抗がん剤=殺全身細胞薬は、がん完治の薬ではない!だから"やめどき"が必ずや訪れる! というのが、"抗がん剤" 治療を受ける患者の基本姿勢! と考えるのが妥当であるようだ。
◆ 参照 当誌過去の "抗がん剤 やめどき" 関連記事
(1) 結果的に「余命宣告」が、"抗がん剤の拒否"と"最期まで舞台に立とうという決意"とを!/当誌 2015.09.28
(2) "抗がん剤副作用が原因"で死亡!遺族、病院など提訴!投与の見直しあれば...... (市川市)/当誌 2015.09.14
(3) がん患者の苦悩10年前より減少、ただし"抗がん剤の副作用"など「身体の苦痛」は増加!/当誌 2015.09.10
(4) "家に帰れるのは死ぬ数日前!"という切な過ぎる現状!緩和医療・在宅医療はいつ実現?!/当誌 2015.08.27
(5) "抗がん剤のやめどき"!概して副作用が目立ち始める抗がん剤"開始から2週間後"辺り!/当誌 2015.05.21
今回注目する下記引用サイト記事 : 【あの有名人から学ぶ!がん治療】今井雅之さん「抗がん剤のやめどき」分からなく... /zakzak/2015.11.19 は、比較的若くして亡くなられた "今井雅之さん(大腸がん 享年54歳)" の "短い闘病期間" を振り返りつつ、 <今秋の舞台に立つという目標のために歯を食いしばって抗がん剤を続けられ、......「抗がん剤でがんを治す」と信じていたように思える> そんな今井さんが、<少なくとも亡くなる1ケ月以内まで抗がん剤治療を続けていたこと> そして、<激しいがんの痛みと抗がん剤の副作用の両方に耐えに耐え、限界を感じていた> ことを見つめ、 <そこまでして抗がん剤治療を続けるべきなのか? という大きな疑問> を踏まえながら、<抗がん剤治療には「やめどき」があり、自己決定を基に信頼する主治医と何度も話し合い、悔いのない選択をすること> という点に思いを寄せるレポートを伝えている。
<■ 若さゆえに「抗がん剤のやめどき」がわからなくなった 今井さんは2014年7月に手術で大腸切除を受けた後、残ったがんに対して抗がん剤治療を受けられました。しかし食欲不振、不眠という副作用に悩まされて一時は寝たきり状態、外出は車椅子になったそうです。同年12月には、抗がん剤治療を休止し、免疫療法と食事療法に切り替えました。 しかし、翌年3月25日に抗がん剤治療を再開しています。あの記者会見の直前の出来事です。今井さんはこの時の抗がん剤治療について、「船酔いに42、43度のインフルエンザがきた感じ。苦しいのは食べれない、眠れない。ねえちゃん(女性と遊ぶこと)はどうでもよくなりました」と副作用の苦しみを話しています。 ...... あの記者会見を見て、今井さんは「抗がん剤でがんを治す」と信じていたように思いました。役者として再び舞台に立つことだけを考えて病院を転々とされたようです。4月30日の舞台降板を告げる会見時は、まだ入院中で抗がん剤治療中でした。テレビの映像を見たとき、「抗がん剤のやめどきだなあ」、と思いました。私は、治療前から体重が15パーセント以上落ちたときは、「やめどき」であると考えています。 ■ 「安楽死してもいい...」今井さんの言葉が投げかけた波紋 今井さんは、会見の中で「モルヒネで安楽死してもいい」という表現をされました。激しいがんの痛みと抗がん剤の副作用の両方に耐えに耐え、限界を感じていたのかもしれません。どのような緩和医療を受けていたのかは知りませんが、そんな言葉を言わせるほど痛がっているということが、とても気になりました。 がん専門医の中には、「一昔前と今の抗がん剤治療はまったく違うので、昔の副作用のイメージは捨ててください」と言う人もおられるようですが、やはり、辛い副作用に苦しんでいる人は多く存在している、というのが現場にいる私の実感です。今井さんの会見を見て、そこまでして抗がん剤治療を続けるべきなのか? と大きな疑問も過りました。 ...... 今井さんはあの会見のちょうど1ケ月後に旅立たれました。ということは、少なくとも亡くなる1ケ月以内まで抗がん剤治療を続けていたことになります。専門医の中には、亡くなる3ケ月前までに抗がん剤治療を中止すべきであると提唱している人もいるのですが、何をもって、「亡くなる3ケ月前」と判断できるのか? 実に曖昧な定義です。 現実には今井さんのように死の直前まで抗がん剤治療を行う場合が少なくありません。主治医の考えだけでなく、患者さんの強い希望でそうなることもあります。抗がん剤のやめどきに関しては、明らかな基準は無く、今後の医療の大きな課題です。 今井さんは今秋の舞台に立つという目標のために歯を食いしばって抗がん剤を続けられたのでしょう。大切なことは、本人と家族が後悔しないことです。今井さんは、結局、がんと診断され手術を受けたわずか10ケ月後の旅立ちとなりました。その間、少なくとも6軒の病院を転々とされたそうですが、普段より、私のような"かかりつけ医"はいなかったのだろうかと考えさされました。 今井さんの大腸がんの闘病から我々が学ぶべき点は、いくつもあります。 1)便潜血検査という簡便な方法により大腸がんの早期発見が可能であること。 2)がん患者さんはモルヒネなどで充分な緩和医療を受ける権利があること 3)抗がん剤治療には「やめどき」があり、自己決定を基に信頼する主治医と何度も話し合い、悔いのない選択をすること、などです。 今井さんの壮絶な闘いの軌跡は、テレビを通して我々に大きな教訓を与えてくれました。心よりご冥福をお祈りします。> とある。
【あの有名人から学ぶ!がん治療】今井雅之さん「抗がん剤のやめどき」分からなく... /zakzak/2015.11.19
今回も前回に続き今井雅之さん(大腸がん 享年54歳)です。
2014年7月 4件目の病院でステージIV大腸がんと診断され切除手術
2015年4月 2コース目の抗がん剤治療の最中に舞台降板の会見
2015年5月 会見の1ケ月後に死去
■ 若さゆえに「抗がん剤のやめどき」がわからなくなった
今井さんは2014年7月に手術で大腸切除を受けた後、残ったがんに対して抗がん剤治療を受けられました。しかし食欲不振、不眠という副作用に悩まされて一時は寝たきり状態、外出は車椅子になったそうです。同年12月には、抗がん剤治療を休止し、免疫療法と食事療法に切り替えました。
しかし、翌年3月25日に抗がん剤治療を再開しています。あの記者会見の直前の出来事です。今井さんはこの時の抗がん剤治療について、「船酔いに42、43度のインフルエンザがきた感じ。苦しいのは食べれない、眠れない。ねえちゃん(女性と遊ぶこと)はどうでもよくなりました」と副作用の苦しみを話しています。
......
あの記者会見を見て、今井さんは「抗がん剤でがんを治す」と信じていたように思いました。役者として再び舞台に立つことだけを考えて病院を転々とされたようです。4月30日の舞台降板を告げる会見時は、まだ入院中で抗がん剤治療中でした。テレビの映像を見たとき、「抗がん剤のやめどきだなあ」、と思いました。私は、治療前から体重が15パーセント以上落ちたときは、「やめどき」であると考えています。■ 「安楽死してもいい...」今井さんの言葉が投げかけた波紋
今井さんは、会見の中で「モルヒネで安楽死してもいい」という表現をされました。激しいがんの痛みと抗がん剤の副作用の両方に耐えに耐え、限界を感じていたのかもしれません。どのような緩和医療を受けていたのかは知りませんが、そんな言葉を言わせるほど痛がっているということが、とても気になりました。
がん専門医の中には、「一昔前と今の抗がん剤治療はまったく違うので、昔の副作用のイメージは捨ててください」と言う人もおられるようですが、やはり、辛い副作用に苦しんでいる人は多く存在している、というのが現場にいる私の実感です。今井さんの会見を見て、そこまでして抗がん剤治療を続けるべきなのか? と大きな疑問も過りました。
......
今井さんはあの会見のちょうど1ケ月後に旅立たれました。ということは、少なくとも亡くなる1ケ月以内まで抗がん剤治療を続けていたことになります。専門医の中には、亡くなる3ケ月前までに抗がん剤治療を中止すべきであると提唱している人もいるのですが、何をもって、「亡くなる3ケ月前」と判断できるのか? 実に曖昧な定義です。現実には今井さんのように死の直前まで抗がん剤治療を行う場合が少なくありません。主治医の考えだけでなく、患者さんの強い希望でそうなることもあります。抗がん剤のやめどきに関しては、明らかな基準は無く、今後の医療の大きな課題です。
今井さんは今秋の舞台に立つという目標のために歯を食いしばって抗がん剤を続けられたのでしょう。大切なことは、本人と家族が後悔しないことです。今井さんは、結局、がんと診断され手術を受けたわずか10ケ月後の旅立ちとなりました。その間、少なくとも6軒の病院を転々とされたそうですが、普段より、私のような"かかりつけ医"はいなかったのだろうかと考えさされました。
今井さんの大腸がんの闘病から我々が学ぶべき点は、いくつもあります。
1)便潜血検査という簡便な方法により大腸がんの早期発見が可能であること。
2)がん患者さんはモルヒネなどで充分な緩和医療を受ける権利があること
3)抗がん剤治療には「やめどき」があり、自己決定を基に信頼する主治医と何度も話し合い、悔いのない選択をすること、などです。
今井さんの壮絶な闘いの軌跡は、テレビを通して我々に大きな教訓を与えてくれました。心よりご冥福をお祈りします。
■ 長尾和宏(ながお・かずひろ) 長尾クリニック院長。1958年香川県出身。1984年に東京医科大学卒業、大阪大学第二内科入局。阪神大震災をきっかけに、兵庫県尼崎市で長尾クリニック開業。現在クリニックでは計7人の医師が365日24時間態勢で外来診療と在宅医療に取り組んでいる。趣味はゴルフと音楽。著書は「長尾先生、「近藤誠理論」のどこが間違っているのですか?」(ブックマン社)、「『平穏死』10の条件」(同)、「抗がん剤10の『やめどき』」(同)。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
文章で再確認すれば短い表現となってしまう <抗がん剤治療には「やめどき」があり、自己決定を基に信頼する主治医と何度も話し合い、悔いのない選択をすること> なのであるが、この過程には、"抗がん剤への、断ち切り難い、過剰な期待" に区切りをつける! という一筋縄では行かない "悶々とした苦悩" を掻い潜らなければならない...... (2015.11.21)
コメントする