相変わらず "クスリ漬け医療!" が蔓延し、副作用が増え、医療費が嵩むという弊害が後を絶たないようだ。
今回注目する下記引用サイト記事 : 高齢者の薬どう減らす...副作用増、薬局は出すほど利益/yomiDr. ヨミドク/2015.12.28 は、 <高齢者の多くが不適切な薬の処方を受けている可能性が、厚生労働省研究班の調査で明らかになった。複数の持病のある高齢者には多剤投与が行われている実態もあり、薬の副作用で健康を害する例も少なくない。無益な薬の処方で体調を崩せば、さらに医療費、介護費もかさむ。今後、必要な対策は何か> と報じ、問題を投げかけている。
<......■入院中に削減 「薬を3種類減らしました。時々、病棟に様子を見に行きます」 宇都宮市の国立病院機構栃木医療センター。内科の矢吹拓医師(36)...... 矢吹医師らは今年1月、同病院に「ポリファーマシー(多剤)外来」を開設、入院してきた高齢者の薬を減らす取り組みを始めた。65歳以上で5種類以上の薬を飲み、同意を得た患者を呼び、院内の薬剤師、看護師らと共同で体調を見ながら必要度の低い薬や副作用のリスクの高い薬を減らす。10月までに37人(平均年齢81歳)を診察。入院時に平均8・6種類だった薬が同4・6種類になった。 退院時にはかかりつけ医に患者の診療情報とセンター長名で薬の削減に協力を求める文書を送る。...... ■副作用の背景 総合診療医の徳田安春・地域医療機能推進機構顧問は、「特に影響を受けやすい80~90歳代の患者が増えているにもかかわらず高齢者特有の薬の作用や副作用に対する知識が医師の間に浸透していない」と指摘する。薬の代謝機能が衰えた高齢者が一般成人と同じ量の薬を飲むと副作用が出やすい上、薬同士の相互作用の影響も受けやすい。 高齢者は飲む薬の種類が増えると、副作用が起きやすいというデータがある。だが、内科、整形外科など細分化した診療体制では患者が飲む薬の全体像を把握しにくく、薬の種類も増えやすい。近年、新薬が相次いで開発され、使える薬が増えたことも背景にある。 薬局は、薬を処方するごとに調剤料が入るため、積極的に薬を減らそうという動きが起きにくい。 ■「収益より信頼」 薬の削減に取り組む薬局もある。首都圏で約140店を営む調剤薬局チェーン「薬樹(やくじゅ)」(本社・神奈川県)は約9割の薬局で医師の指示のもと、通院が難しい在宅患者や介護が必要な高齢者宅に薬剤師が薬を届ける。 「訪問薬樹薬局 保土ヶ谷」(横浜市)の訪問薬剤師、高橋麗華さん(38)は痛み止めなど6種類を飲んでいた神経因性疼痛(とうつう)の90歳代女性の薬を、医師と相談しながら3種類に抑えた。 薬樹は店舗の3割に管理栄養士を置く。服薬と栄養両面のサポートを通じて、症状が落ち着き、薬が減った糖尿病患者もいる。......「薬が減れば目先の収益は落ちるが、かかりつけ薬局としての信頼が得られ、リピーターになってもらえる」と小森雄太社長(51)は説明する。 だが、こうした取り組みは一部の薬局で始まったばかりだ。「薬を出すほど利益が出る、今の仕組みは問題だ」と小森社長は語る。(医療部 赤津良太、社会保障部 辻阪光平) (2015年12月28日 読売新聞)> とある。
高齢者の薬どう減らす...副作用増、薬局は出すほど利益/yomiDr. ヨミドク/2015.12.28
高齢者の多くが不適切な薬の処方を受けている可能性が、厚生労働省研究班の調査で明らかになった。複数の持病のある高齢者には多剤投与が行われている実態もあり、薬の副作用で健康を害する例も少なくない。無益な薬の処方で体調を崩せば、さらに医療費、介護費もかさむ。今後、必要な対策は何か。
■入院中に削減
「薬を3種類減らしました。時々、病棟に様子を見に行きます」
宇都宮市の国立病院機構栃木医療センター。内科の矢吹拓医師(36)......
矢吹医師らは今年1月、同病院に「ポリファーマシー(多剤)外来」を開設、入院してきた高齢者の薬を減らす取り組みを始めた。65歳以上で5種類以上の薬を飲み、同意を得た患者を呼び、院内の薬剤師、看護師らと共同で体調を見ながら必要度の低い薬や副作用のリスクの高い薬を減らす。10月までに37人(平均年齢81歳)を診察。入院時に平均8・6種類だった薬が同4・6種類になった。
退院時にはかかりつけ医に患者の診療情報とセンター長名で薬の削減に協力を求める文書を送る。......
■副作用の背景
総合診療医の徳田安春・地域医療機能推進機構顧問は、「特に影響を受けやすい80~90歳代の患者が増えているにもかかわらず高齢者特有の薬の作用や副作用に対する知識が医師の間に浸透していない」と指摘する。薬の代謝機能が衰えた高齢者が一般成人と同じ量の薬を飲むと副作用が出やすい上、薬同士の相互作用の影響も受けやすい。
高齢者は飲む薬の種類が増えると、副作用が起きやすいというデータがある。だが、内科、整形外科など細分化した診療体制では患者が飲む薬の全体像を把握しにくく、薬の種類も増えやすい。近年、新薬が相次いで開発され、使える薬が増えたことも背景にある。
薬局は、薬を処方するごとに調剤料が入るため、積極的に薬を減らそうという動きが起きにくい。
■「収益より信頼」
薬の削減に取り組む薬局もある。首都圏で約140店を営む調剤薬局チェーン「薬樹(やくじゅ)」(本社・神奈川県)は約9割の薬局で医師の指示のもと、通院が難しい在宅患者や介護が必要な高齢者宅に薬剤師が薬を届ける。
「訪問薬樹薬局 保土ヶ谷」(横浜市)の訪問薬剤師、高橋麗華さん(38)は痛み止めなど6種類を飲んでいた神経因性疼痛(とうつう)の90歳代女性の薬を、医師と相談しながら3種類に抑えた。
薬樹は店舗の3割に管理栄養士を置く。服薬と栄養両面のサポートを通じて、症状が落ち着き、薬が減った糖尿病患者もいる。......「薬が減れば目先の収益は落ちるが、かかりつけ薬局としての信頼が得られ、リピーターになってもらえる」と小森雄太社長(51)は説明する。
だが、こうした取り組みは一部の薬局で始まったばかりだ。「薬を出すほど利益が出る、今の仕組みは問題だ」と小森社長は語る。
(医療部 赤津良太、社会保障部 辻阪光平)
(2015年12月28日 読売新聞)
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
医薬品に関するこうした事実は、今に始まったことなんぞではなく、とっくに知れ渡っていたはず! 差し迫った医療財政のひっ迫からドタバタと騒ぐ様は、まことに笑止千万だ...... (2015.12.30)
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