"免疫の反乱" とさえ表現される "自己免疫疾患" の "関節リウマチ" で苦しむ、決して少なくない患者さんたちは今、"新薬の登場" に直面している。
◆ 参照 当誌過去の "関節リウマチ" 関連記事
○ <ヒトの "免疫(免疫応答)" 機能は、さまざまな細菌/ウイルスに対する自然の "防御機構" として働いている。 この自前の "免疫システム" が無ければ、外部の細菌/ウイルスから身を守ることが不可能となる。 だが、同時に、種々の "アレルギー疾患" をはじめとし、"間接リウマチ" のような "自己免疫疾患" を発症させ、人々を苦悩に陥れているのも事実だ。 そして、その "自己免疫疾患" 発症のメカニズムは、現状、多くの未解明な点を残し続けている。......> ( "自己免疫疾患:リウマチ"を引き起こす免疫細胞に必須の酵素PKD発見!新薬開発に期待!/当誌 2016.10.02 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 関節リウマチ、新薬が続々 薬価は高額/朝日新聞 - apital/2016.08.24 - 06:00 は、 <関節リウマチの治療で生物学的製剤と呼ばれる新薬を使う人が増えている。従来の薬と一緒に使うことで、関節の破壊を抑え、生活の質(QOL)の改善効果が期待できるが、薬代が高額で、経済的負担が大きくなるのが患者の悩みだ。「期間限定」で利用したり、後発薬を使ったりする方法があるが、医師とよく相談することが重要だ> と報じている。
<......■ 炎症抑える「生物学的製剤」が浸透 東京都内に住む泉谷忠之さん(49)はある夜、肩の激しい痛みに襲われた。翌日、病院で痛み止めを処方されたが、おさまらず、手の指や首も痛くなった。専門医を受診、リウマチと診断され、抗リウマチ薬による治療が始まったが、改善しない。全身の関節が痛く、シャツのボタンをとめることも、字を書くこともままならなくなった。そこで、生物学的製剤を加えて使うようになると、次第にはれや痛みがおさまった。泉谷さんは「劇的に改善し、普通の生活ができるようになった」と話す。 リウマチの原因は不明だが、本来は外敵から自分の体を守るはずの免疫細胞が、関節で骨と軟骨を包む「滑膜」に集まって攻撃し、炎症を起こす。これが続くと滑膜が増殖、次第に骨や軟骨が破壊され、激しい痛みやはれが出る。進行すると関節が変形し、人工関節が必要な場合もある。 痛みなどの症状だけを抑える非ステロイド系抗炎症薬や副腎皮質ステロイドもあるが、関節を破壊から防ぐのが抗リウマチ薬と生物学的製剤だ。 東邦大の川合真一教授(内科)によると、世界的に治療の中心は抗リウマチ薬のメトトレキサートだ。細胞増殖に必要な物質の合成を防ぎ、免疫細胞や滑膜の増殖を抑える飲み薬だ。それでも効果が十分でなく、病気の勢いが強い人で、ほかの合併症がないなどの場合に、生物学的製剤の追加が検討される。 生物学的製剤は免疫細胞から出てくる炎症を起こすたんぱく質などをピンポイントの標的にして抑える。2003年にインフリキシマブがまず承認され、現在は8種類まで増えた。点滴や皮下注射で投与する。 ただ、生物学的製剤は、免疫を抑えるため、副作用として、肺炎や結核などの感染症にかかりやすい。重い感染症やがんの人は利用できない。メトトレキサートも、口内炎や胃腸・肝機能障害、肺炎などを起こすことがあり、定期的な検査が必要だ。
■ 高い薬代 「期間限定」使用も 生物学的製剤は複雑な遺伝子組み換え技術などを使うため、従来の薬に比べて価格が高い。毎月の医療費の自己負担は、検査代なども合わせ保険適用(3割負担)で5万円前後。患者団体「日本リウマチ友の会」の10年の調査では、回答者9046人中3142人が使い、うち36%は「医療費負担が大きく、生活を切り詰めている」と答えた。 経済的な負担を減らすため、所得に応じた自己負担の限度額を超えた分の払い戻しが受けられる「高額療養費制度」を利用する人もいるが、「限度額でも負担が重く、薬の使用をあきらめている人がいる」と長谷川三枝子会長は指摘する。 生物学的製剤は基本的には使い続ける薬だが、「期間限定」にできる可能性もある。冒頭に登場した泉谷さんは1年使って症状がなくなったので中止し、抗リウマチ薬だけにした。「その後も自分が患者であることを忘れるくらい、よい状態を保っている」と話す。 ただ、中止して再び症状がひどくなる人もおり、東京女子医大膠原病(こうげんびょう)リウマチ痛風センターの田中栄一講師は「中止後も慎重に状態を見ていく必要がある」と言う。どういう患者がどの生物学的製剤を使えば効果があり、どういう条件なら中止できるかといった研究も進められている。 薬代を少し下げられる場合もある。特許が切れた生物学的製剤とほぼ同じ成分の後発薬「バイオシミラー」は、先行薬より3割ほど安い。関節リウマチでは一つしかなく、田中さんは「今後、こうした薬がもっと開発されることに期待する」と話す。 (瀬川茂子)
■ 関節リウマチ治療に使われる生物学的製剤 (カッコ内は商品名) インフリキシマブ(レミケード) ▽ エタネルセプト(エンブレル) ▽ アダリムマブ(ヒュミラ) ▽ ゴリムマブ(シンポニー) ▽ セルトリズマブペゴル(シムジア) ▽ トシリズマブ(アクテムラ) ▽ アバタセプト(オレンシア) ▽ インフリキシマブのバイオシミラー(NK)> とある。
関節リウマチ、新薬が続々 薬価は高額/朝日新聞 - apital/2016.08.24 - 06:00
関節リウマチの治療で生物学的製剤と呼ばれる新薬を使う人が増えている。従来の薬と一緒に使うことで、関節の破壊を抑え、生活の質(QOL)の改善効果が期待できるが、薬代が高額で、経済的負担が大きくなるのが患者の悩みだ。「期間限定」で利用したり、後発薬を使ったりする方法があるが、医師とよく相談することが重要だ。
■ 炎症抑える「生物学的製剤」が浸透
東京都内に住む泉谷忠之さん(49)はある夜、肩の激しい痛みに襲われた。翌日、病院で痛み止めを処方されたが、おさまらず、手の指や首も痛くなった。専門医を受診、リウマチと診断され、抗リウマチ薬による治療が始まったが、改善しない。全身の関節が痛く、シャツのボタンをとめることも、字を書くこともままならなくなった。そこで、生物学的製剤を加えて使うようになると、次第にはれや痛みがおさまった。泉谷さんは「劇的に改善し、普通の生活ができるようになった」と話す。
リウマチの原因は不明だが、本来は外敵から自分の体を守るはずの免疫細胞が、関節で骨と軟骨を包む「滑膜」に集まって攻撃し、炎症を起こす。これが続くと滑膜が増殖、次第に骨や軟骨が破壊され、激しい痛みやはれが出る。進行すると関節が変形し、人工関節が必要な場合もある。
痛みなどの症状だけを抑える非ステロイド系抗炎症薬や副腎皮質ステロイドもあるが、関節を破壊から防ぐのが抗リウマチ薬と生物学的製剤だ。
東邦大の川合真一教授(内科)によると、世界的に治療の中心は抗リウマチ薬のメトトレキサートだ。細胞増殖に必要な物質の合成を防ぎ、免疫細胞や滑膜の増殖を抑える飲み薬だ。それでも効果が十分でなく、病気の勢いが強い人で、ほかの合併症がないなどの場合に、生物学的製剤の追加が検討される。
生物学的製剤は免疫細胞から出てくる炎症を起こすたんぱく質などをピンポイントの標的にして抑える。2003年にインフリキシマブがまず承認され、現在は8種類まで増えた。点滴や皮下注射で投与する。
ただ、生物学的製剤は、免疫を抑えるため、副作用として、肺炎や結核などの感染症にかかりやすい。重い感染症やがんの人は利用できない。メトトレキサートも、口内炎や胃腸・肝機能障害、肺炎などを起こすことがあり、定期的な検査が必要だ。
■ 高い薬代 「期間限定」使用も
生物学的製剤は複雑な遺伝子組み換え技術などを使うため、従来の薬に比べて価格が高い。毎月の医療費の自己負担は、検査代なども合わせ保険適用(3割負担)で5万円前後。患者団体「日本リウマチ友の会」の10年の調査では、回答者9046人中3142人が使い、うち36%は「医療費負担が大きく、生活を切り詰めている」と答えた。
経済的な負担を減らすため、所得に応じた自己負担の限度額を超えた分の払い戻しが受けられる「高額療養費制度」を利用する人もいるが、「限度額でも負担が重く、薬の使用をあきらめている人がいる」と長谷川三枝子会長は指摘する。
生物学的製剤は基本的には使い続ける薬だが、「期間限定」にできる可能性もある。冒頭に登場した泉谷さんは1年使って症状がなくなったので中止し、抗リウマチ薬だけにした。「その後も自分が患者であることを忘れるくらい、よい状態を保っている」と話す。
ただ、中止して再び症状がひどくなる人もおり、東京女子医大膠原病(こうげんびょう)リウマチ痛風センターの田中栄一講師は「中止後も慎重に状態を見ていく必要がある」と言う。どういう患者がどの生物学的製剤を使えば効果があり、どういう条件なら中止できるかといった研究も進められている。
薬代を少し下げられる場合もある。特許が切れた生物学的製剤とほぼ同じ成分の後発薬「バイオシミラー」は、先行薬より3割ほど安い。関節リウマチでは一つしかなく、田中さんは「今後、こうした薬がもっと開発されることに期待する」と話す。(瀬川茂子)
■ 関節リウマチ治療に使われる生物学的製剤 (カッコ内は商品名)
インフリキシマブ(レミケード) ▽ エタネルセプト(エンブレル) ▽ アダリムマブ(ヒュミラ) ▽ ゴリムマブ(シンポニー) ▽ セルトリズマブペゴル(シムジア) ▽ トシリズマブ(アクテムラ) ▽ アバタセプト(オレンシア) ▽ インフリキシマブのバイオシミラー(NK)
"免疫の反乱" とさえ言われる手強い病気を、小手先ではなく抑制し切るところの生物学的製剤 の効き目は、確かに優秀だ。 が、それにしても、"高額" だ。 <生物学的製剤は複雑な遺伝子組み換え技術などを使うため、従来の薬に比べて価格が高い。毎月の医療費の自己負担は、検査代なども合わせ保険適用(3割負担)で5万円前後> という点は、一般の患者に "二の足を踏ませる" 負担であるに違いない...... (2016.10.11)
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