"iPS細胞" に基づく移植治療にあっては、潜在する "がん化の可能性" をどう除去しておくか、が最大の課題だとされてきた。
◆ 参照 当誌過去の "iPS がん化" 関連記事
(1) iPS細胞弱点「がん化」を防ぐ遺伝子の働き解明!長寿ハダカデバネズミで研究!(北大)/当誌 2016.05.13
(2) iPS細胞からの心筋細胞、"がん化抑制"に道!原因の未分化細胞を、特殊培養液で死滅!/当誌 2016.04.05
(3) がん化の恐れがある未分化のiPS細胞を見分けて除去する"抗体"作製!(立命館大チーム)/当誌 2015.07.30
今回注目する下記引用サイト記事 : iPS由来細胞のがん化、予防法を開発 慶応大チーム/朝日新聞/2016.09.23 - 02:01 は、 <ヒトのiPS細胞からつくった神経幹細胞が、マウスの体内でがんになるのを防ぐ方法を、慶応大の岡野栄之教授(生理学)と中村雅也教授(整形外科学)らのチームが開発した。22日付の米科学誌ステム・セル・リポーツ電子版に発表した。iPS細胞による治療の安全性を高めるのがねらいだ。 iPS細胞が機能をもった様々な細胞になる過程で細胞が過剰に増殖して一部ががん化するおそれが指摘されている。治療に使うには、がん化をいかに防ぐかが最大の課題で、様々な方法が研究されている> と報じている。
<......チームは、神経幹細胞の中で、組織への分化や細胞の複製に重要な遺伝子の働きを調節する仕組みに注目。ヒトのiPS細胞から作った神経幹細胞を、この仕組みが働かなくなるようにする「GSI」という薬につけてから、脊髄(せきずい)が損傷したマウスに移植した。 その結果、GSIで処理しなかった細胞を移植したマウスでは、腫瘍(しゅよう)ができるときにみられる異常な細胞増殖がおき、一時回復した運動機能は42日目以降に再び低下した。一方処理した細胞を移植したマウスは、細胞が異常に増えることなく、移植後に回復した運動機能も維持された。 現在は目の加齢黄斑変性の臨床研究が進められ、がん化を防ぐ別の方法で対応している。岡野教授は「がん化というiPS細胞治療の課題を克服できる可能性がある。実験で確認した仕組みは他の組織の細胞にも関わっており、様々な組織の移植治療の安全性向上につながる」と話す。(福宮智代)> とある。
iPS由来細胞のがん化、予防法を開発 慶応大チーム/朝日新聞/2016.09.23 - 02:01
ヒトのiPS細胞からつくった神経幹細胞が、マウスの体内でがんになるのを防ぐ方法を、慶応大の岡野栄之教授(生理学)と中村雅也教授(整形外科学)らのチームが開発した。22日付の米科学誌ステム・セル・リポーツ電子版に発表した。iPS細胞による治療の安全性を高めるのがねらいだ。
iPS細胞が機能をもった様々な細胞になる過程で細胞が過剰に増殖して一部ががん化するおそれが指摘されている。治療に使うには、がん化をいかに防ぐかが最大の課題で、様々な方法が研究されている。
チームは、神経幹細胞の中で、組織への分化や細胞の複製に重要な遺伝子の働きを調節する仕組みに注目。ヒトのiPS細胞から作った神経幹細胞を、この仕組みが働かなくなるようにする「GSI」という薬につけてから、脊髄(せきずい)が損傷したマウスに移植した。
その結果、GSIで処理しなかった細胞を移植したマウスでは、腫瘍(しゅよう)ができるときにみられる異常な細胞増殖がおき、一時回復した運動機能は42日目以降に再び低下した。一方処理した細胞を移植したマウスは、細胞が異常に増えることなく、移植後に回復した運動機能も維持された。
現在は目の加齢黄斑変性の臨床研究が進められ、がん化を防ぐ別の方法で対応している。岡野教授は「がん化というiPS細胞治療の課題を克服できる可能性がある。実験で確認した仕組みは他の組織の細胞にも関わっており、様々な組織の移植治療の安全性向上につながる」と話す。
(福宮智代)
<「GSI」という薬につける> だけで <iPS細胞治療の課題を克服できる可能性がある> というから、この研究成果への期待度は高い...... (2016.09.25)
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