"抗がん剤は使い続けるとがんに耐性ができて効果がなくなる" という、がん細胞の "抗がん剤耐性" のあることはよく知られている。 そのため、一般的に、"抗がん剤の種類、乗り換え" という手立てが講じられている。
◆ 参照 当誌過去の "抗がん剤耐性" 関連記事
○ <北海道大学の清野研一郎教授らは、がん細胞が分泌する生理活性物質のインターロイキン(IL)―34に、抗がん剤を効きにくくさせる働きがあることを見いだした。抗がん剤は使い続けるとがんに耐性ができて効果がなくなるため、一定期間しか使うことができない。今回の発見は効き目を持続させる医薬品の開発につながる。......> ( 薬が効きにくいがん細胞(抗がん剤への耐性)の問題!原因物質"IL―34"を特定!(北大)/当誌 2015.09.01 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 抗がん剤効きにくくなった患者、肝炎薬併用で効果復活/yomiDr. ヨミドク/2015.10.29 は、その "抗がん剤耐性" への "対抗措置" になる研究について報じている。 <抗がん剤が効きにくくなった前立腺がんの患者に、C型肝炎の治療薬「リバビリン」を抗がん剤と併用して使うと再び治療効果が高まるとする研究成果> というものである。
< 抗がん剤が効きにくくなった前立腺がんの患者に、C型肝炎の治療薬「リバビリン」を抗がん剤と併用して使うと再び治療効果が高まるとする研究成果を、慶応大の大家基嗣(もとつぐ)教授(泌尿器科)らがまとめた。京都市で29日から始まった日本癌(がん)治療学会で発表した。 研究グループは来年3月にも医師主導治験を開始して、安全性と有効性を確認し、リバビリンを前立腺がんの治療薬としても使えるようにしたい考え。 前立腺がんと診断される患者は年間約8万人で、男性では胃がんに次いで多い。抗がん剤治療は、手術や放射線治療、男性ホルモンの分泌や働きを抑えるホルモン療法では治療できない患者に行われる。しかし、抗がん剤を使い続けるうちに半数近くの患者で効果が弱まり、再びがん細胞が増殖する。 研究グループは、抗がん剤「ドセタキセル」が効かなくなる過程で、がん細胞の遺伝子の働きが変化することに着目。コンピューターを活用して、約3000種類の既存薬から、遺伝子の働きを元の状態に戻す薬を探した。9種類の薬に候補を絞り、ドセタキセルが効きにくいマウスで実験したところ、リバビリンとドセタキセルの併用でがん細胞が縮小した。さらに、長期間の投与でドセタキセルが効かなくなった患者5人に、この治療を試すと、2人に効果が認められた。 大家教授は「安全性が確認されている既存の薬同士の組み合わせで、新薬開発に比べ、安いコストで素早く実用化できると期待できる」と話す。 東邦大医療センター佐倉病院の鈴木啓悦(ひろよし)教授の話「ドセタキセルは、進行した前立腺がんの治療で主力となる抗がん剤。今後、リバビリンとの併用で治療効果が高まることが確認されれば、大きな進歩だ。実用化には、白血球の減少など両剤の副作用が相互作用で強く出ないよう、適切な用量を検討することが必要だ」 (2015年10月29日 読売新聞)> とある。
抗がん剤効きにくくなった患者、肝炎薬併用で効果復活/yomiDr. ヨミドク/2015.10.29
抗がん剤が効きにくくなった前立腺がんの患者に、C型肝炎の治療薬「リバビリン」を抗がん剤と併用して使うと再び治療効果が高まるとする研究成果を、慶応大の大家基嗣(もとつぐ)教授(泌尿器科)らがまとめた。京都市で29日から始まった日本癌(がん)治療学会で発表した。
研究グループは来年3月にも医師主導治験を開始して、安全性と有効性を確認し、リバビリンを前立腺がんの治療薬としても使えるようにしたい考え。
前立腺がんと診断される患者は年間約8万人で、男性では胃がんに次いで多い。抗がん剤治療は、手術や放射線治療、男性ホルモンの分泌や働きを抑えるホルモン療法では治療できない患者に行われる。しかし、抗がん剤を使い続けるうちに半数近くの患者で効果が弱まり、再びがん細胞が増殖する。
研究グループは、抗がん剤「ドセタキセル」が効かなくなる過程で、がん細胞の遺伝子の働きが変化することに着目。コンピューターを活用して、約3000種類の既存薬から、遺伝子の働きを元の状態に戻す薬を探した。9種類の薬に候補を絞り、ドセタキセルが効きにくいマウスで実験したところ、リバビリンとドセタキセルの併用でがん細胞が縮小した。さらに、長期間の投与でドセタキセルが効かなくなった患者5人に、この治療を試すと、2人に効果が認められた。
大家教授は「安全性が確認されている既存の薬同士の組み合わせで、新薬開発に比べ、安いコストで素早く実用化できると期待できる」と話す。
東邦大医療センター佐倉病院の鈴木啓悦(ひろよし)教授の話「ドセタキセルは、進行した前立腺がんの治療で主力となる抗がん剤。今後、リバビリンとの併用で治療効果が高まることが確認されれば、大きな進歩だ。実用化には、白血球の減少など両剤の副作用が相互作用で強く出ないよう、適切な用量を検討することが必要だ」
(2015年10月29日 読売新聞)
がん細胞/がん組織による "抗がん剤耐性" は、"抗がん剤の効き目" を落とす一方で、"同一抗がん剤による副作用の蓄積" を回避させることにつながっているとの指摘もある...... (2015.10.31)
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