"免疫(細胞)機能" を、がん治療に役立てようとする "がん免疫療法" のアプローチに "注目される新たな研究成果" が加わっている。
◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞 免疫細胞" 関連記事
(1) "免疫"活用"がん細胞"攻撃!慶大や京大が種々のアプローチで、"がん免疫治療法"研究!/当誌 2015.10.06
(2) <東京大の中内啓光教授らはiPS細胞から作った免疫細胞でがんを小さくする実験にマウスで成功した。体内でうまく働かなくなった免疫細胞の能力をよみがえらせて、がんを攻撃する。......実験ではウイルスに感染してがん化したヒトの細胞をマウスの体内に移植し、このがん細胞を攻撃する免疫細胞をiPS細胞から作り出して体内に入れた。免疫細胞が盛んに働き、がんは20分の1ほどに縮小した。免疫細胞を入れないマウスでは、がんは10倍の大きさになった。......研究チームは、攻撃能力の落ちた免疫細胞を取り出してiPS細胞に変えて育てると、免疫細胞が若返り攻撃能力が回復することを実証した。この仕組みを応用したがん免疫療法の実用化を目指す。> ( 攻撃能力の落ちた"免疫細胞をiPS細胞に変えて増殖"!免疫細胞が若返り攻撃能力回復!/当誌 2015.08.31 )
今回注目する下記引用サイト記事 : iPSで作った免疫細胞でがんの縮小に成功/NHK NEWS WEB/2015.11.11 - 14:40 は、 上記の関連記事 (2) の "続報" になろうかと思われるが、 <iPS細胞を使って体内の異物を攻撃する免疫細胞「キラーT細胞」を作り出し、マウスに投与することでがんを10分の1以下に縮小させることに東京大学などのグループが成功し、がんの新たな治療法の開発につながると期待されます> と報じている。
<iPS細胞を使って体内の異物を攻撃する免疫細胞「キラーT細胞」を作り出し、マウスに投与することでがんを10分の1以下に縮小させることに東京大学などのグループが成功し、がんの新たな治療法の開発につながると期待されます。
この研究を行ったのは東京大学の中内啓光教授らのグループです。 グループでは、ヒトのiPS細胞から、体内の異物を攻撃するキラーT細胞と呼ばれる免疫系の細胞を作り出しました。そして、このキラーT細胞をがんのマウスに投与したところ、がんの大きさが10分の1以下になり半年後の生存率も60%と3倍に高まったということです。 免疫を担うキラーT細胞は、通常老化が早く増殖力がすぐに弱まってしまいますが、iPS細胞から作り出すと若返ったかのように増殖力を再び取り戻し、がん細胞を殺す効果も持続したということです。 中内教授は「今回、世界で初めてiPS技術で若返らせた細胞を使い、体内で腫瘍を小さくできることを示せた。数年以内に実際にヒトに投与して安全性や効果を確かめる臨床研究を始めたい」と話しています。> とある。
iPSで作った免疫細胞でがんの縮小に成功/NHK NEWS WEB/2015.11.11 - 14:40
iPS細胞を使って体内の異物を攻撃する免疫細胞「キラーT細胞」を作り出し、マウスに投与することでがんを10分の1以下に縮小させることに東京大学などのグループが成功し、がんの新たな治療法の開発につながると期待されます。
この研究を行ったのは東京大学の中内啓光教授らのグループです。
グループでは、ヒトのiPS細胞から、体内の異物を攻撃するキラーT細胞と呼ばれる免疫系の細胞を作り出しました。そして、このキラーT細胞をがんのマウスに投与したところ、がんの大きさが10分の1以下になり半年後の生存率も60%と3倍に高まったということです。
免疫を担うキラーT細胞は、通常老化が早く増殖力がすぐに弱まってしまいますが、iPS細胞から作り出すと若返ったかのように増殖力を再び取り戻し、がん細胞を殺す効果も持続したということです。
中内教授は「今回、世界で初めてiPS技術で若返らせた細胞を使い、体内で腫瘍を小さくできることを示せた。数年以内に実際にヒトに投与して安全性や効果を確かめる臨床研究を始めたい」と話しています。
<免疫を担うキラーT細胞は、通常老化が早く増殖力がすぐに弱まってしまいますが、iPS細胞から作り出すと若返ったかのように増殖力を再び取り戻し、がん細胞を殺す効果も持続した> というキラーT細胞の "iPS技術での若返り!" こそが、上記研究の中心命題であろう。
この命題が活かされることで、"がん免疫療法" が実用化レベルへと成就されることが大いに期待される...... (2015.11.13)
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