"遺伝子の働きを調節するとされる「マイクロRNA」という微小物質" の種類は2千以上にも上ると言われている。そして昨今、その働きが様々な場面で注目されているようだ。
◆ 参照 当誌過去の "マイクロRNA" 関連記事
(1) <......人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)で作った細胞集団の中から、心筋や肝臓など特定の細胞だけを正確に選別して取り出すことに成功。細胞の種類によって異なる「マイクロRNA」という物質を目印に選別する新手法。......> ( "iPS細胞"で作った細胞集団から"特定の細胞"だけを正確に選別成功!(京都大iPS細胞研)/当誌 2014.05.23 )
(2) <......がん細胞が、周辺組織の遺伝プログラムを変化させる物質(マイクロRNA―1246、同―92a)が入った微小なカプセルを放出し、周囲の正常な細胞を腫瘍血管に変えることを突き止めた。......> ( "大腸がん"!その増殖・転移の要因となる"腫瘍血管"ができる仕組みを解明!(岐阜大)/当誌 2014.10.22 )
(3) <......マイクロRNAは、ヒトの細胞が血液中に出す物質で、細胞ががん化すると分泌されるマイクロRNAの種類や量が変わることが最新の研究で分かってきた......> ( がん早期発見の新たな血液検査法開発へ!"マイクロRNA"目印!国立がん研究センター他/当誌 2014.00.00 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 体内微小物質、大腸がん抑制 阪大などマウスで確認/【共同通信】/2015.05.21 - 12:40 は、 <遺伝子の働きを調節する「マイクロRNA」という微小物質が、大腸がんの増殖を抑えること。このマイクロRNAを人工合成し、試験管内で増殖する人の大腸がんの細胞に加えたところ、増殖が抑えられた。また、人の大腸がんを移植したマウスにこのマイクロRNAを点滴で投与。約2週間後、投与しなかったマウスと比較すると、がんの大きさは2分の1から3分の1ほどだった。......マイクロRNAはもともと人体にあるので悪影響は少ないと考えられる。薬剤の開発につなげたい。> と報じている。
<遺伝子の働きを調節する「マイクロRNA」という微小物質が、大腸がんの増殖を抑えることを大阪大や金沢大のチームがマウスの実験で突き止め、21日までに発表した。大阪大の石井秀始特任教授は「マイクロRNAを人工的に合成し、がんに投与した。マイクロRNAはもともと人体にあるので悪影響は少ないと考えられる。薬剤の開発につなげたい」と話した。 チームによると、マイクロRNAの種類は2千以上。この中から、がん細胞の増殖を抑えるものを探索し、2種類のマイクロRNAを特定した。 このマイクロRNAを人工合成し、試験管内で増殖する人の大腸がんの細胞に加えたところ、増殖が抑えられた。また、人の大腸がんを移植したマウスにこのマイクロRNAを点滴で投与。約2週間後、投与しなかったマウスと比較すると、がんの大きさは2分の1から3分の1ほどだった。 チームは、がん細胞で働きが弱まっている「がん抑制遺伝子」を、よく働くようにする作用がマイクロRNAにあると推測。食道や胃など消化器にできるがんにも効果があるとみている。 〔共同〕> とある。
体内微小物質、大腸がん抑制 阪大などマウスで確認 /【共同通信】/2015.05.21 - 12:40
遺伝子の働きを調節する「マイクロRNA」という微小物質が、大腸がんの増殖を抑えることを大阪大や金沢大のチームがマウスの実験で突き止め、21日までに発表した。大阪大の石井秀始特任教授は「マイクロRNAを人工的に合成し、がんに投与した。マイクロRNAはもともと人体にあるので悪影響は少ないと考えられる。薬剤の開発につなげたい」と話した。
チームによると、マイクロRNAの種類は2千以上。この中から、がん細胞の増殖を抑えるものを探索し、2種類のマイクロRNAを特定した。
このマイクロRNAを人工合成し、試験管内で増殖する人の大腸がんの細胞に加えたところ、増殖が抑えられた。また、人の大腸がんを移植したマウスにこのマイクロRNAを点滴で投与。約2週間後、投与しなかったマウスと比較すると、がんの大きさは2分の1から3分の1ほどだった。
チームは、がん細胞で働きが弱まっている「がん抑制遺伝子」を、よく働くようにする作用がマイクロRNAにあると推測。食道や胃など消化器にできるがんにも効果があるとみている
。〔共同〕
上記チームは、この "マイクロRNA" をもって <薬剤の開発につなげたい> そうだが、<マイクロRNAはもともと人体にあるので悪影響は少ないと考えられる> 点が意を強めさせているようだ...... (2015.05.24)
コメントする