一定の効き目があった抗がん剤が、その効き目を失うのは、がん細胞が "抗がん剤耐性" を持ち始めるからだと考えられている。 なお、ここから、"がん細胞による抗がん剤耐性の獲得" が問題視されることになる。
◆ 参照 当誌過去の "抗がん剤耐性" 関連記事
○ <がん細胞を生み出すもとになる「がん幹細胞」が、抗がん剤を加えても死滅せずに生き残る仕組みの一端を、大阪大の小関準特任助教(理論生物学)のチームが明らかにし、英科学誌電子版に11日発表> ( 抗がん剤でも死滅せず生き残る"がん幹細胞"の仕組み解明!薬剤耐性治療に道!(阪大)/当誌 2016.02.13 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 肺がん細胞、抗がん剤から生き延びる新たな仕組み発見...北大/yomiDr. ヨミドク/2016.08.29 は、 <肺がんの細胞が、免疫細胞の働きを抑えるなどして抗がん剤から生き延びる新たな仕組みを、北海道大学の清野研一郎教授(免疫生物学)らが発見して、米がん専門誌に発表した> と報じている。
<......清野教授らは、抗がん剤への耐性を獲得したがん細胞周辺に、体内に侵入した異物を食べる白血球の一種「マクロファージ」が集まり、中でも他の免疫細胞の働きを抑えるタイプが多いことに注目。こうしたタイプを誘導するたんぱく質「インターロイキン(IL)34」と肺がん細胞の関係を調べた。 通常の肺がん細胞と、抗がん剤と一緒に6か月間培養して生き残った耐性細胞とで、IL34を作る量を比較。通常のがん細胞はIL34を出さないが、耐性細胞は大量に出すことがわかった。耐性細胞はIL34を使って、マクロファージを免疫細胞の働きを抑えるタイプに変換するとともに、自らの生き残る力を高めていることも分かった。 マウスの実験で、IL34の働きを抑えると、耐性細胞でも抗がん剤が効きやすくなることも確認した。清野教授は「今回の耐性獲得の仕組みはこれまで知られていたものとは違う。新たな治療薬の開発につなげたい」と話している> とある。
肺がん細胞、抗がん剤から生き延びる新たな仕組み発見...北大/yomiDr. ヨミドク/2016.08.29
肺がんの細胞が、免疫細胞の働きを抑えるなどして抗がん剤から生き延びる新たな仕組みを、北海道大学の清野研一郎教授(免疫生物学)らが発見して、米がん専門誌に発表した。
清野教授らは、抗がん剤への耐性を獲得したがん細胞周辺に、体内に侵入した異物を食べる白血球の一種「マクロファージ」が集まり、中でも他の免疫細胞の働きを抑えるタイプが多いことに注目。こうしたタイプを誘導するたんぱく質「インターロイキン(IL)34」と肺がん細胞の関係を調べた。
通常の肺がん細胞と、抗がん剤と一緒に6か月間培養して生き残った耐性細胞とで、IL34を作る量を比較。通常のがん細胞はIL34を出さないが、耐性細胞は大量に出すことがわかった。耐性細胞はIL34を使って、マクロファージを免疫細胞の働きを抑えるタイプに変換するとともに、自らの生き残る力を高めていることも分かった。
マウスの実験で、IL34の働きを抑えると、耐性細胞でも抗がん剤が効きやすくなることも確認した。清野教授は「今回の耐性獲得の仕組みはこれまで知られていたものとは違う。新たな治療薬の開発につなげたい」と話している。
<マウスの実験で、IL34の働きを抑えると、耐性細胞でも抗がん剤が効きやすくなることも確認した> とあるように、上記記事での研究成果は、概して、使用経過で "効き目が失われていく抗がん剤" に、いわば "活路" を開くことにつながるのであろうか...... (2016.09.02)
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