"放射線治療法" に限った話ではないのだが、がん治療にあっては、"がん細胞の狙い撃ち"、即ち、周辺の正常細胞には可能な限り影響を及ぼさずに "がん細胞/がん組織" だけを限定して攻撃を加える......、という常套手法が研究されているようだ。
◆ 参照 当誌過去の "がん細胞 狙い撃ち" 関連記事
○ <放射線治療は患部にX線などを照射してがん細胞の分裂を止め死滅させる。ただし周辺の正常な細胞にも影響するため疲労感、食欲不振や激しい吐き気、下痢などを引き起こすことがある。また場合によっては数十回の照射が必要なため、長い治療期間がかかる。副作用があるため照射できる総線量が限られる(治療回数に制限がある)こともデメリットだった。 それらの弱点を克服する新たな放射線治療の研究が進んでいる。その一つが、京都大学原子炉実験所で研究されている「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」だ。> ( 放射線"新"治療法研究(京大)!ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)!がん細胞だけを照射破壊!/当誌 2014.08.15 )
今回注目する下記引用サイト記事 : がん映し、中性子線で狙い撃ち 東大などマウスで実証/朝日新聞の医療サイト apital/2015.06.18 は、 <がん組織に集まりやすい薬剤を開発し、画面に映し出しながら中性子線で狙い撃ちにできる新たな放射線治療の手法をマウスで実証したと、東京大の片岡一則教授(マテリアル工学)らの研究チームが発表。体の負担が小さく、確実な治療が期待できるという。 チームが注目したのは、MRIで血管などをはっきり撮影するための造影剤に使う金属ガドリニウム。中性子線を当てると、細胞を攻撃するガンマ線を出す性質がある。そこで、がん組織に集まりやすい分子でこの成分を包んだ微小なナノカプセルを開発。> と報じている。
<がん組織に集まりやすい薬剤を開発し、画面に映し出しながら中性子線で狙い撃ちにできる新たな放射線治療の手法をマウスで実証したと、東京大の片岡一則教授(マテリアル工学)らの研究チームが発表した。体の負担が小さく、確実な治療が期待できるという。米専門誌電子版に掲載された。 チームが注目したのは、MRIで血管などをはっきり撮影するための造影剤に使う金属ガドリニウム。中性子線を当てると、細胞を攻撃するガンマ線を出す性質がある。そこで、がん組織に集まりやすい分子でこの成分を包んだ微小なナノカプセルを開発した。 カプセルをマウスの血液中に入れ、MRIで撮影すると通常よりくっきりとがんの形が映し出された。ここを狙って中性子線を当てたところ、増殖を抑える効果も確認できたという。 中性子線を使った同様の治療では現在、主にホウ素が使われている。ガドリニウムからのガンマ線はより遠くの細胞まで攻撃する効果が及び、画像も得られる利点があるという。 (竹野内崇宏) (朝日新聞 2015年6月18日掲載)> とある。
がん映し、中性子線で狙い撃ち 東大などマウスで実証/朝日新聞の医療サイト apital/2015.06.18
がん組織に集まりやすい薬剤を開発し、画面に映し出しながら中性子線で狙い撃ちにできる新たな放射線治療の手法をマウスで実証したと、東京大の片岡一則教授(マテリアル工学)らの研究チームが発表した。体の負担が小さく、確実な治療が期待できるという。米専門誌電子版に掲載された。
チームが注目したのは、MRIで血管などをはっきり撮影するための造影剤に使う金属ガドリニウム。中性子線を当てると、細胞を攻撃するガンマ線を出す性質がある。そこで、がん組織に集まりやすい分子でこの成分を包んだ微小なナノカプセルを開発した。
カプセルをマウスの血液中に入れ、MRIで撮影すると通常よりくっきりとがんの形が映し出された。ここを狙って中性子線を当てたところ、増殖を抑える効果も確認できたという。
中性子線を使った同様の治療では現在、主にホウ素が使われている。ガドリニウムからのガンマ線はより遠くの細胞まで攻撃する効果が及び、画像も得られる利点があるという。
(竹野内崇宏)(朝日新聞 2015年6月18日掲載)
周辺の正常細胞への悪影響を新たな視点で抑制した、こうした "新・放射線治療法" が開発されていくと、がん治療における "放射線治療法" への期待がさらに大きくなってゆくものと思われる...... (2015.06.22)
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