"がん細胞/がん組織" を縮小/消滅させる治療アプローチの一つに、その "エネルギー源を断つ" という "兵糧攻め" としての手法がある。
今回注目する下記引用サイト記事 : 果糖運ぶタンパク質解明 京大、生活習慣病やがん治療に期待/京都新聞/2015.10.01 - 09:36 は、そうした "がん細胞への兵糧攻め!" に通じる方策としての可能性がある研究動向について報じている。
< ヒトをはじめとする哺乳類で果糖を細胞内に運ぶタンパク質の立体構造と輸送のメカニズムを、京都大医学研究科の岩田想教授や野村紀通助教らのグループが解明した。生活習慣病やがんの治療薬の開発につながる成果で、英科学誌ネイチャーで1日発表する。 小腸の上皮に多く存在する膜タンパク質GLUT5は果糖を体内に取り込む役割をしている。また、乳がんや膵臓(すいぞう)がんでは、がん細胞にGLUT5が多く現れ、果糖を多く吸収して増殖していることも分かっている。 グループは、分子同士をつなぐのりの役割をする抗体を使ってGLUT5を結晶化することに成功し、エックス線で立体構造を解析した。その結果、GLUT5は、細胞の外側に開いた状態で中央のくぼみに果糖を取り込み、続いて内側に開いた状態に構造を変化させて内部に輸送していることをコンピューター解析を使って突き止めた。 立体構造や変化の過程が分かったことで、果糖の輸送を阻害する分子の設計が可能になる。岩田教授は「果糖と同じくエネルギー源であるブドウ糖を輸送する膜タンパク質は別にあるため、GLUT5の阻害剤は比較的副作用の小さい、生活習慣病やがんの治療薬として期待できる」と話している。> とある。
果糖運ぶタンパク質解明 京大、生活習慣病やがん治療に期待/京都新聞/2015.10.01 - 09:36
ヒトをはじめとする哺乳類で果糖を細胞内に運ぶタンパク質の立体構造と輸送のメカニズムを、京都大医学研究科の岩田想教授や野村紀通助教らのグループが解明した。生活習慣病やがんの治療薬の開発につながる成果で、英科学誌ネイチャーで1日発表する。
小腸の上皮に多く存在する膜タンパク質GLUT5は果糖を体内に取り込む役割をしている。また、乳がんや膵臓(すいぞう)がんでは、がん細胞にGLUT5が多く現れ、果糖を多く吸収して増殖していることも分かっている。
グループは、分子同士をつなぐのりの役割をする抗体を使ってGLUT5を結晶化することに成功し、エックス線で立体構造を解析した。その結果、GLUT5は、細胞の外側に開いた状態で中央のくぼみに果糖を取り込み、続いて内側に開いた状態に構造を変化させて内部に輸送していることをコンピューター解析を使って突き止めた。
立体構造や変化の過程が分かったことで、果糖の輸送を阻害する分子の設計が可能になる。岩田教授は「果糖と同じくエネルギー源であるブドウ糖を輸送する膜タンパク質は別にあるため、GLUT5の阻害剤は比較的副作用の小さい、生活習慣病やがんの治療薬として期待できる」と話している。
<乳がんや膵臓(すいぞう)がんでは、がん細胞にGLUT5が多く現れ、果糖を多く吸収して増殖していること> は分かっているとは言うものの、<果糖の輸送を阻害する> ことによって "がん細胞/がん組織" がどの程度打撃を被るかについては今後の課題となっているようである。これからの研究成果が期待される...... (2015.10.03)
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