免疫細胞の一種である「T細胞」を、"活性化" させてがん細胞を攻撃させるアプローチは、これまでにも試みられている。
◆ 参照 当誌過去の "がん,免疫" 関連記事
○ <ウイルスに感染した細胞やがん細胞などを攻撃する免疫細胞の一種「T細胞」を一度、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にした上で、同じ能力を持つ「元気」なT細胞に再生させることに世界で初めて成功したと、東京大の中内啓光(ひろみつ)教授らのグループが発表した。このT細胞を患者の体に戻すことで、がんなどの新たな治療法につながる。......> ( 攻撃能力の落ちた"免疫細胞をiPS細胞に変えて増殖"!免疫細胞が若返り攻撃能力回復!/当誌 2014.00.00 )
今回注目する下記引用サイト記事 : は、 <大阪大学の岩堀幸太特任講師らは、外敵から身を守る免疫細胞にがん細胞を見分ける能力を高め、密着させて集中的に攻撃する技術を開発した。がん細胞の表面にあるたんぱく質を目印に使い遺伝子操作する。肺がんのマウスを使った実験では、余命が2倍以上延びた。識別に使うたんぱく質を変えれば、様々ながんに使えるという> と報じている。
<......米ベイラー医科大学との成果。新しいがん治療法として5~10年後の臨床応用を目指す。 研究チームは免疫細胞の一種のT細胞を健康な人の血液から取り出し、がん細胞を識別するための情報が組み込まれた遺伝子を導入した。このT細胞には、がん細胞の表面に現れるたんぱく質とくっつく抗体ができた。 体内に戻すと、遺伝子を改変したT細胞はがん細胞に密着して攻撃するようになる。このT細胞が出す物質によって、他のT細胞が呼び寄せられ、多数ががん細胞を攻撃するようになり、治療効果が高まるという。 5匹のマウスに人間の肺がんを移植し、遺伝子を組み換えたT細胞を注射した。がんを移植したマウスは100日もたたずに死んでしまうが、注射されたマウスは最長で約200日生き続けた。 改変する遺伝子のがん細胞を識別する情報を変えれば、肺以外のがんにも使えるという> とある。
免疫細胞 がんに密着し攻撃 阪大、遺伝子操作で能力向上 /日本経済新聞/2016.02.28 - 23:51
大阪大学の岩堀幸太特任講師らは、外敵から身を守る免疫細胞にがん細胞を見分ける能力を高め、密着させて集中的に攻撃する技術を開発した。がん細胞の表面にあるたんぱく質を目印に使い遺伝子操作する。肺がんのマウスを使った実験では、余命が2倍以上延びた。識別に使うたんぱく質を変えれば、様々ながんに使えるという。
米ベイラー医科大学との成果。新しいがん治療法として5~10年後の臨床応用を目指す。
研究チームは免疫細胞の一種のT細胞を健康な人の血液から取り出し、がん細胞を識別するための情報が組み込まれた遺伝子を導入した。このT細胞には、がん細胞の表面に現れるたんぱく質とくっつく抗体ができた。
体内に戻すと、遺伝子を改変したT細胞はがん細胞に密着して攻撃するようになる。このT細胞が出す物質によって、他のT細胞が呼び寄せられ、多数ががん細胞を攻撃するようになり、治療効果が高まるという。
5匹のマウスに人間の肺がんを移植し、遺伝子を組み換えたT細胞を注射した。がんを移植したマウスは100日もたたずに死んでしまうが、注射されたマウスは最長で約200日生き続けた。
改変する遺伝子のがん細胞を識別する情報を変えれば、肺以外のがんにも使えるという。
免疫細胞に対する遺伝子操作によって、がん細胞の表面にあるたんぱく質を目印にしたがん細胞識別能力と密着能力とを与え、がん細胞攻撃力を高める! というのだから画期的なアプローチである...... (2016.03.02)
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