"深刻な腎不全" のケースでは、"人工透析/ドナー待ち移植" だけが治療の選択肢となり、しかも、"ドナー件数が圧倒的に希少な現状" は、腎不全患者を悲観視させることにつながっている。 そこで待ち望まれるのが、"人工腎臓/再生腎臓" であり、その研究の進展ということになる。
◆ 参照 当誌過去の "腎不全" 関連記事
(1) 腎臓病に朗報!"体性幹細胞"からの"腎臓の立体組織"作製に成功!岡山大・杏林大など!/当誌 2014.11.26
(2) "人工透析/ドナー待ち移植"だけの現状を打破する弾みとなるか?!"人工腎臓"の研究成果!/当誌 2013.04.29 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 再生腎臓:ラットで排尿成功 「10年以内、人へ応用」/毎日新聞/2015.09.23 - 12:43 は、"再生腎臓" の研究に関する最新動向を伝えており、 <動物の体内で成長させた再生腎臓から、尿を体外に排出させる実験に成功 ...... これまで、腎臓の再生はできていたが、排尿させることができなかった。 「腎臓の再生医療の人への応用に向けた大きな一歩」......> と報じている。
< 動物の体内で成長させた再生腎臓から、尿を体外に排出させる実験に成功したと、東京慈恵会医科大の横尾隆教授(腎臓再生学)らのチームが、米科学アカデミー紀要に発表した。これまで、腎臓の再生はできていたが、排尿させることができなかった。チームは「腎臓の再生医療の人への応用に向けた大きな一歩」と説明する。 腎臓で作られた尿は、尿管を通ってぼうこうにためられ、体外に排出される。当初、新しく作った腎臓と元からあるぼうこうを人工の管などでつないで排尿を試みたが、人工の管は尿をぼうこうに送る収縮運動ができず、機能しなかった。 チームはラットの胎児から腎臓や尿管、ぼうこうに成長する前の未熟な組織を取り出し、大人のラットの体内で発育。小林英司・慶応大特任教授らによる顕微鏡を用いた手術の技術を使い、成長した腎臓、ぼうこうを元からあるぼうこうと尿管でつなぐことに成功。排尿を確認した。尿には、正常な腎臓で作られる尿の3分の1以上の毒素が排出されていた。人は正常な腎臓の1割程度の機能があれば人工透析を回避できるとされ、機能も問題なかった。 チームは、ブタでも同様の手法で排尿を確認し、サルを使った実験にも着手している。未熟な組織が臓器へ成長する「スイッチ」を入れるには、動物の体へいったん移植することが必要で、動物を利用することに倫理面や種を超えた感染症などの問題があるが、横尾教授は「10年以内に人への応用を目指したい」と話す。 日本透析医学会によると、2013年末に腎臓病を患って人工透析を受けている国内の患者は31万4180人。深刻な腎不全の患者は腎臓移植を受けるしかないが、日本臓器移植ネットワークによると今年8月末現在、移植希望の登録患者が1万2619人に達するのに対し、移植数は脳死と心停止後を合わせても111件。腎臓の再生医療への期待は高い。 【藤野基文】> とある。
再生腎臓:ラットで排尿成功 「10年以内、人へ応用」/毎日新聞/2015.09.23 - 12:43
動物の体内で成長させた再生腎臓から、尿を体外に排出させる実験に成功したと、東京慈恵会医科大の横尾隆教授(腎臓再生学)らのチームが、米科学アカデミー紀要に発表した。これまで、腎臓の再生はできていたが、排尿させることができなかった。チームは「腎臓の再生医療の人への応用に向けた大きな一歩」と説明する。
腎臓で作られた尿は、尿管を通ってぼうこうにためられ、体外に排出される。当初、新しく作った腎臓と元からあるぼうこうを人工の管などでつないで排尿を試みたが、人工の管は尿をぼうこうに送る収縮運動ができず、機能しなかった。
チームはラットの胎児から腎臓や尿管、ぼうこうに成長する前の未熟な組織を取り出し、大人のラットの体内で発育。小林英司・慶応大特任教授らによる顕微鏡を用いた手術の技術を使い、成長した腎臓、ぼうこうを元からあるぼうこうと尿管でつなぐことに成功。排尿を確認した。尿には、正常な腎臓で作られる尿の3分の1以上の毒素が排出されていた。人は正常な腎臓の1割程度の機能があれば人工透析を回避できるとされ、機能も問題なかった。
チームは、ブタでも同様の手法で排尿を確認し、サルを使った実験にも着手している。未熟な組織が臓器へ成長する「スイッチ」を入れるには、動物の体へいったん移植することが必要で、動物を利用することに倫理面や種を超えた感染症などの問題があるが、横尾教授は「10年以内に人への応用を目指したい」と話す。
日本透析医学会によると、2013年末に腎臓病を患って人工透析を受けている国内の患者は31万4180人。深刻な腎不全の患者は腎臓移植を受けるしかないが、日本臓器移植ネットワークによると今年8月末現在、移植希望の登録患者が1万2619人に達するのに対し、移植数は脳死と心停止後を合わせても111件。腎臓の再生医療への期待は高い。
【藤野基文】
"腎不全の患者" が立ち至っている苦悩の現状に目を向ける時、やはり、一刻も早い "人工腎臓/再生腎臓" の実現が待ち望まれる...... (2015.09.29))
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