抗がん剤投薬システム"ナノマシン"!がん細胞を狙い撃ち!副作用減らし効果高める!

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 "ナノテクノロジー" は様々な分野で発展しているが、"がん治療" の領域では "ナノマシン" という技術が、"がん細胞" を正常細胞と見分けて選別的に対応・攻撃するものとして期待されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "ナノマシン" 関連記事

  <......がん細胞と正常細胞を見分け、がん細胞にのみ抗がん剤を注入する医療用分子ロボット......> ( ナノテクノロジー/生体分子ロボットの世界コンペで日本勢(東北大/東工大)が快挙達成!/当誌 2012.12.28


 今回注目する下記引用サイト記事どうすれば安全安心:抗がん剤投薬システム「ナノマシン」 副作用減らし効果高める/毎日新聞/2015.07.30 東京夕刊 は、  <ウイルスほどの大きさのカプセルに入った抗がん剤を、がん細胞までピンポイントで届ける投薬システムの臨床試験が、国内で最終段階に入っている。「ナノマシン」と呼ばれる新技術で、早ければ来年度中にも承認され、医療現場での使用が始まる見通しだ。 ナノマシンを使ってシスプラチンをがん細胞だけにピンポイントで運べれば、正常な細胞に影響を与えないので副作用をほとんど感じることなく、(副作用)対策も不要になる。 また、がん細胞の中に入り込み核の近くで抗がん剤を放出することから、薬剤耐性を獲得したがん細胞への効果も期待される。 ナノマシンは微小ながんも見つけることが可能だ。 副作用が軽減され、抗がん剤の効果が従来の方法と同等か、それ以上ならば、それだけでも患者には大きな利益があると言えるのではないでしょうか> と報じている。

 どうすれば安全安心:抗がん剤投薬システム「ナノマシン」 副作用減らし効果高める/毎日新聞/2015.07.30 東京夕刊

 ウイルスほどの大きさのカプセルに入った抗がん剤を、がん細胞までピンポイントで届ける投薬システムの臨床試験が、国内で最終段階に入っている。「ナノマシン」と呼ばれる新技術で、早ければ来年度中にも承認され、医療現場での使用が始まる見通しだ。そのメリットや課題とは−−。【庄司哲也】

 ◇ 極小のカプセル内に薬/がん細胞のみ狙い撃ち/来年度、乳がんで使用も

 「1960年代に『ミクロの決死圏』という米国のSF映画がありました。医師が小さくなって宇宙艇のような機械に乗り、人の体内へと入り脳を治療するという物語です。ナノマシンは、この映画よりもさらに進んでいると言えるかもしれません。レーダーに捉えられない無人攻撃機が、がん細胞へと真っすぐに向かっていき、敵を撃破するというのがマシンのイメージだからです」。そう話すのは、ナノマシンの開発を進めている東京大大学院工学系研究科教授の片岡一則さんだ。

 ナノマシンは、粒の直径が50ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)以下という極小サイズ。高分子でできたカプセル(高分子ミセル)内に抗がん剤を入れ、これを点滴で体内に送り込み、がん細胞だけに届けるという仕組みだ。

 高分子ミセルは水に溶けやすい性質のポリエチレングリコールと水に溶けにくいアミノ酸でできており、抗がん剤と結合させて水の中に入れると球形になる。表面を体内になじみやすいポリエチレングリコールが覆うため、異物と認識されることなく抗がん剤を運ぶことができるのだ。

 ではなぜ、がん細胞を狙い撃ちできるのか。片岡さんによると、がん細胞増殖が速く栄養や酸素を正常細胞よりも多く必要とする。このため、新たな血管を作って栄養を取り込もうとするが、急ごしらえの血管は隙間(すきま)だらけで、物質が通り抜けやすい状態になっている。そこへ高分子ミセルに包まれた抗がん剤を送り込むと、がん細胞はたくさんの栄養などを取り込もうとするため、高分子ミセルも一緒にのみ込んでしまう。これに対し正常細胞の血管は、このような大きさの隙間がないので、高分子ミセルを通さない

 さらにナノマシンには、もう一つ仕掛けがあるがん細胞は、正常細胞に比べ水素イオン指数(pH)が低く、酸性度が高い。正常細胞のpHが7・4なのに対し、がん細胞は6・5〜7・0。がん細胞の内部はさらに低くpHは5・0程度だ。高分子ミセルはこの性質を利用し、酸性度が上がったところで抗がん剤を放出させる

 「高分子ミセルはギリシャ神話の『トロイの木馬』のようなものです。がん細胞が何も知らずに取り込み、敵の本丸ともいえる細胞の核に近づいたところで高分子ミセル自体が崩壊して抗がん剤を放出するのは、敵陣の真ん中で木馬の扉が開き、兵士が飛び出して敵をやっつけるようなものです。そのためにpHの値という環境の変化を検出し、自らの構造を変えるという能動的な働きを持っています。だから単なるカプセルではなく、マシンと呼ぶのです」

 臨床現場では、どう使われることが想定されているのか。

 例えばシスプラチン(製品名ブリプラチン、ランダ)という抗がん剤は肺がん、前立腺がん、卵巣がん、胃がんなど幅広い種類のがん治療に使われている。高い腫瘍の縮小効果がある半面、腎毒性があり、腎臓の機能が低下しやすい副作用がある。治療では点滴で水分を補ったり、利尿剤を使い尿の量を多くしたりして、腎毒性を軽減する対策が必要だ。さらに投与後に吐き気も感じる。

 だが、ナノマシンを使ってシスプラチンをがん細胞だけにピンポイントで運べれば、正常な細胞に影響を与えないので副作用をほとんど感じることなく、利尿剤などの対策も不要になる

 また、がん細胞の中に入り込み核の近くで抗がん剤を放出することから、薬剤耐性を獲得したがん細胞への効果も期待される

 国内では、既存の抗がん剤を使いながらも「新薬」として臨床試験が行われている。再発乳がんを対象に抗がん剤のパクリタキセル(製品名タキソール)を使った臨床試験が、最終段階である第3相試験をほぼ終えている。海外に目を向けると、膵臓(すいぞう)がんや肺がんでの臨床試験も進んでいる。

 片岡さんは「順調に効果が確認されれば、国内では乳がんで今年度中に承認申請され、2016年度には臨床の現場で使われるようになるかもしれません」と語る。

 ナノマシンは微小ながんも見つけることが可能だ。開発者らは、将来的にはがんを見つけるための造影剤をナノマシンに入れ、がんを発見したら、続いて抗がん剤を送り込み治療を行う機能まで持たせることも視野に入れている。

 一方、ナノマシンの臨床試験に携わってきた国立がん研究センター東病院の新薬開発分野長、松村保広さんは「がんが完治するといった、特効薬のような効果を期待すべきではない」とくぎを刺す

 再発乳がんの国内での臨床試験で用いられているパクリタキセルは、副作用として日常生活に支障をきたすレベルの神経障害が起こることがあるが、ナノマシンではこうした副作用はほとんどみられないという。松村さんは「副作用が軽減され、抗がん剤の効果が従来の方法と同等か、それ以上ならば、それだけでも患者には大きな利益があると言えるのではないでしょうか」と話す。

 片岡さんも「現状では明らかにそこにがんがあると分かるならば手術が第一の選択であることに変わりはありません。再発の可能性を下げたり、手術前に転移を消したりするというのが、当面の使い方でしょう」と言う。

 実用化が目前に迫っているがん治療の新たな技術。今後のさらなる進歩に期待したい。


 確かに、<副作用が軽減され、抗がん剤の効果が従来の方法と同等か、それ以上ならば、それだけでも患者には大きな利益があると言える> のであろうが、<がんが完治するといった、特効薬のような効果を期待すべきではない> という点に十分留意が必要かと思われる。 臨床試験によって、抗がん剤の副作用のすべてが洗い出されるとは言い切れない(特に、ロングスパンでの副作用)からである...... (2015.08.01)













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