"人工呼吸器" を装着した患者に対する看護/介護における "痰(たん)の吸引" 作業は、一見、地味な作業のようでありながら、患者側・看護側の両方にとってかなりシビァな作業だと見なされている。
今回注目する下記引用サイト記事 : 呼吸器外さず痰を自動吸引...九州保健福祉大など開発/yomiDr. ヨミドク/2015.06.19 は、 <九州保健福祉大(宮崎県延岡市)の竹沢真吾教授(血液透析工学)らの研究グループは、人工呼吸器をつけたままで、痰(たん)を自動的に吸引できる装置を開発。 センサーで痰の有無を判断し、中が2層に分かれたチューブを用いて吸引。 2016年の製品化。 現在は口からの管で開発を進めているが、気管切開でも使えるようにする計画。 まずは病院で導入し、看護師に使い勝手などを確かめてもらったうえで、在宅でも使えるようにしたい。> と報じている。
<九州保健福祉大(宮崎県延岡市)の竹沢真吾教授(血液透析工学)らの研究グループは、人工呼吸器をつけたままで、痰(たん)を自動的に吸引できる装置を開発した。 センサーで痰の有無を判断し、中が2層に分かれたチューブを用いて吸引する。2016年の製品化を目指しており、患者や介護者の負担軽減につながることが期待できるとしている。 病気や障害のため自力呼吸ができず、口から入れた管やのどを切開(気管切開)して人工呼吸器を着けている患者は、たまった痰を自力で排出することができない。このため、看護師らがチューブを気管に挿入し、痰を吸引する必要がある。 吸引する際は人工呼吸器を外すため、患者は苦しさを伴う。また、自宅で介護する家族らにとっても、夜中でもたびたび行うことの負担は大きい。 竹沢教授らは、空気の通り道となる層と痰を吸い取る層の、内部が2層に分かれたチューブを考案。呼吸をした時の空気の圧力をセンサーで感知し、痰の有無を判断する吸引装置と組み合わせた。息を吐いたタイミングに合わせて、痰を随時、吸引する仕組みだ。 痰の自動吸引装置は、全身の筋力が衰える難病「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)患者などを対象に、大分県の企業が2010年までに薬事承認を受け、製品化している。気管切開した管の内側に痰の吸引口をつけ、少量の痰を常に吸い取る仕組みで、これまでに約850台が販売されているという。 今回、竹沢教授らが開発した装置は、どんな人工呼吸器にも対応でき、真空ポンプを用いて個々の呼吸に合わせて痰を吸引できるのが特長という。現在は口からの管で開発を進めているが、気管切開でも使えるようにする計画だ。 同大と竹沢教授が代表を務めるベンチャー企業、小型ポンプなどを製造する西都市の企業が、12年度から国や県の助成を受け共同で開発を進めてきた。15年度は国立研究開発法人「日本医療研究開発機構」から約4400万円の助成を受けている。病院での臨床試験を行い、16年には医療機器として申請を行いたい考えだ。 竹沢教授は「まずは病院で導入し、看護師に使い勝手などを確かめてもらったうえで、在宅でも使えるようにしたい。将来的にはアジアへも販路を拡大したい」と話している。(江口朋美) (2015年6月19日 読売新聞)> とある。
呼吸器外さず痰を自動吸引...九州保健福祉大など開発/yomiDr. ヨミドク/2015.06.19
九州保健福祉大(宮崎県延岡市)の竹沢真吾教授(血液透析工学)らの研究グループは、人工呼吸器をつけたままで、痰(たん)を自動的に吸引できる装置を開発した。
センサーで痰の有無を判断し、中が2層に分かれたチューブを用いて吸引する。2016年の製品化を目指しており、患者や介護者の負担軽減につながることが期待できるとしている。
病気や障害のため自力呼吸ができず、口から入れた管やのどを切開(気管切開)して人工呼吸器を着けている患者は、たまった痰を自力で排出することができない。このため、看護師らがチューブを気管に挿入し、痰を吸引する必要がある。
吸引する際は人工呼吸器を外すため、患者は苦しさを伴う。また、自宅で介護する家族らにとっても、夜中でもたびたび行うことの負担は大きい。
竹沢教授らは、空気の通り道となる層と痰を吸い取る層の、内部が2層に分かれたチューブを考案。呼吸をした時の空気の圧力をセンサーで感知し、痰の有無を判断する吸引装置と組み合わせた。息を吐いたタイミングに合わせて、痰を随時、吸引する仕組みだ。
痰の自動吸引装置は、全身の筋力が衰える難病「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)患者などを対象に、大分県の企業が2010年までに薬事承認を受け、製品化している。気管切開した管の内側に痰の吸引口をつけ、少量の痰を常に吸い取る仕組みで、これまでに約850台が販売されているという。
今回、竹沢教授らが開発した装置は、どんな人工呼吸器にも対応でき、真空ポンプを用いて個々の呼吸に合わせて痰を吸引できるのが特長という。現在は口からの管で開発を進めているが、気管切開でも使えるようにする計画だ。
同大と竹沢教授が代表を務めるベンチャー企業、小型ポンプなどを製造する西都市の企業が、12年度から国や県の助成を受け共同で開発を進めてきた。15年度は国立研究開発法人「日本医療研究開発機構」から約4400万円の助成を受けている。病院での臨床試験を行い、16年には医療機器として申請を行いたい考えだ。
竹沢教授は「まずは病院で導入し、看護師に使い勝手などを確かめてもらったうえで、在宅でも使えるようにしたい。将来的にはアジアへも販路を拡大したい」と話している。
(江口朋美)(2015年6月19日 読売新聞)
<痰の自動吸引装置は、全身の筋力が衰える難病「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)患者などを対象に......> とあるわけだが、ほかにも "人工呼吸器" を装着せざるを得ない患者さんたちは少なくないと思われる。
いわゆる "QOL(Quality of life, 生活・人生の質)" 向上に資する "自動・医療機器" の開発が大いに期待される...... (2015.06.21)
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