近年、"難しいがん手術" などにおける、執刀医を技術的に支援するIT装置が様々に開発されている。
今回注目する下記引用サイト記事 : 京大医学部病院:肝臓に直接手術部位投影するシステム開発/毎日新聞/2015.10.16 - 22:32 は、肝臓がんの切除手術において、従来から活用されて来た、手術対象の "モニター画面" 投影という支援環境を、かなり画期的に発展させ、<プロジェクションマッピングを応用して肝臓がんの切除部位を照らす新システムを開発した> と報じている。
< 京都大医学部付属病院(京都市左京区)は16日、プロジェクションマッピングを応用して肝臓がんの切除部位を照らす新システムを開発したと発表した。従来は医師がモニター画面を確認しながら手術をしていたが、肝臓に直接、手術部位を示すことも可能で、より安全で正確な手術が期待できる。早ければ2018年の実用化を目指しており、肝臓がんだけでなく乳がんや肺腫瘍手術などへの応用も可能になるという。 同病院とパナソニックが共同で開発し、昨年9月から臨床研究を進めていた。これまで 肝臓がんの摘出手術では、赤外線で発光する蛍光色素を正常な部位に注入したうえで、赤外線カメラで部位をとらえ、それを投影したモニター画面を確認しながら手術していた。医師は部位とモニターを交互に見る必要があった。 新システム では、赤外線カメラとプロジェクターを組み合わせた機器を使用。赤外線カメラでとらえた映像をもとに、プロジェクターから映像を照射。カメラとプロジェクターは連動していて、肝臓が手術中に動いても、正確に追尾して照射できるという。 肝臓がんの摘出手術は、出血のコントロールや肝機能の維持などが必要で、技術的に難しいとされる。日本消化器外科学会雑誌によると、肝臓切除手術後の30日死亡率は1.9%、90日死亡率は3.8%で、より安全な技術の確立が求められている。 同病院によると、これまで約30例の肝臓がんなどで投影試験をし、今後1年間で約30例の手術を実施する計画。機器の小型化や光線が追跡する能力を高めたうえで、システムの実用化を目指す。 京都大大学院医学研究科の波多野悦朗准教授(肝臓外科)は「システムの導入で、より正確な手術が期待できる。乳がんや直腸がんなど、同じように色素を使用する手術への応用も可能になる」と話している。 【川瀬慎一朗】> とある。
京大医学部病院:肝臓に直接手術部位投影するシステム開発/毎日新聞/2015.10.16 - 22:32
京都大医学部付属病院(京都市左京区)は16日、プロジェクションマッピングを応用して肝臓がんの切除部位を照らす新システムを開発したと発表した。従来は医師がモニター画面を確認しながら手術をしていたが、肝臓に直接、手術部位を示すことも可能で、より安全で正確な手術が期待できる。早ければ2018年の実用化を目指しており、肝臓がんだけでなく乳がんや肺腫瘍手術などへの応用も可能になるという。
同病院とパナソニックが共同で開発し、昨年9月から臨床研究を進めていた。これまで 肝臓がんの摘出手術では、赤外線で発光する蛍光色素を正常な部位に注入したうえで、赤外線カメラで部位をとらえ、それを投影したモニター画面を確認しながら手術していた。医師は部位とモニターを交互に見る必要があった。
新システム では、赤外線カメラとプロジェクターを組み合わせた機器を使用。赤外線カメラでとらえた映像をもとに、プロジェクターから映像を照射。カメラとプロジェクターは連動していて、肝臓が手術中に動いても、正確に追尾して照射できるという。
肝臓がんの摘出手術は、出血のコントロールや肝機能の維持などが必要で、技術的に難しいとされる。日本消化器外科学会雑誌によると、肝臓切除手術後の30日死亡率は1.9%、90日死亡率は3.8%で、より安全な技術の確立が求められている。
同病院によると、これまで約30例の肝臓がんなどで投影試験をし、今後1年間で約30例の手術を実施する計画。機器の小型化や光線が追跡する能力を高めたうえで、システムの実用化を目指す。
京都大大学院医学研究科の波多野悦朗准教授(肝臓外科)は「システムの導入で、より正確な手術が期待できる。乳がんや直腸がんなど、同じように色素を使用する手術への応用も可能になる」と話している。
【川瀬慎一朗】
"適切に可視化された情報" が、執刀医の判断や技術を向上させるからこそ、従来からの "モニター画面" も援用されて来たはず。 ただ、<医師は部位とモニターを交互に見る必要があった> という点が少なからぬ災いとなっていたとされる。 上記記事が報じる "新システム" は、この点を解消するとともに、さらなる利点をも提供し、<より正確な手術が期待できる> とある...... (2015.10.18)
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