"iPS細胞の医療応用技術" で注目すべきは、"再生医療" 分野での進展だけではない。"病気解明/治療薬開発" の分野での独特なアプローチによる研究も成果を挙げており、ここからも目が離せない。
◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞 応用" 関連記事
○ <iPS細胞の医療応用は大きく二つの流れがある。 一つは再生医療。iPS細胞からつくった細胞や組織を患者に移植し、病気やけがで失った機能の回復を目指す。......もう一つが今回のような難病の治療薬の研究だ。......まずは、患者の細胞からiPS細胞を作り、病気を起こしている組織や細胞を試験管で再現させる。これを使えば、実際の患者から取り出せない患部の組織を調べたり、有望な薬の候補を細胞レベルで絞り込んだりできる。> ( iPS細胞の医療応用"二つの流れ"!(1)"再生医療"分野、(2)難病向け治療薬研究"創薬"!/当誌 2014.09.21 )
今回注目する下記引用サイト記事 : iPS細胞比較で病気解明へ 日立と京大、今月始動/【共同通信】/2015.09.07 - 22:02 は、上記の "後者" のアプローチに相当するものであり、 <病気の患者から作製した人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、健康な人から作ったiPS細胞と比較することで、病気の発症メカニズムの解明や治療薬開発につなげる取り組み> に関する最新動向について報じている。
<病気の患者から作製した人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、健康な人から作ったiPS細胞と比較することで、病気の発症メカニズムの解明や治療薬開発につなげる取り組みを今月から始めると、日立製作所と京都大iPS細胞研究所が7日発表した。 患者からiPS細胞を作れば、体外で病気の症状や遺伝子の変異を再現できることを利用するもの。 取り組みでは、茨城県日立市にある「日立健康管理センタ」で健康診断を受け、病気を発症する可能性が低い同社従業員やその家族約100人から、同意を得て血液の細胞を採取する計画で、今月から収集に乗り出す。> とある。
iPS細胞比較で病気解明へ 日立と京大、今月始動/【共同通信】/2015.09.07 - 22:02
病気の患者から作製した人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、健康な人から作ったiPS細胞と比較することで、病気の発症メカニズムの解明や治療薬開発につなげる取り組みを今月から始めると、日立製作所と京都大iPS細胞研究所が7日発表した。
患者からiPS細胞を作れば、体外で病気の症状や遺伝子の変異を再現できることを利用するもの。
取り組みでは、茨城県日立市にある「日立健康管理センタ」で健康診断を受け、病気を発症する可能性が低い同社従業員やその家族約100人から、同意を得て血液の細胞を採取する計画で、今月から収集に乗り出す。
<健康な人>(上記の取り組みでは "茨城県日立市にある「日立健康管理センタ」で健康診断を受け、病気を発症する可能性が低い同社従業員やその家族約100人" )から作った "iPS細胞" を、"比較" のための、いわば "基準値" 的意味合いで活用することになるようである。
こうして、iPS細胞技術の医療応用研究の推進環境が整備されていくわけだ...... (2015.09.09)
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