がん治療における "免疫療法" アプローチでは、かねてより "NKT細胞"(ナチュラルキラーT細胞)の研究が注目されてきた。
◆ 参照 当誌過去の "NKT細胞" 関連記事
(1) <人体に備わる免疫機能を高め、がん細胞を攻撃させる免疫細胞療法。その有効性を示すデータは乏しかったが近年、新たながん治療の選択肢として、その可能性を示すデータが示されつつある。その一つで、NKT細胞と呼ばれるリンパ球を活性化する治療法の臨床試験が、国立病院機構名古屋医療センター(名古屋市中区)などで実施されている......> ( 各地で進む!"がん免疫細胞療法:NKT細胞療法"臨床試験!新たながん治療の選択肢!/当誌 2014.03.13 )
(2) <理化学研究所は強力な免疫作用のある「ナチュラルキラーT(NKT)細胞」の作製に成功。......ヒトiPS細胞からNKT細胞を作製......NKT細胞は、細胞傷害性の「ナチュラルキラー(NK)細胞」と「T細胞」を活性化して腫瘍を抑制する働きを持つ。......> ( "iPS細胞"技術:"がん免疫療法"への応用目指し着実な進展!NKT細胞ほか免疫細胞培養!/当誌 2014.01.27 )
今回注目する下記引用サイト記事 : iPS細胞から免疫細胞 がん患者治療へ/NHK NEWS WEB/2015.04.22 - 04:41 は、上記の "NKT細胞"の研究 の具体化と言えるもので、<理化学研究所などの研究チームが、iPS細胞からがんを攻撃する免疫細胞を作り出し、がん患者に移植して治療する臨床研究の計画を進めていること>、および、<平成30年ごろの実施を目指したい> といった動向について報じている。
<理化学研究所などの研究チームが、iPS細胞からがんを攻撃する免疫細胞を作り出し、がん患者に移植して治療する臨床研究の計画を進めていることを明らかにしました。平成30年ごろの実施を目指したいということです。 臨床研究を計画しているのは、理化学研究所の古関明彦グループディレクターらと千葉大学病院の研究グループです。 免疫細胞の一種・NKT細胞は、がん細胞を攻撃して縮小させる作用がありますが、がんが大きくなると患者の体内にあるNKT細胞だけでは抑えられないということです。 このため研究グループではiPS細胞からNKT細胞を5000万個程度作り出し、患者に移植して安全性や効果を確かめる臨床研究の計画を進めているということです。 すでにヒトのiPS細胞からNKT細胞を作ることには成功しているということで、平成30年ごろをめどに舌がん=舌のがんのほか、顔やのどにできるがんを対象にNKT細胞を移植して治療する臨床研究を始めたいとしています。 古関グループディレクターは「体の中で広がったがんをこの方法で小さくできれば、手術の負担も小さくできる。多くの人が受けられる新しい治療法になる可能性があると考えている」と話しています。> とある。
iPS細胞から免疫細胞 がん患者治療へ/NHK NEWS WEB/2015.04.22 - 04:41
理化学研究所などの研究チームが、iPS細胞からがんを攻撃する免疫細胞を作り出し、がん患者に移植して治療する臨床研究の計画を進めていることを明らかにしました。平成30年ごろの実施を目指したいということです。
臨床研究を計画しているのは、理化学研究所の古関明彦グループディレクターらと千葉大学病院の研究グループです。
免疫細胞の一種・NKT細胞は、がん細胞を攻撃して縮小させる作用がありますが、がんが大きくなると患者の体内にあるNKT細胞だけでは抑えられないということです。
このため研究グループではiPS細胞からNKT細胞を5000万個程度作り出し、患者に移植して安全性や効果を確かめる臨床研究の計画を進めているということです。
すでにヒトのiPS細胞からNKT細胞を作ることには成功しているということで、平成30年ごろをめどに舌がん=舌のがんのほか、顔やのどにできるがんを対象にNKT細胞を移植して治療する臨床研究を始めたいとしています。
古関グループディレクターは「体の中で広がったがんをこの方法で小さくできれば、手術の負担も小さくできる。多くの人が受けられる新しい治療法になる可能性があると考えている」と話しています。
"がん免疫(細胞)療法" は、従来からのがん治療の "三大療法"(除去手術/抗がん剤/放射線)とは一線を画し、"第4のがん治療法" と期待されてもいる。
患者の体内に備わっている "免疫" システムを最大限に活用して、がん細胞を撃退するという点、そして "三大療法" が大なり小なりに伴う "副作用" が回避できるという点などからである。
ただ、"その効き目" や "コスト面" に関して懸念する声が無くはない...... (2015.04.23)
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