"がん細胞だけを狙い撃ち" するところの "近赤外線" と "化学物質" とを活用した "新しいがん治療法" については、昨日、注目したところだ。( 下記関連記事参照 )
◆ 参照 当誌過去の "近赤外線" 関連記事
○ 近赤外線でがん細胞を攻撃!舌がんや咽頭がんなどに新たな治療法!臨床試験を開始!/当誌 2015.05.08
今回注目する下記引用サイト記事 : がん細胞だけ光で死滅...日本人研究者ら、米で近く臨床試験/yomiDr. ヨミドク/2015.05.07 は、 いわば昨日の記事の補足となる。
つまり、こうした "治療法" が、"「抗体」" の役割をテコにして働くところの "「光免疫療法」" だという点なのである。
<体の外から光線を当ててがん細胞を死滅させる新しいがん治療法「光免疫療法」 / がん細胞に結合するたんぱく質「抗体」に、「近赤外線」で化学反応が起きる化学物質を追加。この抗体を注射で体内に入れ、がん細胞に抗体が結合した後で体外から近赤外線を当てると、がん細胞が死滅する> と報じられている点に留意しておきたい。
<【ワシントン=中島達雄】体の外から光線を当ててがん細胞を死滅させる新しいがん治療法「光免疫療法」を、米国立衛生研究所(NIH)の日本人研究者らが開発し、近く米国の3大学で安全性を確認するための臨床試験を始める。 治療法を開発したのは、小林久隆NIH主任研究員らのグループ。米カリフォルニア州の新興企業と組んで、臨床試験の開始を米食品医薬品局(FDA)に申請、先月末に承認された。 小林さんらは、がん細胞に結合するたんぱく質「抗体」に、「近赤外線」で化学反応が起きる化学物質を追加。この抗体を注射で体内に入れ、がん細胞に抗体が結合した後で体外から近赤外線を当てると、がん細胞が死滅するという。 近赤外線は赤色の可視光より波長が長い光で、人体には無害。家電のリモコンなどに利用されている。がん細胞の周囲の正常な細胞には、抗体が結合しないため影響がない。2011年11月に小林さんらがマウス実験の結果を論文発表したところ、米オバマ大統領が12年1月の一般教書演説で、「米政府の研究費によって、がん細胞だけを殺す新しい治療法が実現しそうだ」と紹介したこともある。 臨床試験ではまず、口や舌、のどなどのがん患者7~9人に抗体を投与して安全性を確かめ、次に15~24人に投与したうえで近赤外線を当て効果を調べる。 (2015年5月7日 読売新聞)> とある。
がん細胞だけ光で死滅...日本人研究者ら、米で近く臨床試験/yomiDr. ヨミドク/2015.05.07
【ワシントン=中島達雄】体の外から光線を当ててがん細胞を死滅させる新しいがん治療法「光免疫療法」を、米国立衛生研究所(NIH)の日本人研究者らが開発し、近く米国の3大学で安全性を確認するための臨床試験を始める。
治療法を開発したのは、小林久隆NIH主任研究員らのグループ。米カリフォルニア州の新興企業と組んで、臨床試験の開始を米食品医薬品局(FDA)に申請、先月末に承認された。
小林さんらは、がん細胞に結合するたんぱく質「抗体」に、「近赤外線」で化学反応が起きる化学物質を追加。この抗体を注射で体内に入れ、がん細胞に抗体が結合した後で体外から近赤外線を当てると、がん細胞が死滅するという。
近赤外線は赤色の可視光より波長が長い光で、人体には無害。家電のリモコンなどに利用されている。がん細胞の周囲の正常な細胞には、抗体が結合しないため影響がない。2011年11月に小林さんらがマウス実験の結果を論文発表したところ、米オバマ大統領が12年1月の一般教書演説で、「米政府の研究費によって、がん細胞だけを殺す新しい治療法が実現しそうだ」と紹介したこともある。
臨床試験ではまず、口や舌、のどなどのがん患者7~9人に抗体を投与して安全性を確かめ、次に15~24人に投与したうえで近赤外線を当て効果を調べる。
(2015年5月7日 読売新聞)
今回の研究成果は、二つの技術要素―― ① がん細胞に結合するたんぱく質「抗体」、② 「近赤外線」で化学反応が起きる化学物質 ――を連携させている点に斬新さが見てとれるわけだ。そして、① こそは "免疫療法" アプローチの特徴なのであった...... (2015.05.09)
◆ 参照 当誌過去の "がん細胞に結合するたんぱく質「抗体」" 関連記事
○ 副作用のない抗体医薬品開発が可能に!がん細胞だけ攻撃!新抗体の作製成功(東北大)!/当誌 2014.08.04
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