糖尿病における "高血糖値" が、"インスリン" 分泌量の不足によって引き起こされていることはよく知られている。
なお、治療法としては、① "インスリン" 不足を "(注射、薬などで)外部から補う" 方法、② "高血糖値" を "食事制限、運動実施" などによって緩和させる方法、が一般的に行われている。
そして、これら以外の新しい治療法も模索されている。
◆ 参照 当誌過去の "インスリン 血糖値" 関連記事
○ <細胞のエネルギー源や情報伝達に使われるATP(アデノシン三リン酸)という物質が、糖尿病を引き起こす血糖値の上昇にも関わっていることをマウスの実験で特定したと、岡山大などの研究グループが21日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に発表した。糖尿病の新薬開発につながると期待している。 研究グループによると、ATPを運ぶたんぱく質を作れないようにしたマウスで調べたところ、インスリンの分泌量が増え、血糖値が下がったことを確認できた。......> ( 糖尿病の新薬開発につながるか?! "血糖値上昇に関与の物質"を特定(岡山大グループ)!/当誌 2014.10.26 )
今回注目する下記引用サイト記事 : インスリン抑制酵素を特定...糖尿病治療薬開発に期待/yomiDr. ヨミドク/2015.06.11 は、
<動物の細胞膜にある「インスリン受容体」の働きを、R3RPTPと呼ばれる酵素が妨げていること。 インスリン受容体はインスリンと結合し、細胞内にその情報を伝える働きをするたんぱく質で、その機能を阻害する物質があることは推定されていたが、正体がわかったのは初めて。 R3RPTPがインスリン受容体を構成する特定のチロシンと結びつき、「脱リン酸化」と呼ばれる作用で働きを抑制していること。 「R3RPTPの作用を妨げることで、少ないインスリンでも高血糖を改善できると考えられ、糖尿病の治療薬として開発が期待できる」> という研究成果を報じている。
<自然科学研究機構基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)は、野田昌晴教授らの研究グループが、動物の細胞膜にある「インスリン受容体」の働きを、R3RPTPと呼ばれる酵素が妨げていることを突き止めたと発表した。 インスリン受容体はインスリンと結合し、細胞内にその情報を伝える働きをするたんぱく質で、その機能を阻害する物質があることは推定されていたが、正体がわかったのは初めて。研究成果は、日本生化学学会の専門誌「ジャーナル・オブ・バイオケミストリー」11日付オンライン版に掲載される。 インスリンは膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがある。インスリンがインスリン受容体と結合すると、細胞内にあるアミノ酸の一種・チロシンを活性化させることで情報が細胞内に伝達され、血液中のブドウ糖が取り込まれ、血糖値が低下する。 野田教授らの研究グループは、ヒトやサルの細胞を使った実験でR3RPTPがインスリン受容体を構成する特定のチロシンと結びつき、「脱リン酸化」と呼ばれる作用で働きを抑制していることを突き止めた。 さらにR3RPTPをつくる遺伝子を欠損させたマウスにブドウ糖を注射したところ、一般のマウスと比べて血糖値の低下速度が約30%速かった。 この結果から、野田教授らは「R3RPTPの作用を妨げることで、少ないインスリンでも高血糖を改善できると考えられ、糖尿病の治療薬として開発が期待できる」としており、具体化に向けて検討を始めているという。 (2015年6月11日 読売新聞)> とある。
インスリン抑制酵素を特定...糖尿病治療薬開発に期待/yomiDr. ヨミドク/2015.06.11
自然科学研究機構基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)は、野田昌晴教授らの研究グループが、動物の細胞膜にある「インスリン受容体」の働きを、R3RPTPと呼ばれる酵素が妨げていることを突き止めたと発表した。
インスリン受容体はインスリンと結合し、細胞内にその情報を伝える働きをするたんぱく質で、その機能を阻害する物質があることは推定されていたが、正体がわかったのは初めて。研究成果は、日本生化学学会の専門誌「ジャーナル・オブ・バイオケミストリー」11日付オンライン版に掲載される。
インスリンは膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがある。インスリンがインスリン受容体と結合すると、細胞内にあるアミノ酸の一種・チロシンを活性化させることで情報が細胞内に伝達され、血液中のブドウ糖が取り込まれ、血糖値が低下する。
野田教授らの研究グループは、ヒトやサルの細胞を使った実験でR3RPTPがインスリン受容体を構成する特定のチロシンと結びつき、「脱リン酸化」と呼ばれる作用で働きを抑制していることを突き止めた。
さらにR3RPTPをつくる遺伝子を欠損させたマウスにブドウ糖を注射したところ、一般のマウスと比べて血糖値の低下速度が約30%速かった。
この結果から、野田教授らは「R3RPTPの作用を妨げることで、少ないインスリンでも高血糖を改善できると考えられ、糖尿病の治療薬として開発が期待できる」としており、具体化に向けて検討を始めているという。
(2015年6月11日 読売新聞)
上記記事における今回の研究成果の貴重な点は、<少ないインスリンでも高血糖を改善できる> 可能性のあることが示された点だ。 つまり、<「インスリン受容体」の働きを、R3RPTPと呼ばれる酵素が妨げていること> が発見されて、逆にこの "酵素:R3RPTP" の働きを阻止できれば、"インスリンのパフォーマンスが高まる!" と判明したわけなのである...... (2015.06.13)
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