脳内での情報伝達が、神経細胞(ニューロン)同士の接続(シナプス)を通じて行われていることはよく知られている。この "シナプス" こそが、脳の働きにおいて、中心的なな役割を果たしているとされる。
◆ 参照 当誌過去の "シナプス" 関連記事
○ <においの刺激が強いほど増産されるタンパク質「NPAS4」が、神経細胞同士の接続(シナプス)を増加させることを、県立医科大学の坪井昭夫教授らの研究グループが発見した......> ( 神経細胞同士の接続Synapseを増加させるタンパク質"NPAS4"!神経細胞再生医療に応用!/当誌 2014.08.02 )
今回注目する下記引用サイト記事 : シナプス制御分子を解明 岩手医大研究班/岩手日報/2015.10.23 は、この "シナプス" に関して、<遺伝子操作したマウスの解析を通して脳の情報伝達を担う「シナプス制御」の分子メカニズムが解明された> と報じている。
< 岩手医大副学長で医歯薬総合研究所の祖父江(そぶえ)憲治所長(神経科学)ら研究グループは22日、盛岡市の同大で記者会見し、遺伝子操作したマウスの解析を通して脳の情報伝達を担う「シナプス制御」の分子メカニズムを解明したと発表した。精神疾患や発達障害の病態解明につながる可能性があり、うつ病や統合失調症、自閉症などの創薬や治療法の開発に向けて、さらなる研究の進展が期待される。 祖父江所長と同研究所の真柳平講師、群馬大医学系研究科の安田弘樹准教授は、脳内の神経シナプス形成に「PSD―Zip70」というタンパク質が深く関係すると突き止めた。 PSD―Zip70が欠損したマウスを作製し解析したところ、認知機能障害や強い不安行動を示すことが判明。その原因として、PSD―Zip70がないと「Rap2」というタンパク質が異常に活性化し、正常なシナプス形成を阻害することを解明した。Rap2がPSD―Zip70を介して制御されている分子メカニズムを世界で初めて明らかにした。> とある。
シナプス制御分子を解明 岩手医大研究班/岩手日報/2015.10.23
岩手医大副学長で医歯薬総合研究所の祖父江(そぶえ)憲治所長(神経科学)ら研究グループは22日、盛岡市の同大で記者会見し、遺伝子操作したマウスの解析を通して脳の情報伝達を担う「シナプス制御」の分子メカニズムを解明したと発表した。精神疾患や発達障害の病態解明につながる可能性があり、うつ病や統合失調症、自閉症などの創薬や治療法の開発に向けて、さらなる研究の進展が期待される。
祖父江所長と同研究所の真柳平講師、群馬大医学系研究科の安田弘樹准教授は、脳内の神経シナプス形成に「PSD―Zip70」というタンパク質が深く関係すると突き止めた。
PSD―Zip70が欠損したマウスを作製し解析したところ、認知機能障害や強い不安行動を示すことが判明。その原因として、PSD―Zip70がないと「Rap2」というタンパク質が異常に活性化し、正常なシナプス形成を阻害することを解明した。Rap2がPSD―Zip70を介して制御されている分子メカニズムを世界で初めて明らかにした。
【写真=「精神疾患などの症状が生じるメカニズムの解明につながる可能性がある」と話す祖父江憲治所長(左)、真柳平講師】
こうした <「シナプス制御」の分子メカニズム解明> という成果によって、<精神疾患や発達障害の病態解明につながる可能性があり、うつ病や統合失調症、自閉症などの創薬や治療法の開発に向けて、さらなる研究の進展が期待される> と言われ、今後の進展が注目される...... (2015.10.26)
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