臨床用として使われる "iPS細胞" は、その移植効果に大きな期待が託される一方で、その作製に "多大な時間と費用" がかかることがボトルネックとされてきた。
◆ 参照 当誌過去の "iPS ストック" 関連記事
(1) <京都大iPS細胞研究所(山中伸弥所長)は28日、患者本人以外の人から作製し、保存している医療用のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を、今秋にも医療機関などに提供できる見通しが立ったと発表> ( "医療用iPS細胞"(患者本人以外の人から作製保存)を今秋にも提供!(京大iPS細胞研究所)/当誌 2015.05.02 )
(2) <理化学研究所などは昨年9月にiPS細胞を使った患者への移植を実施したが、手術までにかなりの時間がかかったうえ、個人ごとに作るため費用が膨らんでいた。2例目の臨床研究で備蓄した細胞を使うのは、こうした課題を克服する狙いがある。 iPS細胞は患者の皮膚や血液の細胞から作っている。患者本人の細胞を使えば拒絶反応が起きないからだ。しかし、患者の細胞を使って実施した1例目の移植は費用が5000万~1億円ほどかかったといわれる。iPS細胞を利用する再生医療の普及に向けた大きな課題となっていた。......> ( iPS細胞移植手術、"他人の細胞からのiPS細胞作製"でコスト大幅減!手術待ち期間短縮!/当誌 2015.03.23 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 京大、臨床用iPSを初提供 大日本住友製薬に/【共同通信】/2015.08.06 - 21:20 は、 <京都大iPS細胞研究所は6日、人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を備蓄しておくストック計画の一環として、大日本住友製薬に臨床用iPS細胞を有償提供したと発表した。 京大は拒絶が起こりにくいiPS細胞を備蓄し、広く迅速に提供する体制を整備してきた。実験用は提供していたが、安全性の高い臨床用は今回が初めてで、患者への利用が進みそうだ> と報じている。
京大、臨床用iPSを初提供 大日本住友製薬に/【共同通信】/2015.08.06 - 21:20
京都大iPS細胞研究所は6日、人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を備蓄しておくストック計画の一環として、大日本住友製薬に臨床用iPS細胞を有償提供したと発表した。
患者自身の細胞から作ったiPS細胞をさまざまな細胞や組織に変化させて移植すれば拒絶反応は起きないとされるが、時間や費用がかかる。
京大は拒絶が起こりにくいiPS細胞を備蓄し、広く迅速に提供する体制を整備してきた。実験用は提供していたが、安全性の高い臨床用は今回が初めてで、患者への利用が進みそうだ。
"患者自身の細胞から" ではなく創られた "ストック(備蓄)" の "iPS細胞" でも、<拒絶は起こりにくい> とされているようだ。 いよいよ、"臨床" の本番での結果が表れる...... (2015.08.08)
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