"がんの治療法" 開発にあたっては、各種の方法を併せることによる "相乗効果" とでも言える治療効果が目指され、研究が進められている。
今回注目する下記引用サイト記事 : 放射線治療のインパクトを強める薬、「AKT阻害薬」の追加に意味か がんの死を促して、がんの増殖を妨げる/Med エッジ/2015.06.17 - 16:00 は、 <放射線治療の効果を高める薬> として <「AKT阻害薬」と呼ばれる薬> に着眼する研究についてを報じている。
<がん細胞は急速に分裂――あまりに増殖が早すぎると、がん細胞は酸素不足に陥る。――「AKT」という遺伝子のスイッチが入ったままだと、酸素不足にもかかわらずがん細胞細胞は増殖を続ける。――このAKT阻害薬で邪魔した上で、放射線を使ってがんの死を促す治療効果を検証――ネズミではAKTを阻害する薬を与えると、放射線療法によるがんを殺す効果を高められた。研究グループは、幅広い種類のがんの治療に効果的となる可能性があると見る。> とのことだ。
<放射線治療の効果を高める薬剤が浮上している。 「AKT阻害薬」と呼ばれる薬だ。 英オックスフォード大学のイースター・ハモンド氏らの研究グループが、有力医学誌であるジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション誌において2015年6月1日に報告している。 がんと酸素不足 がん細胞は急速に分裂していくことがある。あまりに増殖が早すぎると、がん細胞は血液供給を得られずに酸素不足に陥る。 本来、腫瘍が大きくなる過程では、細胞はプログラムされたように自ら死ぬようにシグナルを受けて、酸素不足を回避しようとする。問題は「p53」と呼ばれる遺伝子にエラーがあるとき。シグナルが遮られ、がん細胞は死なずに成長を続けてしまう。 研究グループは、p53遺伝子に障害があると、酸素不足のがん細胞において、がんから体を守る6つの遺伝子の活性が低くなると見つけた。 6つの遺伝子のうち「PHLDA3」と「INPP5D」という2つの遺伝子が働かなくなると、「AKT」という遺伝子のスイッチが入ったままになる。AKTが働いたままだと、酸素不足にもかかわらずがん細胞細胞は増殖を続ける。 p53遺伝子が働かないがんで効果 研究グループは、このAKTが働いたままであるところに着目。AKT阻害薬で邪魔した上で、放射線を使ってがんの死を促す治療効果を検証した。 すると、がんの中でもp53遺伝子が働いていない場合、ネズミではAKTを阻害する薬を与えると、放射線療法によるがんを殺す効果を高められると分かった。研究グループは、幅広い種類のがんの治療に効果的となる可能性があると見る。 放射線治療の効果を高める薬には別の研究でも注目されているところ(「免疫チェックポイント阻害薬」は放射線療法の効果を増強、転移がんの治療に期待を参照)。治療の組み合わせが継続的に関心を集めそうだ。> とある。
放射線治療のインパクトを強める薬、「AKT阻害薬」の追加に意味か がんの死を促して、がんの増殖を妨げる/Med エッジ/2015.06.17 - 16:00
放射線治療の効果を高める薬剤が浮上している。
「AKT阻害薬」と呼ばれる薬だ。
英オックスフォード大学のイースター・ハモンド氏らの研究グループが、有力医学誌であるジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション誌において2015年6月1日に報告している。
がんと酸素不足
がん細胞は急速に分裂していくことがある。あまりに増殖が早すぎると、がん細胞は血液供給を得られずに酸素不足に陥る。
本来、腫瘍が大きくなる過程では、細胞はプログラムされたように自ら死ぬようにシグナルを受けて、酸素不足を回避しようとする。問題は「p53」と呼ばれる遺伝子にエラーがあるとき。シグナルが遮られ、がん細胞は死なずに成長を続けてしまう。
研究グループは、p53遺伝子に障害があると、酸素不足のがん細胞において、がんから体を守る6つの遺伝子の活性が低くなると見つけた。
6つの遺伝子のうち「PHLDA3」と「INPP5D」という2つの遺伝子が働かなくなると、「AKT」という遺伝子のスイッチが入ったままになる。AKTが働いたままだと、酸素不足にもかかわらずがん細胞細胞は増殖を続ける。
p53遺伝子が働かないがんで効果
研究グループは、このAKTが働いたままであるところに着目。AKT阻害薬で邪魔した上で、放射線を使ってがんの死を促す治療効果を検証した。
すると、がんの中でもp53遺伝子が働いていない場合、ネズミではAKTを阻害する薬を与えると、放射線療法によるがんを殺す効果を高められると分かった。研究グループは、幅広い種類のがんの治療に効果的となる可能性があると見る。
放射線治療の効果を高める薬には別の研究でも注目されているところ(「免疫チェックポイント阻害薬」は放射線療法の効果を増強、転移がんの治療に期待を参照)。治療の組み合わせが継続的に関心を集めそうだ。
がんに対する放射線治療の効果を高めるために、その "下地作り" として、遺伝子の働きに依拠するがん細胞の酸素不足状態(=弱体化!)を準備しておくというのは、いかにも効果がありそうだ...... (2015.06.20)
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