"がん治療" にあっては、"がん組織の画像診断" が欠かせない、とされる。 そこで、"より精緻な造影" が可能となるような種々の手法、アプローチが模索されることになる。
◆ 参照 当誌過去の "造影 がん" 関連記事
(1) <ナノマシンは微小ながんも見つけることが可能だ。開発者らは、将来的にはがんを見つけるための造影剤をナノマシンに入れ、がんを発見したら、続いて抗がん剤を送り込み治療を行う機能まで持たせることも視野に入れている......> ( 抗がん剤投薬システム"ナノマシン"!がん細胞を狙い撃ち!副作用減らし効果高める!/当誌 2015.08.01 )
(2) <がん組織に集まりやすい薬剤を開発し、画面に映し出しながら中性子線で狙い撃ちにできる新たな放射線治療の手法をマウスで実証した......チームが注目したのは、MRIで血管などをはっきり撮影するための造影剤に使う金属ガドリニウム。中性子線を当てると、細胞を攻撃するガンマ線を出す性質がある。そこで、がん組織に集まりやすい分子でこの成分を包んだ微小なナノカプセルを開発......> ( がんをガドリニウムで画面に映し出し、中性子線で狙い撃ち!新放射線治療手法!(東大)/当誌 2015.06.22 )
(3) < "がん治療" に欠かせない "がん画像診断" において、"より精緻な造影" が可能となる新しい "注射薬" が開発され、いよいよ "臨床研究" が始まった> ( 新しいがんの"画像診断用注射薬"([123I]IIMU)の臨床研究開始(北大)!精緻な検査画像!/当誌 2014.06.26 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 悪性のがん見分ける造影剤 東大など数年内実用化めざす/朝日新聞/2016.05.17 - 01:13 は、 <悪性度の高いがんを見分けやすい新たな造影剤を、川崎市産業振興財団と東京大、東京工業大などの共同研究チームが開発した。16日付の英科学誌ネイチャーナノテクノロジー(電子版)に発表する。転移防止に役立つ可能性があり、チームは数年以内の実用化を目指す> と報じている。
<......がん組織内部の低酸素領域は抗がん剤が届きにくい上、放射線治療の効果も低く、悪性度の高いがんに変化して転移を引き起こしやすい。 研究チームは低酸素領域では酸性度が高いことに着目、酸性度が高くなるほど溶け出てマンガンイオンを放出するナノ粒子を用いた造影剤を開発した。MRIで撮影すると、マンガンイオンがくっついて低酸素領域の分布を映し出せた。実際にマウス実験で大腸から肝臓に転移した直径1・5ミリのがん組織を既存の造影剤に比べはっきりと確認できたという。 研究チームの西山伸宏・東工大教授は「通常は取り出さないとわからなかったがん組織の低酸素領域を、広く普及しているMRIで調べられる。がんの早期発見や微小な転移の発見に加え、治療の有効性なども迅速に判定できる」と話している。 (川村剛志)> とある。
悪性のがん見分ける造影剤 東大など数年内実用化めざす/朝日新聞/2016.05.17 - 01:13
悪性度の高いがんを見分けやすい新たな造影剤を、川崎市産業振興財団と東京大、東京工業大などの共同研究チームが開発した。16日付の英科学誌ネイチャーナノテクノロジー(電子版)に発表する。転移防止に役立つ可能性があり、チームは数年以内の実用化を目指す。
がん組織内部の低酸素領域は抗がん剤が届きにくい上、放射線治療の効果も低く、悪性度の高いがんに変化して転移を引き起こしやすい。
研究チームは低酸素領域では酸性度が高いことに着目、酸性度が高くなるほど溶け出てマンガンイオンを放出するナノ粒子を用いた造影剤を開発した。MRIで撮影すると、マンガンイオンがくっついて低酸素領域の分布を映し出せた。実際にマウス実験で大腸から肝臓に転移した直径1・5ミリのがん組織を既存の造影剤に比べはっきりと確認できたという。
研究チームの西山伸宏・東工大教授は「通常は取り出さないとわからなかったがん組織の低酸素領域を、広く普及しているMRIで調べられる。がんの早期発見や微小な転移の発見に加え、治療の有効性なども迅速に判定できる」と話している。
(川村剛志)
"がん組織の造影・画像診断" に関しては、冒頭での関連記事のように複数のアプローチが試みられている。 今後の課題は、<既存の造影剤に比べ> て "精度の高さがどうか" という点になっているようだ...... (2016.05.20)
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