"iPS細胞から作った心筋細胞シート" の研究については、以前にここで注目したことがある。(下記の関連記事参照) その時点では、<"心筋細胞シート" が心臓に同化することを確認> という進捗段階であった。
◆ 参照 当誌過去の "細胞シート" 関連記事
○ <人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った心筋細胞のシートをラットに移植すると、心臓の一部となり同化して動くことを、大阪大のチームが大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)を使った分子レベルの分析で確かめた。26日、記者会見して発表した。 大阪大はこの「心筋シート」で重い心不全の患者を治療する再生医療研究を進めており、心筋シートが心機能を改善することは動物実験で分かっていたが心臓と同化して動くメカニズムは詳しく証明されていなかった。 心臓血管外科の澤芳樹教授は記者会見で「治療の有効性を示す証拠になる」と話し、臨床研究を2~3年以内に開始したいとした> ( iPS細胞から作った"心筋細胞シート" 心臓に同化を確認!大阪大 3年以内に臨床研究!/当誌 2015.01.28 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 心臓に細胞シート移植、大阪大 医師主導治験1例目/【共同通信】/2015.08.26 - 12:06 は、上記の関連記事の "続報" に相当するものと思われる。<薬事承認を求めるためのデータを得るのを目的> とする <「医師主導治験」の1例目> が実施されたと報じている。
<重い心臓病を患う東北地方の40代男性の太ももから、筋肉のもとになる細胞を採取してシート状にし、自身の心臓の表面に移植して機能を改善させる手術を実施したと、大阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)のチームが26日記者会見し明らかにした。男性の経過は良好で、来月にも退院予定。 チームはこれまでこの手法に関し臨床研究を行って安全性を検証してきた。今回は企業による治験ではなく、現場の医師が主体になって独自に企画や発案しながら治験を進める「医師主導治験」の1例目。薬事承認を求めるためのデータを得るのが目的としている。今後、約半年~1年以内に計5人の成人に移植する計画。> とある。
心臓に細胞シート移植、大阪大 医師主導治験1例目/【共同通信】/2015.08.26 - 12:06
重い心臓病を患う東北地方の40代男性の太ももから、筋肉のもとになる細胞を採取してシート状にし、自身の心臓の表面に移植して機能を改善させる手術を実施したと、大阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)のチームが26日記者会見し明らかにした。男性の経過は良好で、来月にも退院予定。
チームはこれまでこの手法に関し臨床研究を行って安全性を検証してきた。今回は企業による治験ではなく、現場の医師が主体になって独自に企画や発案しながら治験を進める「医師主導治験」の1例目。薬事承認を求めるためのデータを得るのが目的としている。今後、約半年~1年以内に計5人の成人に移植する計画。
いずれの "移植" 手術においても、"他者の" 組織であった場合には、いわゆる "拒絶反応" が問題となるところだが、今回のケースでは、<40代男性の太ももから、筋肉のもとになる細胞を採取してシート状にし、自身の心臓の表面に移植> とあるため、問題は回避されている!ようだ...... (2015.08.28)
コメントする