"大腸菌"を注射したらがんが消滅!? "大腸菌"利用の"がん免疫療法"の開発を目指して!

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 昨今では、"腸内細菌" という言葉をしばしば耳にする。今回話題とする "大腸菌" も "腸内細菌" の一部ではあり、また "免疫機能" 絡みでもあるのだが、とりあえず "腸内細菌" の文脈からは切り離しておく。

 今回注目する下記引用サイト記事大腸菌を注射したらがんが消滅!?画期的ながんの治療法となるか? 大腸菌を利用したがん免疫療法の開発を目指して/Med エッジ/2015.06.23 - 18:00 は、 "大腸菌" の "思わぬ働き(がんの免疫療法の可能性)!" に着目している。  <大腸菌がん細胞を消滅させる現象は以前から知られていたが、そのメカニズムは不明だった。このたびの解析で、大腸菌が体内に入ると体の免疫の仕組みが活性化され、それによりがんが消滅していると分かった。まだネズミでの実験の段階だが、画期的ながん免疫療法となる可能性がある。> と報じている。

 <大腸菌がん細胞を消滅させる現象は以前から知られていたが、そのメカニズムは不明だった。このたびの解析で、大腸菌が体内に入ると体の免疫の仕組みが活性化され、それによりがんが消滅していると分かった。まだネズミでの実験の段階だが、画期的ながん免疫療法となる可能性がある。   150年前から知られてはいた  ドイツのヘルムホルツ感染研究所(HZI)の研究グループが、がん分野の専門誌インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサー誌で2015年4月13日に報告した。  腸の中に住む大腸菌は、酸素があってもなくても生きられる「通性嫌気性菌(つうせいけんきせいきん)」に属する。  がんの組織では、がん細胞が激しく増殖しているため、酸素不足の状態になっている。そんながんの組織に大腸菌を植え付けてやると、大腸菌はコロニーという塊となって増える。結果的に、がん成長を遅らせたりがん消滅させたりもする。  この現象が最初に発見されたのは150年以上も前だが、いまだに詳しいメカニズムについてはほとんど知られていない。しかし、新しいがん治療法になる可能性は十分に秘めている。  今回研究グループは、ネズミの実験で、大腸菌がん細胞を消滅させるメカニズムを解析した。   免疫の仕組みが活発に  ネズミに実験用の大腸がん細胞(CT26細胞)を注射して、背中にがんの塊を作らせた。がんの直径が5mmになったところで、実験用の大腸菌(TOP10)を静脈注射した。  すると、ネズミの背中のがんは消滅した。  がんが消滅したネズミにもう一度同じがん細胞を注射したところ、がんができてこなかった。これにより、がんの消滅には、体の免疫反応が関係していると予想された。ワクチンと同じ原理で、体内の免疫の仕組みによって、ひとたび「異物」と判断され、記憶されたがん細胞は、2回目に体内にやってきたところ、速やかに排除されたというのだ。  案の定、免疫細胞を薬で殺したネズミにがん細胞を注射し、がんができたところで大腸菌を注射したところ、がんは消滅しなかった。   2種のT細胞が鍵  さらに解析を進めたところ、がんの消滅にはT細胞と呼ばれるリンパ球が重要であると分かった。T細胞にはいろいろ種類があるが、主なものはキラーT細胞(CD8+T細胞)とヘルパーT細胞(CD4+T細胞)の2種類。免疫細胞の表面に出ているタンパク質には番号が振ってあり、「CD」と番号で表現される。このうち2つの種類の細胞が活躍しているというわけだ。  最初のがん大腸菌で消滅させるときに主に働くのはキラーT細胞だった。そしてキラーT細胞ヘルパーT細胞ともにがん細胞を記憶し、2回目以降にその両者が協力して、速やかにがん細胞を殺していた。   強い免疫細胞を移植  このメカニズムの確認のために、「養子移入」という実験を行った。がん細胞を消滅させた経験のあるネズミから、キラーT細胞ヘルパーT細胞を回収し、がんを知らないネズミの血液に移植する。このネズミにがん細胞を注射すると、がんはできてこなかった。  さらに、がんを覚えこんだキラーT細胞は、既にがんが大きくなったネズミでも、移植してやればがんを消滅させた。  がんを覚えこんだヘルパーT細胞を詳しく解析したところ、がん作用に関連深い「グランザイムB」「ファスリガンド(FasL)」「腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)」「インターフェロンガンマ(IFN-γ)」を作っていると分かった。   なるか「大腸菌がん治療」  今回の結果から、大腸菌が直接がん細胞を攻撃するのではなく、体の免疫力を増強させる手伝いをしてがんを消滅させていると分かった。  メカニズムが一部解明できたことにより、この画期的ながん免疫療法の実用化に向けて、また一歩踏み出せたと研究グループは述べている。> とある。

 大腸菌を注射したらがんが消滅!?画期的ながんの治療法となるか? 大腸菌を利用したがん免疫療法の開発を目指して/Med エッジ/2015.06.23 - 18:00

 大腸菌がん細胞を消滅させる現象は以前から知られていたが、そのメカニズムは不明だった。このたびの解析で、大腸菌が体内に入ると体の免疫の仕組みが活性化され、それによりがんが消滅していると分かった。まだネズミでの実験の段階だが、画期的ながん免疫療法となる可能性がある。

150年前から知られてはいた

 ドイツのヘルムホルツ感染研究所(HZI)の研究グループが、がん分野の専門誌インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサー誌で2015年4月13日に報告した。

 腸の中に住む大腸菌は、酸素があってもなくても生きられる「通性嫌気性菌(つうせいけんきせいきん)」に属する。

 がんの組織では、がん細胞が激しく増殖しているため、酸素不足の状態になっている。そんながんの組織に大腸菌を植え付けてやると、大腸菌はコロニーという塊となって増える。結果的に、がん成長を遅らせたりがん消滅させたりもする。

 この現象が最初に発見されたのは150年以上も前だが、いまだに詳しいメカニズムについてはほとんど知られていない。しかし、新しいがん治療法になる可能性は十分に秘めている

 今回研究グループは、ネズミの実験で、大腸菌がん細胞を消滅させるメカニズムを解析した。

免疫の仕組みが活発に

 ネズミに実験用の大腸がん細胞(CT26細胞)を注射して、背中にがんの塊を作らせた。がんの直径が5mmになったところで、実験用の大腸菌(TOP10)を静脈注射した。

 すると、ネズミの背中のがんは消滅した。

 がんが消滅したネズミにもう一度同じがん細胞を注射したところ、がんができてこなかった。これにより、がんの消滅には、体の免疫反応が関係していると予想された。ワクチンと同じ原理で、体内の免疫の仕組みによって、ひとたび「異物」と判断され、記憶されたがん細胞は、2回目に体内にやってきたところ、速やかに排除されたというのだ。

 案の定、免疫細胞を薬で殺したネズミにがん細胞を注射し、がんができたところで大腸菌を注射したところ、がんは消滅しなかった。

2種のT細胞が鍵

 さらに解析を進めたところ、がんの消滅にはT細胞と呼ばれるリンパ球が重要であると分かった。T細胞にはいろいろ種類があるが、主なものはキラーT細胞(CD8+T細胞)とヘルパーT細胞(CD4+T細胞)の2種類。免疫細胞の表面に出ているタンパク質には番号が振ってあり、「CD」と番号で表現される。このうち2つの種類の細胞が活躍しているというわけだ。

 最初のがん大腸菌で消滅させるときに主に働くのはキラーT細胞だった。そしてキラーT細胞ヘルパーT細胞ともにがん細胞を記憶し、2回目以降にその両者が協力して、速やかにがん細胞を殺していた。

強い免疫細胞を移植

 このメカニズムの確認のために、「養子移入」という実験を行った。がん細胞を消滅させた経験のあるネズミから、キラーT細胞ヘルパーT細胞を回収し、がんを知らないネズミの血液に移植する。このネズミにがん細胞を注射すると、がんはできてこなかった。

 さらに、がんを覚えこんだキラーT細胞は、既にがんが大きくなったネズミでも、移植してやればがんを消滅させた。

 がんを覚えこんだヘルパーT細胞を詳しく解析したところ、がん作用に関連深い「グランザイムB」「ファスリガンド(FasL)」「腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)」「インターフェロンガンマ(IFN-γ)」を作っていると分かった。

なるか「大腸菌がん治療」

 今回の結果から、大腸菌が直接がん細胞を攻撃するのではなく、体の免疫力を増強させる手伝いをしてがんを消滅させていると分かった

 メカニズムが一部解明できたことにより、この画期的ながん免疫療法の実用化に向けて、また一歩踏み出せたと研究グループは述べている。


 ネズミの実験で、大腸菌がん細胞を消滅させるメカニズムを解析> とあり、<がんの消滅にはT細胞と呼ばれるリンパ球が重要> という、"大腸菌がん免疫療法" の本質を研究成果として獲得している。 新しいアプローチは、大いに期待されるが、"がん免疫療法" が常に問われる点、つまり、重要な課題は、がん患者に内在(残存)している "T細胞" の質量の問題なのかもしれない...... (2015.06.26)













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このブログ記事について

このページは、yasuo hiroseが2015年6月26日 00:01に書いたブログ記事です。

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