"がん切除手術" での課題の一つに、"がん細胞化の広がり" を見極め、"切除範囲" を的確に見定める、という難問がある、と言われる。
そして、その困難さは、"がん細胞化の広がり" が必ずしも "明瞭ではない!" からだそうだ。
今回注目する下記引用サイト記事 : がんの広がり、手術中にすぐ判定 検査技術の成果相次ぐ /日本経済新聞/2015.03.17 - 02:00 は、がん患者における患部の "がん細胞化の広がり" の判定に役立つ技術にかかわるものだ。
<がんがどこまで広がっているのかを手術中に素早く検査する技術の成果が相次いでいる。キヤノンと浜松医科大学は特殊な電磁波を使って脳腫瘍を見分ける技術を開発した。東京大学や弘前大学はそれぞれ、がん細胞だけを光らせる物質を作った。簡単に切除範囲を把握できるようになり、再手術など患者の負担を減らせる。病理医と呼ぶ専門医の不足を補う効果が期待できる> と報じている。
<がんがどこまで広がっているのかを手術中に素早く検査する技術の成果が相次いでいる。キヤノンと浜松医科大学は特殊な電磁波を使って脳腫瘍を見分ける技術を開発した。東京大学や弘前大学はそれぞれ、がん細胞だけを光らせる物質を作った。簡単に切除範囲を把握できるようになり、再手術など患者の負担を減らせる。病理医と呼ぶ専門医の不足を補う効果が期待できる。 がんの手術中に、良性か悪性か、移転の有無の判断を求められる場合がある。もし残っていれば、切除部分を広げて取りきる必要がある。今は病理医が切り取った組織を調べて診断しているが、その数は不足している。 キヤノンなどの技術で使う「テラヘルツ波」は物質によって吸収率や反射率が違う。脳腫瘍の部分は周囲の正常な組織よりも水分がわずかに多いため見分けられる。 ラットで効果を確かめた。2015年中に人間にも使える装置を開発する。16年には効果を確かめる臨床研究を始める計画で、15分で結論を出せるようにする。胃や大腸、肝臓など他のがんへの応用も進める。 東大の浦野泰照教授らは、がん細胞に振りかけると数分で光る物質を開発した。細胞の表面にある特定のアミノ酸をバラバラにする酵素に反応して光り出す。特殊なカメラや目で確かめる。 九州大学の三森功士教授と乳がん患者36人に試したところ、精度は90%以上あった。リンパ節への転移もわかった。乳房をできるだけ残す温存療法に役立つ。2年後をメドに臨床試験(治験)を始める計画だ。 弘前大の山田勝也准教授らの技術は、がんだけが取り込むタイプのブドウ糖に緑色の蛍光物質をつけた。ペプチド研究所(大阪府箕面市)などと開発した。がん細胞だけ光り、10分あれば顕微鏡で簡単に見極められる。卵巣がんや胃がんの患者で効果を確かめた。> とある。
がんの広がり、手術中にすぐ判定 検査技術の成果相次ぐ /日本経済新聞/2015.03.17 - 02:00
がんがどこまで広がっているのかを手術中に素早く検査する技術の成果が相次いでいる。キヤノンと浜松医科大学は特殊な電磁波を使って脳腫瘍を見分ける技術を開発した。東京大学や弘前大学はそれぞれ、がん細胞だけを光らせる物質を作った。簡単に切除範囲を把握できるようになり、再手術など患者の負担を減らせる。病理医と呼ぶ専門医の不足を補う効果が期待できる。
がんの手術中に、良性か悪性か、移転の有無の判断を求められる場合がある。もし残っていれば、切除部分を広げて取りきる必要がある。今は病理医が切り取った組織を調べて診断しているが、その数は不足している。
キヤノンなどの技術で使う「テラヘルツ波」は物質によって吸収率や反射率が違う。脳腫瘍の部分は周囲の正常な組織よりも水分がわずかに多いため見分けられる。
ラットで効果を確かめた。2015年中に人間にも使える装置を開発する。16年には効果を確かめる臨床研究を始める計画で、15分で結論を出せるようにする。胃や大腸、肝臓など他のがんへの応用も進める。
東大の浦野泰照教授らは、がん細胞に振りかけると数分で光る物質を開発した。細胞の表面にある特定のアミノ酸をバラバラにする酵素に反応して光り出す。特殊なカメラや目で確かめる。
九州大学の三森功士教授と乳がん患者36人に試したところ、精度は90%以上あった。リンパ節への転移もわかった。乳房をできるだけ残す温存療法に役立つ。2年後をメドに臨床試験(治験)を始める計画だ。
弘前大の山田勝也准教授らの技術は、がんだけが取り込むタイプのブドウ糖に緑色の蛍光物質をつけた。ペプチド研究所(大阪府箕面市)などと開発した。がん細胞だけ光り、10分あれば顕微鏡で簡単に見極められる。卵巣がんや胃がんの患者で効果を確かめた。
がんの "再発・転移" が、がんの切除手術箇所に、がん細胞の広がり部分を取り残すことからのみ発生するわけではないとしても、がんの切除手術箇所からは、がん細胞は一掃されるべきであろう。
とは言っても、そのために "全摘出" といった過剰な負担を回避しようとすれば、上記記事のように"がん細胞化の広がり" を見極め、"切除範囲" を的確に見定める、という "検査技術" に期待するほかなさそうだ...... (2015.03.18)
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