近年の医療の進歩を念頭に置いて考えるならば、"がん死" の実数および比率の "高止まり" が問題視されざるを得ないようだ。
◆ 参照 当誌過去の "がん死" 関連記事
(1) <国のがん対策推進基本計画で2007年に掲げた、がんによる死亡者減の目標が達成困難であること ―― 05年と比較して15年に20%減を目指した。しかし、15年の数値を予測すると、17%減にとどまる見通し ―― が19日、国立がん研究センターの推計で分かった。医療の進歩で生存率は上昇しているものの、検診の受診率の向上による早期発見や喫煙率の低下によるがん予防といった柱となる対策が十分に機能していないとみられる......> ( もっと減っても良さそうな"がん死"減少率の目標達成が困難!厚労省が対策再検討へ!/当誌 2015.05.22 )
(2) 15年のがんと診断される人:98万人と予測(死亡する人:37万900人)! (国立がん研セ)/当誌 2015.04.30
今回注目する下記引用サイト記事 : 減らない"がん死亡率" 医師は「政府の取り組み不十分」と指摘/日刊ゲンダイ/2015.05.23 は、 <がんの死者は減らない――。 政府は......今年末までの10年間で20%減の73.9人にする目標を立てていたが、推計では17%の減少にとどまるという。 その原因を喫煙率の高さとがん検診受診率の低さとしている。......何が原因なのか。 「政府の取り組みが不十分なのです。 死亡率を下げる一番簡単な方法が喫煙者を減らすことなのに、国はたばこを買いにくくしたり吸いにくくする取り組みを積極的に進めていない。たばこの税収が欲しいので本気で危険性を訴えないのでしょう。」とは医学博士の米山公啓氏だ。> と報じている。
<がんの死者は減らない――。国立がん研究センターの発表にガッカリの人もいるだろう。2005年の人口10万人当たりのがん死亡者は92.4人だった。政府はこれを今年末までの10年間で20%減の73.9人にする目標を立てていたが、同センターが20日に明かした推計では17%の減少にとどまるという。 同センターはその原因を喫煙率の高さとがん検診受診率の低さとしている。05年の喫煙率24.2%を半減させ、20%だったがん検診の受診率を50%に引き上げることを目標にしていたが、13年の喫煙率は19.3%、受診率は30~40%台にすぎない。何が原因なのか。 政府の取り組みが不十分なのです」とは医学博士の米山公啓氏だ。 「死亡率を下げる一番簡単な方法が喫煙者を減らすことなのに、国はたばこを買いにくくしたり吸いにくくする取り組みを積極的に進めていない。せいぜい分煙を推進するくらい。BS放送には"たばこと肺がんは因果関係がない"と言い張る研究者も出ている。たばこの税収が欲しいので本気で危険性を訴えないのでしょう。検診は女性が子宮がんや乳がんの内診を恥ずかしがって受けたがらないため、受診率が低いと思われます」 大腸検査では下剤を飲むなどの面倒を嫌って敬遠する向きも少なくない。 「胃がんを減らすにはピロリ菌を除菌するのが世界の常識なのに、国はこれを推奨しない。子宮頚がんワクチンも副作用のせいで助成金を出さなくなった。本気で大腸がんをなくすなら、特定検診の検便を義務化するべき。喫煙者の生保の掛け金を高くするような大胆な政策があってもいいでしょう」(米山公啓氏) 政府はまだ本気になっていないだけ、なのかもしれない。> とある。
減らない"がん死亡率" 医師は「政府の取り組み不十分」と指摘/日刊ゲンダイ/2015.05.23
がんの死者は減らない――。国立がん研究センターの発表にガッカリの人もいるだろう。2005年の人口10万人当たりのがん死亡者は92.4人だった。政府はこれを今年末までの10年間で20%減の73.9人にする目標を立てていたが、同センターが20日に明かした推計では17%の減少にとどまるという。
同センターはその原因を喫煙率の高さとがん検診受診率の低さとしている。05年の喫煙率24.2%を半減させ、20%だったがん検診の受診率を50%に引き上げることを目標にしていたが、13年の喫煙率は19.3%、受診率は30~40%台にすぎない。何が原因なのか。
「政府の取り組みが不十分なのです」とは医学博士の米山公啓氏だ。
「死亡率を下げる一番簡単な方法が喫煙者を減らすことなのに、国はたばこを買いにくくしたり吸いにくくする取り組みを積極的に進めていない。せいぜい分煙を推進するくらい。BS放送には"たばこと肺がんは因果関係がない"と言い張る研究者も出ている。たばこの税収が欲しいので本気で危険性を訴えないのでしょう。検診は女性が子宮がんや乳がんの内診を恥ずかしがって受けたがらないため、受診率が低いと思われます」
大腸検査では下剤を飲むなどの面倒を嫌って敬遠する向きも少なくない。
「胃がんを減らすにはピロリ菌を除菌するのが世界の常識なのに、国はこれを推奨しない。子宮頚がんワクチンも副作用のせいで助成金を出さなくなった。本気で大腸がんをなくすなら、特定検診の検便を義務化するべき。喫煙者の生保の掛け金を高くするような大胆な政策があってもいいでしょう」(米山公啓氏)
政府はまだ本気になっていないだけ、なのかもしれない。
こうして見てくると、"がん治療" の現状は、"個々の治療技術" 云々といった各論レベルにあってはそれぞれ目覚ましさが見受けられても、片や、"政府の政策を含めた総論" レベルでは、残念ながら道半ば! といった印象が拭いきれないようだ...... (2015.05.25)
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