昨今の検診では、"大腸内視鏡検査" の行われることが多くなった。 そして、がん自体の発見以前に、"大腸ポリープ" の発見、その大きさに注意が向けられている。
今回注目する下記引用サイト記事 : 「小さくても切除」広がる 大腸ポリープ、新手法で がん予防効果を検証/41 NEWS 医療新世紀/2015.08.25 は、 <大腸内視鏡検査が普及し、ポリープが見つかることが増えた。一定の大きさ以上のものはがんになる恐れがあり、取り除くのが一般的だ。近年、切除が簡単な新しい手法が開発され、小さいポリープも含め全て切除する処置が広まってきた。欧米では既に全切除による大腸がんの予防効果が認められているが、日本でも有効性を確かめる大規模臨床研究が進行中だ> と報じている。
< 大腸内視鏡検査が普及し、ポリープが見つかることが増えた。一定の大きさ以上のものはがんになる恐れがあり、取り除くのが一般的だ。近年、切除が簡単な新しい手法が開発され、小さいポリープも含め全て切除する処置が広まってきた。欧米では既に全切除による大腸がんの予防効果が認められているが、日本でも有効性を確かめる大規模臨床研究が進行中だ。 ▽ 熱を加えず ポリープ切除は、内視鏡から送り込んだ「スネア」という金属の輪をポリープの根元に掛けて絞り込み、電気を流して焼き切るのが主流。飛び出ていなければ生理食塩水などを注射して盛り上げてから同様に焼き切る。 一方、新しい手法は電気を使わず、掛けた輪をそのまま絞り込んで切除する。早くから取り入れた昭和伊南総合病院 (長野県駒ケ根市)の堀内朗消化器病センター長は「ポリープを含む粘膜だけを切り取る。時間が短縮され、切除後時間がたってからの出血を抑えられる」と説明する。 焼き切る手法では、切除後しばらくしてから出血するケースがあった。切り口を焼く方が血が止まりそうだが、実際は、熱によって血管が通る層までやけどが広がり、遅れての出血や、薄い大腸の壁に穴が開く危険性が高まるというのだ。 ▽ 欧米では一般化 メーカーは形状や弾力が違うスネアをそろえていて、小さなポリープをつまみ取る、わに口クリップのような器具もある。がん細胞の見逃しや取り残しを防ぐため、ポリープの切断面にがん細胞がないかも検査する。 堀内医師は、ポリープの全切除にはがん予防の観点で重要な意味があると話す。「『小さいから切らずに来年また検査しましょう』と言っても、検査を受けない人が必ず一定数はいる」からだ。 米国では1993年、大腸ポリープを全て切除した人で、大腸がんの発症率が76~90%抑制され、2012年にはその後の追跡調査で死亡率も53%下がったと報告された。このため、欧米では既にポリープを全て切除することが一般化しているという。 ▽ 検査で長期追跡 ただ、国内のデータはなく、日本の診療ガイドラインでは依然として直径5ミリ以下のポリープは経過観察してもいいことになっている。 国内では03年、11の医療機関が参加して大規模な臨床研究が始まった。ポリープを全て切除した場合にがんの発症率、死亡率がどう変化するかを調べるとともに、現在は1年後が基本とされている内視鏡検査の間隔を広げても大丈夫かどうかを確かめる。......研究を総括する国立がん研究センター(東京)の松田尚久検診部長は「全て切除をすれば、次の検査は早くとも3年後でいいことが示された」と話す。......18年には長期的な発症率について最初の分析結果がまとまる。 松田部長は「ポリープを全て切除した場合に内視鏡検査の間隔をさらに広げても大丈夫であることが分かれば、検査の効率も上がる。患者の負担を減らしつつ、がんの早期発見と、がん死の抑制の実現が期待される」と話している。 (共同通信 由藤庸二郎)> とある。
「小さくても切除」広がる 大腸ポリープ、新手法で がん予防効果を検証/41 NEWS 医療新世紀/2015.08.25
大腸内視鏡検査が普及し、ポリープが見つかることが増えた。一定の大きさ以上のものはがんになる恐れがあり、取り除くのが一般的だ。近年、切除が簡単な新しい手法が開発され、小さいポリープも含め全て切除する処置が広まってきた。欧米では既に全切除による大腸がんの予防効果が認められているが、日本でも有効性を確かめる大規模臨床研究が進行中だ。
▽ 熱を加えず
ポリープ切除は、内視鏡から送り込んだ「スネア」という金属の輪をポリープの根元に掛けて絞り込み、電気を流して焼き切るのが主流。飛び出ていなければ生理食塩水などを注射して盛り上げてから同様に焼き切る。
一方、新しい手法は電気を使わず、掛けた輪をそのまま絞り込んで切除する。早くから取り入れた昭和伊南総合病院 (長野県駒ケ根市)の堀内朗消化器病センター長は「ポリープを含む粘膜だけを切り取る。時間が短縮され、切除後時間がたってからの出血を抑えられる」と説明する。
焼き切る手法では、切除後しばらくしてから出血するケースがあった。切り口を焼く方が血が止まりそうだが、実際は、熱によって血管が通る層までやけどが広がり、遅れての出血や、薄い大腸の壁に穴が開く危険性が高まるというのだ。
▽ 欧米では一般化メーカーは形状や弾力が違うスネアをそろえていて、小さなポリープをつまみ取る、わに口クリップのような器具もある。がん細胞の見逃しや取り残しを防ぐため、ポリープの切断面にがん細胞がないかも検査する。
堀内医師は、ポリープの全切除にはがん予防の観点で重要な意味があると話す。「『小さいから切らずに来年また検査しましょう』と言っても、検査を受けない人が必ず一定数はいる」からだ。
米国では1993年、大腸ポリープを全て切除した人で、大腸がんの発症率が76~90%抑制され、2012年にはその後の追跡調査で死亡率も53%下がったと報告された。このため、欧米では既にポリープを全て切除することが一般化しているという。
▽ 検査で長期追跡ただ、国内のデータはなく、日本の診療ガイドラインでは依然として直径5ミリ以下のポリープは経過観察してもいいことになっている。
国内では03年、11の医療機関が参加して大規模な臨床研究が始まった。ポリープを全て切除した場合にがんの発症率、死亡率がどう変化するかを調べるとともに、現在は1年後が基本とされている内視鏡検査の間隔を広げても大丈夫かどうかを確かめる。......研究を総括する国立がん研究センター(東京)の松田尚久検診部長は「全て切除をすれば、次の検査は早くとも3年後でいいことが示された」と話す。......18年には長期的な発症率について最初の分析結果がまとまる。
松田部長は「ポリープを全て切除した場合に内視鏡検査の間隔をさらに広げても大丈夫であることが分かれば、検査の効率も上がる。患者の負担を減らしつつ、がんの早期発見と、がん死の抑制の実現が期待される」と話している。
(共同通信 由藤庸二郎)
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
先ずは、<ポリープを全て切除した場合にがんの発症率、死亡率がどう変化するかを調べるとともに、現在は1年後が基本とされている内視鏡検査の間隔を広げても大丈夫かどうかを確かめる> という臨床研究の分析結果が待たれる...... (2015.09.06)
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