記憶などさまざまな認知能力とも関連していると考えられている "嗅覚"。 ただ、<においを感じるメカニズム> については、まだまだ数多くの未解明な点が残されている。
◆ 参照 当誌過去の "嗅覚" 関連記事
○ <......アルツハイマー型認知症はもの忘れから始まるといわれているが、実は嗅覚障害が先に起こる。最初に臭神経が障害され、次いで海馬の神経細胞が障害される。そこで嗅覚障害はあるが、もの忘れはまだないという状態で香りによる嗅覚刺激を行なえば認知症を予防できる可能性が考えられる......> ( アロマセラピー!"香りの力"で認知症を予防する!アルツハイマー型認知症と嗅覚障害!/当誌 2014.03.04 )
今回注目する下記引用サイト記事 : においかぎ分ける遺伝子を発見 ... 脳梗塞後遺症治療に役立つ可能性/yomiDr. ヨミドク/2016.08.12 は、 <奈良県立医科大の坪井昭夫教授らの研究グループが、においをかぎ分けるために必要な遺伝子を突き止めたと発表した。においを感じるメカニズムの解明のほか、脳梗塞などによる後遺症の治療法にもつながる可能性があるという。 研究成果は米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」電子版に掲載された> と報じている。
<......グループは、脳の前部の、においを感じる組織「 嗅球(きゅうきゅう) 」にある「 顆粒(かりゅう) 細胞」という神経細胞の一種に注目。この細胞で活発に働く「5T4」という遺伝子をマウスの実験で詳しく調べた。 遺伝子操作で5T4を壊したマウスは、正常なマウスに比べ、においに対する感度が100分の1に低下。2種類のにおいをかぎ分ける能力も失った。正常な顆粒細胞は5~6本の突起を伸ばし、枝分かれして複数の神経細胞とつながっているが、5T4を壊すと突起が2~3本に減っていた。 坪井教授は「顆粒細胞は5T4の働きによって、においの強さや種類を区別する情報処理の回路を作ることがわかった」と説明。「5T4の働きを薬などで操作して神経回路を増やせるようになれば脳梗塞などで傷ついた脳の回路を再生し、まひなどの後遺症を抑える治療法の開発に役立つかもしれない」と話している> とある。
においかぎ分ける遺伝子を発見 ... 脳梗塞後遺症治療に役立つ可能性/yomiDr. ヨミドク/2016.08.12
奈良県立医科大の坪井昭夫教授らの研究グループが、においをかぎ分けるために必要な遺伝子を突き止めたと発表した。においを感じるメカニズムの解明のほか、脳梗塞などによる後遺症の治療法にもつながる可能性があるという。
研究成果は米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」電子版に掲載された。
グループは、脳の前部の、においを感じる組織「 嗅球(きゅうきゅう) 」にある「 顆粒(かりゅう) 細胞」という神経細胞の一種に注目。この細胞で活発に働く「5T4」という遺伝子をマウスの実験で詳しく調べた。
遺伝子操作で5T4を壊したマウスは、正常なマウスに比べ、においに対する感度が100分の1に低下。2種類のにおいをかぎ分ける能力も失った。正常な顆粒細胞は5~6本の突起を伸ばし、枝分かれして複数の神経細胞とつながっているが、5T4を壊すと突起が2~3本に減っていた。
坪井教授は「顆粒細胞は5T4の働きによって、においの強さや種類を区別する情報処理の回路を作ることがわかった」と説明。「5T4の働きを薬などで操作して神経回路を増やせるようになれば脳梗塞などで傷ついた脳の回路を再生し、まひなどの後遺症を抑える治療法の開発に役立つかもしれない」と話している。
<顆粒細胞は5T4の働きによって、においの強さや種類を区別する情報処理の回路を作ることがわかった> とされる今回の研究成果から、今後どのような新事実が導き出されていくのか期待される...... (2016.08.14)
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