iPS細胞をさまざまな細胞に変化させた際にできる、"がん化" の恐れのある "未分化な細胞" の問題。これらをどう除去するかが、再生医療にとって喫緊の課題となっている。
◆ 参照 当誌過去の "未分化 iPS細胞" 関連記事
(1) <鹿児島大学の小戝(こさい)健一郎教授らはiPS細胞をさまざまな細胞に変化させた際にできる、がん化の恐れのある細胞だけをウイルスで死滅させる手法を開発した。異常な細胞にあるが、正常な細胞ではほとんど働いてない遺伝子「サバイビン」に着目。この遺伝子に反応して増殖するウイルスを作った。 実験では、がん化する恐れのある細胞にウイルスが感染してから、約1週間で細胞が死滅することを確かめた。正常な細胞にもウイルスは感染したが増殖はせず、細胞は死滅しなかった。......> ( がんや腫瘍の原因となる未分化細胞!遺伝子"サバイビン"目印にアデノウイルスで駆逐!/当誌 2015.07.28 )
(2) <人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)を使った再生医療で課題になっている、細胞のがん化や腫瘍の発生を避けるため、原因となる細胞だけを破壊する手法を開発したと、鹿児島大の小戝健一郎教授が21日、明らかにした。......> ( 再生医療で細胞のがん化や腫瘍の発生を防ぐ新技術!アデノウイルス活用!(鹿児島大)/当誌 2015.07.24 )
今回注目する下記引用サイト記事 : がん化iPS細胞を除去 立命館大チームが抗体作製/【共同通信】/2015.07.28 - 18:54 は、 <がん化の恐れがある未分化の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を見分けて除去するのに有効な抗体「R―17F」を、立命館大の川嵜敏祐上席研究員(糖鎖生物学)らのチームが作製し、28日発表した。 川嵜上席研究員は「iPS細胞を使った再生医療が抱える発がんリスクの軽減に貢献できるのではないか」としている> と報じている。
<がん化の恐れがある未分化の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を見分けて除去するのに有効な抗体「R―17F」を、立命館大の川嵜敏祐上席研究員(糖鎖生物学)らのチームが作製し、28日発表した。 人のiPS細胞などから作った組織や細胞には未分化のiPS細胞が残存して、がん化する恐れが指摘されている。 川嵜上席研究員は「iPS細胞を使った再生医療が抱える発がんリスクの軽減に貢献できるのではないか」としている。 チームは、糖質が鎖のようにつながり細胞の表面で突き出ている「糖鎖」に注目。人のiPS細胞の表面にある糖鎖を認識する抗体「R―17F」を作製した。> とある。
がん化iPS細胞を除去 立命館大チームが抗体作製/【共同通信】/2015.07.28 - 18:54
がん化の恐れがある未分化の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を見分けて除去するのに有効な抗体「R―17F」を、立命館大の川嵜敏祐上席研究員(糖鎖生物学)らのチームが作製し、28日発表した。
人のiPS細胞などから作った組織や細胞には未分化のiPS細胞が残存して、がん化する恐れが指摘されている。
川嵜上席研究員は「iPS細胞を使った再生医療が抱える発がんリスクの軽減に貢献できるのではないか」としている。
チームは、糖質が鎖のようにつながり細胞の表面で突き出ている「糖鎖」に注目。人のiPS細胞の表面にある糖鎖を認識する抗体「R―17F」を作製した。
<残存して、がん化する恐れ> がある <未分化のiPS細胞> を、いわば "抗原" として選別的に結合してゆく、そうした "抗体「R―17F」" とその働きが、今回の "エッセンス" なのであろう。 "除去作業" に直接手を下すのは、"マクロファージ" などの免疫細胞たちということになるのであろうか...... (2015.07.30)
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