"iPS 細胞" は、専ら "内臓臓器" の "再生" という視点で注目されがちであるが、"ウイルスに感染した細胞やがん細胞などを攻撃する免疫細胞(=T細胞)" を "再生" させる( "若返りさせる" & "増殖" )というアプローチでも、"iPS 細胞" の技術が応用され成功している。( 下記の関連記事 (1)参照 )
◆ 参照 当誌過去の "がん 免疫細胞" 関連記事
(1) <ウイルスに感染した細胞やがん細胞などを攻撃する免疫細胞の一種「T細胞」を一度、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にした上で、同じ能力を持つ「元気」なT細胞に再生させることに世界で初めて成功したと、東京大の中内啓光(ひろみつ)教授らのグループが発表した。このT細胞を患者の体に戻すことで、がんなどの新たな治療法につながる。 「今回の方法を使えば、特定の対象を攻撃する若くて元気の良いT細胞を大量に増やすことができる」......> ( iPS細胞の技術応用で、がん細胞などを攻撃する免疫細胞の一種"T細胞"の若返りに成功!/当誌 2013.01.05 )
(2) iPS細胞からがん攻撃の免疫細胞(NKT細胞)を作りがん治療の"臨床研究"計画!(理化学研)/当誌 2015.04.23
(3) "がん免疫(細胞)療法"/最近の各種動向一覧!最新:腫瘍細胞免疫回避の一要因 PD-L1!/当誌 2014.04.17
今回注目する下記引用サイト記事 : 東大、iPS応用でがん小さく マウス実験で成功/日本経済新聞/2015.08.28 - 01:00 は、すでに成功している <免疫細胞の一種「T細胞」を一度、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にした上で、同じ能力を持つ「元気」なT細胞に再生させる> 研究 ( 上記の関連記事 (1)参照 ) を踏まえつつ、 <東京大の中内啓光教授らはiPS細胞から作った免疫細胞でがんを小さくする実験にマウスで成功した。体内でうまく働かなくなった免疫細胞の能力をよみがえらせて、がんを攻撃する。 数年以内に患者で検証したい> と報じている。
< 東京大の中内啓光教授らはiPS細胞から作った免疫細胞でがんを小さくする実験にマウスで成功した。体内でうまく働かなくなった免疫細胞の能力をよみがえらせて、がんを攻撃する。数年以内に患者で検証したいという。成果は米科学誌ステム・セル・リポーツ(電子版)に28日、掲載される。 実験ではウイルスに感染してがん化したヒトの細胞をマウスの体内に移植し、このがん細胞を攻撃する免疫細胞をiPS細胞から作り出して体内に入れた。免疫細胞が盛んに働き、がんは20分の1ほどに縮小した。免疫細胞を入れないマウスでは、がんは10倍の大きさになった。 体内にがん細胞ができると、がんを取り除こうとする免疫細胞が攻撃を始める。ただ、免疫細胞はやがて疲弊し、がん細胞が増殖してしまう。研究チームは、攻撃能力の落ちた免疫細胞を取り出してiPS細胞に変えて育てると、免疫細胞が若返り攻撃能力が回復することを実証した。この仕組みを応用したがん免疫療法の実用化を目指す。> とある。
東大、iPS応用でがん小さく マウス実験で成功 /日本経済新聞/2015.08.28 - 01:00
東京大の中内啓光教授らはiPS細胞から作った免疫細胞でがんを小さくする実験にマウスで成功した。体内でうまく働かなくなった免疫細胞の能力をよみがえらせて、がんを攻撃する。数年以内に患者で検証したいという。成果は米科学誌ステム・セル・リポーツ(電子版)に28日、掲載される。
実験ではウイルスに感染してがん化したヒトの細胞をマウスの体内に移植し、このがん細胞を攻撃する免疫細胞をiPS細胞から作り出して体内に入れた。免疫細胞が盛んに働き、がんは20分の1ほどに縮小した。免疫細胞を入れないマウスでは、がんは10倍の大きさになった。
体内にがん細胞ができると、がんを取り除こうとする免疫細胞が攻撃を始める。ただ、免疫細胞はやがて疲弊し、がん細胞が増殖してしまう。研究チームは、攻撃能力の落ちた免疫細胞を取り出してiPS細胞に変えて育てると、免疫細胞が若返り攻撃能力が回復することを実証した。この仕組みを応用したがん免疫療法の実用化を目指す。
この "免疫細胞" によるマウス実験での "抗がん" 成果は、<がんは20分の1ほどに縮小した。免疫細胞を入れないマウスでは、がんは10倍の大きさになった> とある。 "有意" で "顕著" な成果だと思われる。 実用化に向けた今後の研究進展に大きく期待したい...... (2015.08.31)
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