がん治療 に関する "医療事故" と、そして "訴訟" というケースは最近しばしば目にするようになった。 ただ、"抗がん剤" の "効き目/副作用" に関しては、明確な "医療事故" を伴うケース以外は、訴訟に馴染みにくいと考えられている。 ―― "抗がん剤" は、一般医薬品に適用される「医薬品副作用救済制度」 (いわゆる "薬害" 訴訟) から外されている! ――
◆ 参照 当誌過去の "損害賠償" 関連記事
(1) <藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)で食道がんの手術を受けた際、医師が適切にビタミンB1を投与せず、運動障害などの後遺症が残ったとして、同県知多市の男性(60)が病院を運営する藤田学園らに約1億6600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が15日、名古屋地裁であり、朝日貴浩裁判長は約1億2000万円の支払いを命じる判決を言い渡した> ( 「治療ミスで後遺症」(食道がん手術) 1億2000万円賠償!病院側に支払い命令、地裁!/当誌 2016.07.22 )
(2) <国内で起きた医療事故情報を収集する公益財団法人・日本医療機能評価機構(東京都)は28日、抗がん剤に関する事故が6年3カ月間で228件に上ったとの調査結果を公表した。平均すると1カ月に3件程度になる。患者の死亡例は20件、障害の残る可能性の高い例は26件で、全体の2割が重大な事故だった。抗がん剤はがんの有効な治療法だが、使い方を誤った時のリスクは高い> ( "抗がん剤"事故 228件!血管外漏れや過剰投与! 2010年以降/日本医療機能評価機構調査/当誌 2016.07.02 )
今回注目する下記引用サイト記事 : がん治療の副作用で死亡 遺族が弘前大提訴/河北新報 ONLINE NEWS/2016.10.04 は、 <弘前大医学部付属病院(青森県弘前市)でがん治療を受けていた女性=当時(63)=が死亡したのは、医師が腎機能障害について注意義務を怠ったためだとして、青森市の遺族らが3日までに、弘前大に慰謝料など約5890万円の損害賠償を求める訴えを青森地裁に起こした> と報じている。
<......訴状によると、女性は2009年7月から、放射線や抗がん剤治療のために同病院を受診。12年8月ごろから、副作用による両脚のむくみについて、痛みを訴えていた。同年12月中旬の検査で、がんはなくなったとされたが、同27日に自宅で容体が急変し、13年1月に死亡した。腎機能に関する検査は12年8月に実施されて以降、亡くなる直前までなかった。
原告側は「腎障害を悪化させる恐れがある薬を服用して容体が急変し、急性腎不全が原因で死亡したことは明らか。腎機能について綿密に検査し、配慮するべきだった」と主張。病院側は「対応を協議中のため、コメントは控えたい」と話している> とある。
がん治療の副作用で死亡 遺族が弘前大提訴/河北新報 ONLINE NEWS/2016.10.04
弘前大医学部付属病院(青森県弘前市)でがん治療を受けていた女性=当時(63)=が死亡したのは、医師が腎機能障害について注意義務を怠ったためだとして、青森市の遺族らが3日までに、弘前大に慰謝料など約5890万円の損害賠償を求める訴えを青森地裁に起こした。
訴状によると、女性は2009年7月から、放射線や抗がん剤治療のために同病院を受診。12年8月ごろから、副作用による両脚のむくみについて、痛みを訴えていた。同年12月中旬の検査で、がんはなくなったとされたが、同27日に自宅で容体が急変し、13年1月に死亡した。腎機能に関する検査は12年8月に実施されて以降、亡くなる直前までなかった。
原告側は「腎障害を悪化させる恐れがある薬を服用して容体が急変し、急性腎不全が原因で死亡したことは明らか。腎機能について綿密に検査し、配慮するべきだった」と主張。病院側は「対応を協議中のため、コメントは控えたい」と話している。
上記記事での焦点は、"当該のがんに対する治療" 云々ではなく、<医師が腎機能障害について注意義務を怠った> という点のように見えるが、司法の判断の行方が注目される...... (2016.10.06)
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