"再生医療" の飛躍的な進展の中で、注目されているのが、素材として活用される "増殖細胞" の元である "幹細胞" だ。 その中でも、"脂肪幹細胞" と呼ばれる "幹細胞" に、近年熱い視線が注がれているという。
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ポテンシャルが高い 脂肪肝細胞 ―― 脂肪幹細胞の分化
幹細胞の中で、実用化という面で最も進んでいるのが体性幹細胞です。人工的につくられるES細胞やiPS細胞と異なり、体性幹細胞は私たち自身の体内で実際に働いています。例えば、赤血球や白血球・血小板など血液の細胞をつくる「造血幹細胞」、神経細胞をつくる「神経幹細胞」、骨・軟骨・脂肪・神経など様々な組織をつくることができるとされている「間葉系幹細胞」などがそれです。
従来、体性幹細胞の一つ、間葉系幹細胞の中の骨髄由来間葉系幹細胞(以下、骨髄幹細胞)の研究が最も多くなされてきましたが、2001年に脂肪組織中から間葉系幹細胞が発見されると、骨髄幹細胞の100〜1000倍もの幹細胞を比較的容易に確保できること、また、骨髄幹細胞が持つ、骨・脂肪・軟骨等へ分化する能力も併せ持っていることなどが証明され、現在は脂肪幹細胞による研究が多く行われています。脂肪幹細胞の主な働きには、創傷治癒・分化・免疫調節・新生血管形成などが挙げられ、すでに糖尿病や心筋梗塞・脳梗塞・肝機能障害・アレルギー疾患など、様々な病気に対する治療への適用が試みられており、脂肪幹細胞は、様々な疾患治療への応用が期待されています。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
今回注目する下記引用サイト記事 : 脂肪幹細胞、低酸素下で増殖促進 関西医大、米誌に発表/47 NEWS/2015.10.15 - 08:07 は、"脂肪幹細胞" をに関する最新動向として、<筋肉や骨、神経などの細胞や組織になる能力がある「脂肪幹細胞」を低酸素下で培養すると、通常よりもよく増殖するようになることを関西医科大(大阪府枚方市)の覚道奈津子助教(形成外科学)のチームが解明> と報じている。
< 筋肉や骨、神経などの細胞や組織になる能力がある「脂肪幹細胞」を低酸素下で培養すると、通常よりもよく増殖するようになることを関西医科大(大阪府枚方市)の覚道奈津子助教(形成外科学)のチームが解明し、米オンライン科学誌プロスワンに15日発表した。 チームは「脂肪幹細胞を大量に増やす技術として低酸素での培養が有効である可能性を示した。脂肪幹細胞を用いる再生医療への応用が期待できる」と説明している。 チームは、人の下腹部の脂肪組織から採取した脂肪幹細胞を1%の酸素濃度の環境下で培養。7日後には、空気中と同じ酸素濃度の場合と比べ、細胞数が1・6倍になった。> とある。
脂肪幹細胞、低酸素下で増殖促進 関西医大、米誌に発表/47 NEWS/2015.10.15 - 08:07
筋肉や骨、神経などの細胞や組織になる能力がある「脂肪幹細胞」を低酸素下で培養すると、通常よりもよく増殖するようになることを関西医科大(大阪府枚方市)の覚道奈津子助教(形成外科学)のチームが解明し、米オンライン科学誌プロスワンに15日発表した。
チームは「脂肪幹細胞を大量に増やす技術として低酸素での培養が有効である可能性を示した。脂肪幹細胞を用いる再生医療への応用が期待できる」と説明している。
チームは、人の下腹部の脂肪組織から採取した脂肪幹細胞を1%の酸素濃度の環境下で培養。7日後には、空気中と同じ酸素濃度の場合と比べ、細胞数が1・6倍になった。
"再生医療" では、"短時間に大量の増殖細胞" が要請されるはずなので、上記記事での "低酸素下での1・6倍の増殖" という改善は、大いに歓迎されそうだ...... (2015.10.16)
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