"前立腺がん検診"は過剰医療なのか?米国での"PSAスクリーニング検査"非推奨の効果!

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 日本でのわれわれは、"がん検診(各種のがん検査)" は文句なく "好ましいもの" と見なしていそうである。"早期発見!早期治療!" というスローガンがこれに "拍車を掛けている" かのようだ。
 しかし、この趨勢に異論を唱える人がいないわけではない。海外、特に米国ではだいぶ事情が異なっているようである。
 米国での "前立腺がん"/"PSA 検査" の取り組みに至っては、意表を衝くような事情の差異!があるようで、目を見張らざるを得ない。


 ◆ 参照 当誌過去の "PSA" 関連記事

 (1) "前立腺がん"、切り急ぐな!「賢い選択」(Choosing Wisely)運動(米国)による一例!/当誌 2014.12.16

 (2) <......前立腺がんは「前立腺特異抗原(PSA)」という物質の値を血液検査で測定できるようになっている。前立腺がんの可能性をその値の高さから判断できるのだ。結果として、前立腺がんが疑われて、前立腺に針を刺す精密検査からがんが判明する人が増えている。  ただし、そのなかで命に関わるがんは意外と少ない。  米国をはじめ、前立腺がんが見つかっても、定期的な検査をするのみで、手術をしない「アクティブ・サーベイランス」という考え方が一般化している......> ( 米医療界、日本で当たり前に行われている医療を"無駄"と!チュージング・ワイズリー!/当誌 2014.10.15


 今回注目する下記引用サイト記事前立腺がんの検診は過剰医療なのか?アメリカでのPSAスクリーニング検査非推奨の効果 2013年のアメリカの実態/MEDLEY/2015.06.25 は、  <前立腺がんが過剰に診断されているという意見があります。前立腺がんには進行が遅く死因になりにくいものが多いのに対して、血液のPSAという検査値は敏感すぎ、治療しても生存期間を延ばすなどの効果が期待できない場合まで発見してしまう結果、リスクを伴う詳しい検査や治療を過剰に促すという説です。アメリカの公的機関がこの立場を示して以来、50歳以上の男性で前立腺がんの検査が減ったという調査結果が示されました。> と、<アメリカでのPSAスクリーニング検査非推奨> に "効果!" が表れ始めたと報じている。

 <前立腺がんが過剰に診断されているという意見があります。前立腺がんには進行が遅く死因になりにくいものが多いのに対して、血液のPSAという検査値は敏感すぎ、治療しても生存期間を延ばすなどの効果が期待できない場合まで発見してしまう結果、リスクを伴う詳しい検査や治療を過剰に促すという説です。アメリカの公的機関がこの立場を示して以来、50歳以上の男性で前立腺がんの検査が減ったという調査結果が示されました。  ◆ アメリカの全国調査から  研究班は、2012年に米国予防医学作業部会(USPSTF)がPSAに基づく前立腺がんのスクリーニング(リスクが比較的高くないと考えられる人に行われる検査)を推奨しないという勧告を出した前後で、前立腺がんのスクリーニングが行われる頻度に変化があったかを調べました。  アメリカの全国的な健康調査であるNational Health Interview Surveyのデータから、2013年に40歳以上の男性に対して医師のもとで行われた前立腺がんのスクリーニングの情報を取り出し、2010年と比較しました。  ◆ 50歳以上で検査減少  得られた情報の解析から次の結果が得られました。  スクリーニング率は50歳から59歳の男性(33.2%から24.8%に、P<0.01)、60歳から74歳の男性(51.2%から43.6%に、P<0.01)、75歳以上の男性(43.9%から37.1%に、P=0.03)では有意に減少した。  50歳以上の男性に対して行われたスクリーニングは、2010年に対して2013年では少なくなっていました。  研究班はこの変化について「前立腺がんスクリーニングは、2012年のUSPSTFガイドラインがPSAに基づいたスクリーニングを非推奨としたのち、50歳を超える男性で有意に減少した」とまとめています。  USPSTFの見解には反対意見もあり、日本泌尿器科学会は2012年の勧告が案として公表された段階で「USPSTFの勧告(案)を今のわが国に適用することは適切でない」としています。  https://www.urol.or.jp/public/pca/america-prophylactic.html  検査を受けるかどうか、結果を見てどう対応するかは個人の価値観による部分もあります。検討されている方は、ご自身の健康上の背景と予想される結果について、医師とよく相談されることをお勧めします。> とある。

 前立腺がん検診過剰医療なのか?アメリカでのPSAスクリーニング検査非推奨の効果 2013年のアメリカの実態/MEDLEY/2015.06.25

 前立腺がんが過剰に診断されているという意見があります。前立腺がんには進行が遅く死因になりにくいものが多いのに対して、血液のPSAという検査値は敏感すぎ、治療しても生存期間を延ばすなどの効果が期待できない場合まで発見してしまう結果、リスクを伴う詳しい検査や治療を過剰に促すという説です。アメリカの公的機関がこの立場を示して以来、50歳以上の男性で前立腺がんの検査が減ったという調査結果が示されました

◆ アメリカの全国調査から

 研究班は、2012年に米国予防医学作業部会(USPSTF)がPSAに基づく前立腺がんのスクリーニング(リスクが比較的高くないと考えられる人に行われる検査)を推奨しないという勧告を出した前後で、前立腺がんのスクリーニングが行われる頻度に変化があったかを調べました。

 アメリカの全国的な健康調査であるNational Health Interview Surveyのデータから、2013年に40歳以上の男性に対して医師のもとで行われた前立腺がんのスクリーニングの情報を取り出し、2010年と比較しました

◆ 50歳以上で検査減少

 得られた情報の解析から次の結果が得られました。

  スクリーニング率は50歳から59歳の男性(33.2%から24.8%に、P<0.01)、60歳から74歳の男性(51.2%から43.6%に、P<0.01)、75歳以上の男性(43.9%から37.1%に、P=0.03)では有意に減少した。

 50歳以上の男性に対して行われたスクリーニングは、2010年に対して2013年では少なくなっていました

 研究班はこの変化について「前立腺がんスクリーニングは、2012年のUSPSTFガイドラインがPSAに基づいたスクリーニングを非推奨としたのち、50歳を超える男性で有意に減少した」とまとめています。

 USPSTFの見解には反対意見もあり、日本泌尿器科学会は2012年の勧告が案として公表された段階で「USPSTFの勧告(案)を今のわが国に適用することは適切でない」としています。

 https://www.urol.or.jp/public/pca/america-prophylactic.html

 検査を受けるかどうか、結果を見てどう対応するかは個人の価値観による部分もあります。検討されている方は、ご自身の健康上の背景と予想される結果について、医師とよく相談されることをお勧めします。


 "過剰医療" というようなコンセプト( c.f.冒頭感連記事の「賢い選択」(Choosing Wisely)運動 )に馴染まないわれわれにとっては、上記記事を一読すると、"前立腺がんの発症が減った" のかと思い込んでしまう。<前立腺がんの検査が減った> というのであり、この点に意義があると見なされていることに注意を向けたい...... (2015.06.29)













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このページは、yasuo hiroseが2015年6月29日 00:01に書いたブログ記事です。

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