"がん化の恐れがある未分化の人工多能性幹細胞(iPS細胞)" に関しては、かねてより懸念されてきたところだ。
◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞 がん化" 関連記事
○ <がん化の恐れがある未分化の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を見分けて除去するのに有効な抗体「R―17F」を、立命館大の川嵜敏祐上席研究員(糖鎖生物学)らのチームが作製し、28日発表した。 川嵜上席研究員は「iPS細胞を使った再生医療が抱える発がんリスクの軽減に貢献できるのではないか」としている> ( がん化の恐れがある未分化のiPS細胞を見分けて除去する"抗体"作製!(立命館大チーム)/当誌 2015.07.30
今回注目する下記引用サイト記事 : iPS細胞 心筋、がん化抑制に道 原因の未分化細胞、特殊培養液で死滅/毎日新聞/2016.04.01 は、 <特殊な培養液を使うことで人工多能性幹細胞(iPS細胞)から心筋細胞を高純度で作ることに成功したと、慶応大の福田恵一教授らの研究チームが1日、米科学誌セル・メタボリズムに発表した。iPS細胞から心筋に分化させる際、がん化の危険性が問題となる分化しない細胞など他の細胞をほぼ全て死滅させることに成功したという。チームは2017年には、重い心臓病患者への医師主導臨床試験を学内に申請する予定だ> と報じている。
<......iPS細胞から心筋細胞を作り、心臓に注射して移植することで心臓の機能回復を目指す。しかし、心筋細胞に分化するiPS細胞は60%程度にとどまり、そのまま移植すると未分化細胞などのがん化の危険性がある。 研究チームは、細胞の栄養分であるブドウ糖を取り除いた培養液に途中から切り替えると、未分化細胞などが10日程度で徐々に死滅することをこれまでに解明。今回新たに、グルタミンも未分化細胞などの生存につながるエネルギー源であることを発見、これらを取り除いた培養液で人の細胞から作ったiPS細胞を培養した結果、従来の半分の5日程度で、心筋細胞以外がほぼ完全に死滅した。心筋細胞だけは、ブドウ糖やグルタミンがない状態でも生き続けることができ、「ふるい分け」が可能であることを明らかにした。 チームの遠山周吾・慶応大助教は「早期臨床応用を目指したい」と話す。 【藤野基文】> とある。
iPS細胞 心筋、がん化抑制に道 原因の未分化細胞、特殊培養液で死滅/毎日新聞/2016.04.01
特殊な培養液を使うことで人工多能性幹細胞(iPS細胞)から心筋細胞を高純度で作ることに成功したと、慶応大の福田恵一教授らの研究チームが1日、米科学誌セル・メタボリズムに発表した。iPS細胞から心筋に分化させる際、がん化の危険性が問題となる分化しない細胞など他の細胞をほぼ全て死滅させることに成功したという。チームは2017年には、重い心臓病患者への医師主導臨床試験を学内に申請する予定だ。
iPS細胞から心筋細胞を作り、心臓に注射して移植することで心臓の機能回復を目指す。しかし、心筋細胞に分化するiPS細胞は60%程度にとどまり、そのまま移植すると未分化細胞などのがん化の危険性がある。
研究チームは、細胞の栄養分であるブドウ糖を取り除いた培養液に途中から切り替えると、未分化細胞などが10日程度で徐々に死滅することをこれまでに解明。今回新たに、グルタミンも未分化細胞などの生存につながるエネルギー源であることを発見、これらを取り除いた培養液で人の細胞から作ったiPS細胞を培養した結果、従来の半分の5日程度で、心筋細胞以外がほぼ完全に死滅した。心筋細胞だけは、ブドウ糖やグルタミンがない状態でも生き続けることができ、「ふるい分け」が可能であることを明らかにした。
チームの遠山周吾・慶応大助教は「早期臨床応用を目指したい」と話す。
【藤野基文】
iPS細胞から心筋細胞を作り、がん化リスクがあるとされる "未分化細胞" を除去するために考案されたのが、上記記事にある "ブドウ糖、グルタミンを取り除いた培養液でのiPS細胞培養" というアプローチ。 今後の更なる検証と早期臨床応用とが待たれる...... (2016.04.05)
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