"がん検診" の簡易な方法で定番となりつつあるのは、"血液検査" かと思われる。 が、最近では、"息" に含まれる "匂い、微量な物質" に焦点を合わせる方法も採用され始めている。
◆ 参照 当誌過去の "がん 息" 関連記事
(1) <食道がん患者の吐く息の中に特定の物質が多く含まれるという研究を順天堂大上部消化管外科と生体分子研究室がまとめた。食道がん患者には、2―ブタノン、酢酸、アセトン、アセトニトリルという4種類の物質が多く含まれていることがわかった。> ( "食道がん"患者の呼気に特定物質が多く含まれる!身体への負担少ない検査!(順天堂大)/当誌 2015.03.07 )
(2) <パナソニックは吐く息が含む微量の生体ガスで肺がんを検査する技術を開発した。がんがあるとわずかに出てくる成分を高感度のセンサーで検出する。飲酒検査のような呼気を使う方法で病気を見つける新たな試みだ。......> (肺がん、"息"で検査! "微量ガス"センサーで検出! パナソニックが20年メド実用化!/当誌 2014.11.24
今回注目する下記引用サイト記事 : は、<わずかな匂いをかぎ分けることのできる線虫の性質を利用し、患者の尿でがんの有無を調べる方法を開発した ...... がんを簡単に診断できる方法として、実用化を目指す> という研究動向を報じている。
<九州大理学部の広津崇亮(たかあき)助教、伊万里有田共立病院の園田英人外科部長らの研究グループは、わずかな匂いをかぎ分けることのできる線虫の性質を利用し、患者の尿でがんの有無を調べる方法を開発した、と発表した。 がんを簡単に診断できる方法として、実用化を目指すとしている。電子版米科学誌「プロスワン」に12日掲載される。 がん患者には特有の匂いがあることが知られている。線虫は実験材料としてよく用いられる体長1ミリ程度の生物で、特定の匂いに集まったり、匂いから逃げたりする性質がある。 研究グループは、線虫ががん患者の尿に集まることを発見。がん患者24人の尿を用いた実験では23人(95・8%)の尿に集まり、逆に、健康な218人では207人(95%)の尿で避ける反応を示した。患者は未治療の状態で抗がん剤の影響はない。 課題は何のがんか分からないことだが、すでに大腸がんなどいくつかのがんについて特定できる線虫を作製できているという。 導入には線虫線虫の培養装置などがあればよく、従来のがんの血液検査などに比べ、1件数百円程度の安価で済むとしている。日立製作所などと共同で検診システムの開発に取り組む。 (2015年3月12日 読売新聞)> とある。
がんを尿の匂いで発見...九大など、線虫を利用/yomiDr. ヨミドクター/2015.03.12
九州大理学部の広津崇亮(たかあき)助教、伊万里有田共立病院の園田英人外科部長らの研究グループは、わずかな匂いをかぎ分けることのできる線虫の性質を利用し、患者の尿でがんの有無を調べる方法を開発した、と発表した。
がんを簡単に診断できる方法として、実用化を目指すとしている。電子版米科学誌「プロスワン」に12日掲載される。
がん患者には特有の匂いがあることが知られている。線虫は実験材料としてよく用いられる体長1ミリ程度の生物で、特定の匂いに集まったり、匂いから逃げたりする性質がある。
研究グループは、線虫ががん患者の尿に集まることを発見。がん患者24人の尿を用いた実験では23人(95・8%)の尿に集まり、逆に、健康な218人では207人(95%)の尿で避ける反応を示した。患者は未治療の状態で抗がん剤の影響はない。
課題は何のがんか分からないことだが、すでに大腸がんなどいくつかのがんについて特定できる線虫を作製できているという。
導入には線虫線虫の培養装置などがあればよく、従来のがんの血液検査などに比べ、1件数百円程度の安価で済むとしている。日立製作所などと共同で検診システムの開発に取り組む。
(2015年3月12日 読売新聞)
何と言っても、<従来のがんの血液検査などに比べ、1件数百円程度の安価で済む> という低コストが、"がん検診" の位置づけを大きく塗り替えるのかも知れない...... (2015.03.16)
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