がん細胞が体内で"進化する"!がん細胞の"転移=多様化"が、環境適応の可能性を増大!

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 がんに対する「個別化医療」ということばが使われ始めている昨今である。 要するに、がんの症状は "十人十色・百人百様" という「個性」を持つということ。 実は、こうした「個別化医療」が求められるような、"がんの多様性!" こそが、がんの正体であり、がんの進化、だと考えられているようだ。

 今回注目する下記引用サイト記事体内で進化するがん細胞 瀬川茂子/朝日新聞 - apital/2016.07.31 - 08:35 は、  <さまざまな環境に適応して多様な生物集団が誕生した――。ダーウィンが提唱した進化論になぞらえて、がんの成長を解明する研究が進んでいる。がん細胞が巧みに環境に適応していく仕組みを知れば治療法の開発にもつながりそうだ> と解説している。

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■転移に伴い種類増加

 がん細胞の進化を実証した論文がある。国立がん研究センター研究所がんゲノミクス研究分野の谷内田真一ユニット長らが2010年、英科学誌ネイチャーに発表した研究だ。......   谷内田さんによると、膵臓がんでは、......分裂を繰り返し、さまざまな変異が蓄積され、多様な細胞集団になっていく。  仮にがん細胞が多様でなければ、異なる臓器に転移した場合、環境が変わって生き残る条件が整わずに死んでいくかも知れない。だが、異なる特徴を持つ多様な集団になれば、その一部に、転移先の新たな環境にも耐えられる細胞が含まれる可能性が出てくる。そうなれば、集団として生き残る道が出てくるという訳だ。  環境が変わるのは、転移ばかりではない。「がんが大きくなると、中心部では栄養や酸素が不十分になる。それでも生き残れる性質をもった細胞が生き残る」とも谷内田さんは指摘する。

■DNA解析で進化確認

 そもそも体内では毎日のように、がんのタネが生まれている。どういうことか。

 人間の細胞の核におさまっているDNAは紫外線やウイルス、喫煙など様々な要因で傷(変異)がつく。傷によって、がん化にかかわる遺伝子の働きが異常になることがある。これががんのタネだ。体には異常な細胞を除く仕組みもあるが、その仕組みをすり抜け、増殖が止まらなくなった細胞集団が、がんになる。  がん細胞は、ほかの細胞よりも分裂の速度が速く、がん細胞の集団は大きくなっていくこの過程を、生物が子孫を増やして進化する過程にたとえる考え方は以前からあった。谷内田さんの研究を含め、こうした考え方をDNA解析技術の進歩で実証できるようになっているのが近年の特徴だ。......

■「個性」見極め治療へ

 がん細胞が進化し、多様で不均一になることは、治療を困難にする原因になるある抗がん剤に抵抗性を持つ細胞が混じっていれば、治療に成功したように見えても、生き残って細胞が再び増える可能性があるからだがんが大きいほど多様性が大きくなるため、「早期発見、早期治療が重要だということです」と京都大の小川誠司教授(腫瘍(しゅよう)生物学)は話す。......  進化して多様になるがんとどう向き合えばいいのか。小川さんらはがん細胞を排除する免疫の仕組みに着目し、研究を進めている。  肺がんや乳がんなど33種類のがん患者1万人以上のデータから進化の実態を調べた。その結果、12種類のがん患者32人に、免疫を抑える遺伝子を異常に活性化させる変異があることを突き止めた

 がん細胞の巧みな戦略だが、戦略がわかれば、攻略法も考えられる。実際、免疫を抑える作用を無効にする薬も実用化され始めている。価格が高いことなど課題は多い。だが、がんの種類ごとに開発されてきた従来の治療法に加え、遺伝子変異の種類によって、一人一人の患者に適した治療を目指す時代になってきている。  小川さんは「がんの進化過程の解明は、早期診断、予防法や治療法の開発につながるだろう」と話している。(瀬川茂子)

■がん関連遺伝子

 がんの発生や成長に中心的な役割を果たしており、大きく二つのタイプに分かれる。  「がん遺伝子」は、その働きが活性化することで、がん化にかかわる。たとえば、細胞の増殖を盛んにするような遺伝子が活性化すれば、がん遺伝子として働く。  逆に「がん抑制遺伝子」は、その働きを失うことで、がん化にかかわる。DNAの傷を修復する遺伝子や細胞増殖を抑える遺伝子などの働きが失われると、がん化を進める。がんになるまでには、多くの種類のがん関連遺伝子がかかわっている

......> とある。

 体内で進化するがん細胞 瀬川茂子/朝日新聞 - apital/2016.07.31 - 08:35

 さまざまな環境に適応して多様な生物集団が誕生した――。ダーウィンが提唱した進化論になぞらえて、がんの成長を解明する研究が進んでいる。がん細胞が巧みに環境に適応していく仕組みを知れば治療法の開発にもつながりそうだ。


■転移に伴い種類増加

 がん細胞の進化を実証した論文がある。国立がん研究センター研究所がんゲノミクス研究分野の谷内田真一ユニット長らが2010年、英科学誌ネイチャーに発表した研究だ。

 膵臓(すいぞう)がんが別の臓器に転移して亡くなった患者7人について、各臓器のがん細胞に含まれる2万以上の遺伝子を解析し、正常な細胞と比べてどの程度異常が起きているかを調べた。すると、がん患者1人につき平均61個の遺伝子変異が見つかった。

 さらに、ある患者の遺伝子変異の種類を調べると、膵臓、腹膜、肝臓、肺の順序で種類が増えていた。この順序は、一般的な膵臓がんが転移する順序と同じだった。

 谷内田さんによると、膵臓がんでは、細胞に最初の変異が起きてから、1~2センチ以下のがんになるまで12年程度かかるとみられる。その後、がんが成長して転移するようになるまで約7年この間に分裂を繰り返し、さまざまな変異が蓄積され、多様な細胞集団になっていく

 仮にがん細胞が多様でなければ、異なる臓器に転移した場合、環境が変わって生き残る条件が整わずに死んでいくかも知れない。だが、異なる特徴を持つ多様な集団になれば、その一部に、転移先の新たな環境にも耐えられる細胞が含まれる可能性が出てくる。そうなれば、集団として生き残る道が出てくるという訳だ。

 環境が変わるのは、転移ばかりではない。「がんが大きくなると、中心部では栄養や酸素が不十分になる。それでも生き残れる性質をもった細胞が生き残る」とも谷内田さんは指摘する。

■DNA解析で進化確認

 そもそも体内では毎日のように、がんのタネが生まれている。どういうことか。

 人間の細胞の核におさまっているDNAは紫外線やウイルス、喫煙など様々な要因で傷(変異)がつく。傷によって、がん化にかかわる遺伝子の働きが異常になることがある。これががんのタネだ。体には異常な細胞を除く仕組みもあるが、その仕組みをすり抜け、増殖が止まらなくなった細胞集団が、がんになる

 がん細胞は、ほかの細胞よりも分裂の速度が速く、がん細胞の集団は大きくなっていくこの過程を、生物が子孫を増やして進化する過程にたとえる考え方は以前からあった。谷内田さんの研究を含め、こうした考え方をDNA解析技術の進歩で実証できるようになっているのが近年の特徴だ。

 例えば、英ウエルカムトラスト・サンガー研究所のグループが、55~73歳の健康な4人のまぶたの上の皮膚を解析したところ、がん化にかかわるDNAの突然変異が1平方センチあたり100個以上も見つかった。正常な皮膚の細胞の実に4分の1に、突然変異が1個以上あると推定される内容だ。この突然変異が積み重なると、長い時間をかけてがんになるものがあるとグループはみている。

 こうした突然変異は、加齢とともに増えていくこともわかってきた。米ハーバード大などのグループが、健康な1万7千人以上の血液を調べたところ、40歳未満ではがん関連遺伝子の変異はほとんどなかった。だが、70代で約10%、80代は12%、90代以上は18%の人に変異が見つかったという。

■「個性」見極め治療へ

 がん細胞が進化し、多様で不均一になることは、治療を困難にする原因になるある抗がん剤に抵抗性を持つ細胞が混じっていれば、治療に成功したように見えても、生き残って細胞が再び増える可能性があるからだがんが大きいほど多様性が大きくなるため、「早期発見、早期治療が重要だということです」と京都大の小川誠司教授(腫瘍(しゅよう)生物学)は話す。

 指先ほどのがんでも10億個の細胞が含まれるという。「10億人の人類を想像して下さい。肌の色や髪の縮れ方、背の高さなどさまざまな人がいるでしょう。がん細胞も多様になります」と小川さん。

 進化して多様になるがんとどう向き合えばいいのか。小川さんらはがん細胞を排除する免疫の仕組みに着目し、研究を進めている

 肺がんや乳がんなど33種類のがん患者1万人以上のデータから進化の実態を調べた。その結果、12種類のがん患者32人に、免疫を抑える遺伝子を異常に活性化させる変異があることを突き止めた

 がん細胞の巧みな戦略だが、戦略がわかれば、攻略法も考えられる。実際、免疫を抑える作用を無効にする薬も実用化され始めている。価格が高いことなど課題は多い。だが、がんの種類ごとに開発されてきた従来の治療法に加え、遺伝子変異の種類によって、一人一人の患者に適した治療を目指す時代になってきている。

 小川さんは「がんの進化過程の解明は、早期診断、予防法や治療法の開発につながるだろう」と話している。(瀬川茂子)

■がん関連遺伝子

 がんの発生や成長に中心的な役割を果たしており、大きく二つのタイプに分かれる。

 「がん遺伝子」は、その働きが活性化することで、がん化にかかわる。たとえば、細胞の増殖を盛んにするような遺伝子が活性化すれば、がん遺伝子として働く。

 逆に「がん抑制遺伝子」は、その働きを失うことで、がん化にかかわる。DNAの傷を修復する遺伝子や細胞増殖を抑える遺伝子などの働きが失われると、がん化を進める。がんになるまでには、多くの種類のがん関連遺伝子がかかわっている

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)

 がん治療に関しては、"儲け主義(治療)" は勿論のこと、残念ながら、旧態以前の治療アプローチでは、"後手後手に回ってしまう!" という "実効性の無い現状"/font> が、奇しくも照らし出されたような印象か...... (2016.08.02)













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このページは、yasuo hiroseが2016年8月 1日 07:38に書いたブログ記事です。

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