これまで、"抗がん剤" に関してほぼ常識化しつつある事実として、がん組織側における、いわゆる "抗がん剤耐性" という問題が指摘されてきた。 "抗がん剤" の種類を、一定の期間でしばしば "変更(乗り換え)" するのは、それが故だと考えられている。
今回注目する下記引用サイト記事 : 薬効きにくいがん細胞、原因物質を特定 北大 /日本経済新聞/2015.08.30 - 23:35 は、そうした "抗がん剤耐性" という問題の "原因が見いだされた!" と報じている。
< 北海道大学の清野研一郎教授らは、がん細胞が分泌する生理活性物質のインターロイキン(IL)―34に、抗がん剤を効きにくくさせる働きがあることを見いだした。抗がん剤は使い続けるとがんに耐性ができて効果がなくなるため、一定期間しか使うことができない。今回の発見は効き目を持続させる医薬品の開発につながる。 清野教授らは、抗がん剤耐性を獲得したヒトの肺がん細胞を使って実験した。抗がん剤への耐性を持つ肺がん細胞にドキソルビシンという抗がん剤を加えても、効果はみられなかった。だがIL―34に対する抗体を加えてこの物質の働きを阻害したところ、抗がん剤が再び効くようになり、がん細胞のほとんどが死滅した。 また、免疫機能を失ったマウスに耐性のがんを移植し、抗がん剤と同時にIL―34の抗体を投与したところ、抗がん剤の効果があった。 IL―34は、抗がん剤耐性を獲得したがん細胞の多くが分泌している。清野教授は脳や血液のがんでも同様の傾向があるとみている。> とある。
薬効きにくいがん細胞、原因物質を特定 北大 /日本経済新聞/2015.08.30 - 23:35
北海道大学の清野研一郎教授らは、がん細胞が分泌する生理活性物質のインターロイキン(IL)―34に、抗がん剤を効きにくくさせる働きがあることを見いだした。抗がん剤は使い続けるとがんに耐性ができて効果がなくなるため、一定期間しか使うことができない。今回の発見は効き目を持続させる医薬品の開発につながる。
清野教授らは、抗がん剤耐性を獲得したヒトの肺がん細胞を使って実験した。抗がん剤への耐性を持つ肺がん細胞にドキソルビシンという抗がん剤を加えても、効果はみられなかった。だがIL―34に対する抗体を加えてこの物質の働きを阻害したところ、抗がん剤が再び効くようになり、がん細胞のほとんどが死滅した。
また、免疫機能を失ったマウスに耐性のがんを移植し、抗がん剤と同時にIL―34の抗体を投与したところ、抗がん剤の効果があった。
IL―34は、抗がん剤耐性を獲得したがん細胞の多くが分泌している。清野教授は脳や血液のがんでも同様の傾向があるとみている。
<今回の発見は効き目を持続させる医薬品の開発につながる> とある。それはそれで有意義なのだが、一方、"抗がん剤" の "副作用" の恐さのことを考えると、"効き目" があるからと言って、"単一の種類の抗がん剤" に頼り続けるリスクも警戒しなければならないようだ...... (2015.09.01)
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