないという。チームの山本浩文・阪大准教授は「粒子が小さい方ががん細胞に到達しやすいとみられる。薬剤の運び屋として極めて有力で、がん以外にも応用が期待できる」と話した。 (2015年3月6日 読売新聞)> とある。
抗がん剤「運び屋」超微粒子...阪大グループ開発/yomiDr. ヨミドクター/2015.03.06
抗がん剤を患部に直接届ける「運び屋」として、世界最小となる直径約10ナノ・メートル(10万分の1ミリ・メートル)の超微粒子を開発したと、大阪大などの研究チームが発表した。
薬剤をがん細胞まで素早く運ぶことができ、薬剤が少量でもがんの増殖を抑える効果が高いことをマウスの実験で確認。論文が5日、米電子版科学誌プロスワンに掲載される。
治療効果のある遺伝子を薬剤としてがん細胞に導入する次世代の創薬研究が進められている中、がん細胞まで薬剤を運ぶ材料の開発が不可欠となっている。これまで直径100~30ナノ・メートルの微粒子が開発されていたが、チームは遺伝子導入用の化合物「炭酸アパタイト」を、超音波で直径10ナノ・メートル程度まで細かく砕き、超微粒子を作製。「スーパーアパタイト」と名付けた。
薬剤を結合させたスーパーアパタイトを、がんのあるマウスの静脈に注射したところ、従来の微粒子と比べて高い抗がん効果を示した。
がん組織の血管はもろいため、微粒子はその血管壁のすき間を通ってがん細胞のみに取り込まれると考えられている。また、スーパーアパタイトなどの微粒子は、がん細胞内で分解され、副作用は少ないという。チームの山本浩文・阪大准教授は「粒子が小さい方ががん細胞に到達しやすいとみられる。薬剤の運び屋として極めて有力で、がん以外にも応用が期待できる」と話した。
(2015年3月6日 読売新聞)
遺伝子にせよ、治療に効果がある薬剤は、それが患部に<素早く運ばれる>ことが重要だとされる。その点で、<粒子が小さい方ががん細胞に到達しやすいとみられる> とのことで、今回の "超微粒子「スーパーアパタイト」"は、<薬剤の運び屋として極めて有力> だと期待されている...... (2015.03.08)
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