"後発医薬品(ジェネリック医薬品)" の普及が声高に叫ばれている昨今である。そして、その政府側の狙いは、"社会保障費の抑制" にある、と見られている。
◆ 参照 当誌過去の "ジェネリック医薬品" 関連記事
○ <新薬より安価な後発医薬品(ジェネリック)の普及を促進するため、政府は来年度、日本に原薬や製剤などを輸出する海外製造所に派遣している査察員を、増員する方針を固めた> ( "ジェネリック医薬品"普及促進を目指し、厚生労働省、海外での品質検査強化の体制へ!/当誌 2015.08.24 )
今回注目する下記引用サイト記事 : ヒット新薬の値下げ検討、最大半額に...製薬業界は猛反発/yomiDr. ヨミドク/2015.12.21 は、 <国内での売れ行きが予想外に伸び年1000億円を超えた医療用医薬品の値段(薬価)を引き下げるという新ルールを、厚生労働省が来年の診療報酬改定から導入する方針を固めた。保険適用された薬が対象。医療費が膨れあがるのを防ぐためだが、製薬業界は新薬開発を妨げると猛反発している> と報じている。
<......新ルールでは、年間の販売額が1500億円を超え、製薬会社の予想の3割増以上となった薬について、2年に1度の診療報酬改定で公定価格を最大半額に下げる。1000億円超で予想の5割増以上となった薬も、最大25%落とす。 新薬の値段は、製薬企業が開発コストや材料費などに加え、国内の市場規模を考慮して算定した価格を厚労省に提出するなどし、有識者会議での検討を踏まえた上で、同省が決定している。社会保障費の抑制が課題となる中、当初の予想を超す巨額の売り上げが生じた場合、公的保険財政からそのまま支出するのは難しいと判断した。 調査会社IMSジャパンのまとめによると、近年、年間1000億円以上の売り上げがあった薬は、抗血小板薬の「プラビックス」、抗がん剤「アバスチン」(2014年)、高血圧治療薬「ブロプレス」(13年)と、同「ディオバン」、抗認知症薬「アリセプト」(12年)など。 また、今年は米国で開発されたC型肝炎の画期的治療薬「ソバルディ」(1錠約6万円)と「ハーボニー」(同約8万円)も発売され、国内患者の多さもあり、薬剤費がかさむ見通しだ。同社によると、今年5月に発売された「ソバルディ」の7~9月の売り上げは433億円に上り、年間1000億円を超えるのはほぼ確実とされる。 同省では、年内に開かれる有識者会議に諮った上で最終決定する方向だ。これに対し、「革新的で成功した新薬に対するペナルティーに他ならない」(米国研究製薬工業協会)、「市場で評価される薬剤を価格下げの対象にするのは理にかなわず、経営の予見性の観点からも大きな問題」(日本製薬団体連合会)など、国内外の製薬団体から撤回を求める声が上がっている。 (2015年12月21日 読売新聞)> とある。
ヒット新薬の値下げ検討、最大半額に...製薬業界は猛反発/yomiDr. ヨミドク/2015.12.21
国内での売れ行きが予想外に伸び年1000億円を超えた医療用医薬品の値段(薬価)を引き下げるという新ルールを、厚生労働省が来年の診療報酬改定から導入する方針を固めた。保険適用された薬が対象。医療費が膨れあがるのを防ぐためだが、製薬業界は新薬開発を妨げると猛反発している。
新ルールでは、年間の販売額が1500億円を超え、製薬会社の予想の3割増以上となった薬について、2年に1度の診療報酬改定で公定価格を最大半額に下げる。1000億円超で予想の5割増以上となった薬も、最大25%落とす。
新薬の値段は、製薬企業が開発コストや材料費などに加え、国内の市場規模を考慮して算定した価格を厚労省に提出するなどし、有識者会議での検討を踏まえた上で、同省が決定している。社会保障費の抑制が課題となる中、当初の予想を超す巨額の売り上げが生じた場合、公的保険財政からそのまま支出するのは難しいと判断した。
調査会社IMSジャパンのまとめによると、近年、年間1000億円以上の売り上げがあった薬は、抗血小板薬の「プラビックス」、抗がん剤「アバスチン」(2014年)、高血圧治療薬「ブロプレス」(13年)と、同「ディオバン」、抗認知症薬「アリセプト」(12年)など。
また、今年は米国で開発されたC型肝炎の画期的治療薬「ソバルディ」(1錠約6万円)と「ハーボニー」(同約8万円)も発売され、国内患者の多さもあり、薬剤費がかさむ見通しだ。同社によると、今年5月に発売された「ソバルディ」の7~9月の売り上げは433億円に上り、年間1000億円を超えるのはほぼ確実とされる。
同省では、年内に開かれる有識者会議に諮った上で最終決定する方向だ。これに対し、「革新的で成功した新薬に対するペナルティーに他ならない」(米国研究製薬工業協会)、「市場で評価される薬剤を価格下げの対象にするのは理にかなわず、経営の予見性の観点からも大きな問題」(日本製薬団体連合会)など、国内外の製薬団体から撤回を求める声が上がっている。
(2015年12月21日 読売新聞)
医療費膨張を抑止するには、医療費に占める比率が高い "医療用医薬品の値段(薬価)" を引き下げる以外に手が無いというのが政府のホンネなのであろう。元々、"薬価" が、予想された "市場規模" を前提に定められた以上、"大幅に予想を逸脱した現実" に対しては何らかの修正措置がとられて当然なのかもしれない...... (2015.12.25)
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