がんの <転移(てんい、metastasis)とは、腫瘍細胞が原発病変とは違う場所に到達し、そこで再び増殖し、同一種類の腫瘍を二次的に生じること> であり、"がん転移" という難問が、"がん治療" における大きな課題だとされている。
◆ 参照 当誌過去の "がん 転移" 関連記事
(1) "心臓から分泌されるホルモン" が "がんの転移"を防ぐ!9施設で初臨床研究へ!(国循)/当誌 2015.02.27
(2) がん転移促す遺伝子発見!転移を抑える薬剤や術後経過の診断法開発への期待!(京大)/当誌 2015.01.25
今回注目する下記引用サイト記事 : がん「動く」仕組み解明 転移抑制への応用期待 神戸大教授ら/神戸新聞/2015.05.05 - 06:30 は、 <生物の体内で細胞が動くのに、細胞膜の張り具合(張力)が重要な役割を果たしていることを明らかにし、張力センサーとなるタンパク質を初めて発見。がん細胞の転移にもかかわるメカニズム> であるとして、この研究成果を報じている。
<神戸大学バイオシグナル研究センター(神戸市灘区)は、生物の体内で細胞が動くのに、細胞膜の張り具合(張力)が重要な役割を果たしていることを明らかにし、張力センサーとなるタンパク質を初めて発見した。がん細胞の転移にもかかわるメカニズムといい、英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー電子版に4日発表した。(武藤邦生) 細胞生物学を専門とする同センターの伊藤俊樹教授、辻田和也助教らによる成果。 体を構成する細胞は通常、適切な場所に存在するよう、運動が制御されている。しかしがん細胞では運動が過剰になり、転移が起こるとされる。 運動が活発化するメカニズムを調べるため、伊藤教授らはサルやヒトのがん細胞を使って実験。細胞膜に存在する「FBP17」というタンパク質が、正常の細胞に比べて張りが弱いことを感知すると、運動の原動力となる分子を片側に集中させていた。それによって細胞が特定の方向への推進力を得ることが分かった。 正常な細胞には十分な張りがある一方、がん細胞は張りがやや弱まった状態と考えられるという。FBP17の働きを抑制するなど、新たながん治療に応用できる可能性もあるといい、伊藤教授は「張力と細胞のがん化の関係を明らかにしていきたい」と話す。> とある。
がん「動く」仕組み解明 転移抑制への応用期待 神戸大教授ら/神戸新聞/2015.05.05 - 06:30
神戸大学バイオシグナル研究センター(神戸市灘区)は、生物の体内で細胞が動くのに、細胞膜の張り具合(張力)が重要な役割を果たしていることを明らかにし、張力センサーとなるタンパク質を初めて発見した。がん細胞の転移にもかかわるメカニズムといい、英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー電子版に4日発表した。(武藤邦生)
細胞生物学を専門とする同センターの伊藤俊樹教授、辻田和也助教らによる成果。
体を構成する細胞は通常、適切な場所に存在するよう、運動が制御されている。しかしがん細胞では運動が過剰になり、転移が起こるとされる。
運動が活発化するメカニズムを調べるため、伊藤教授らはサルやヒトのがん細胞を使って実験。細胞膜に存在する「FBP17」というタンパク質が、正常の細胞に比べて張りが弱いことを感知すると、運動の原動力となる分子を片側に集中させていた。それによって細胞が特定の方向への推進力を得ることが分かった。
正常な細胞には十分な張りがある一方、がん細胞は張りがやや弱まった状態と考えられるという。FBP17の働きを抑制するなど、新たながん治療に応用できる可能性もあるといい、伊藤教授は「張力と細胞のがん化の関係を明らかにしていきたい」と話す。
上記記事のように初めて明らかにされた <生物の体内で細胞が動くのに、細胞膜の張り具合(張力)が重要な役割を果たしていること> に関する研究は、今後、新たながん治療に応用できる可能性ありとして期待されている...... (2015.05.07)
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