種々の治療が実施されている "胃がん"であるが、これらの中で、<治療が難しいことで知られる> のが "スキルス胃がん" だ。
今回注目する下記引用サイト記事 : スキルス胃がん、正常細胞を利用 増殖や転移促進、大阪市大/産経 WEST/2016.10.11 - 21:14 は、"難治" だと見なされている "スキルス胃がん" のメカニズム解明に向けた研究成果である。
<治療が難しいことで知られる「スキルス胃がん」は、体の正常な細胞を集めて利用し、増殖や転移を促進させていることを、大阪市立大の八代正和准教授のチームがマウスの実験で解明し、米学会誌電子版に11日発表した。膵臓がんなど他の難治がんも同様とみられ、こうした働きを阻害する新たな治療薬の開発が期待されるという> と報じている。
<......チームによると、スキルス胃がんは胃壁の組織の中で急速に広がるため、早期発見が難しい上、進行が速く転移もしやすい。若い女性を中心に年間数千人が発症し、5年生存率は1割未満。 チームはマウスや体外の実験で、スキルス胃がん細胞が作り出すCXCL1というタンパク質が、体内の正常な骨髄細胞を、がん組織の中に誘導して増強に利用していることを発見。さらに調べると、CXCL1は、骨髄細胞の表面にあるCXCR2という別のタンパク質に働き掛けることで骨髄細胞を集めており、CXCR2の機能を阻害すると集まりにくくなった。 実験で、二つのグループのマウスに、人のスキルス胃がん細胞を投与し、一方のグループにはCXCR2の働きを妨げる化合物を週5回注射して1カ月間、経過を観察。すると、注射しなかったグループよりも、がんの増殖や転移が抑えられ、生存率も高くなった。 CXCL1は膵臓がんなどにもあり、同様の仕組みがあるとみられる。 八代准教授は「これらのタンパク質を標的とした新薬の臨床試験につなげたい」と話した> とある。
スキルス胃がん、正常細胞を利用 増殖や転移促進、大阪市大/産経 WEST/2016.10.11 - 21:14
治療が難しいことで知られる「スキルス胃がん」は、体の正常な細胞を集めて利用し、増殖や転移を促進させていることを、大阪市立大の八代正和准教授のチームがマウスの実験で解明し、米学会誌電子版に11日発表した。膵臓がんなど他の難治がんも同様とみられ、こうした働きを阻害する新たな治療薬の開発が期待されるという。
チームによると、スキルス胃がんは胃壁の組織の中で急速に広がるため、早期発見が難しい上、進行が速く転移もしやすい。若い女性を中心に年間数千人が発症し、5年生存率は1割未満。
チームはマウスや体外の実験で、スキルス胃がん細胞が作り出すCXCL1というタンパク質が、体内の正常な骨髄細胞を、がん組織の中に誘導して増強に利用していることを発見。さらに調べると、CXCL1は、骨髄細胞の表面にあるCXCR2という別のタンパク質に働き掛けることで骨髄細胞を集めており、CXCR2の機能を阻害すると集まりにくくなった。
実験で、二つのグループのマウスに、人のスキルス胃がん細胞を投与し、一方のグループにはCXCR2の働きを妨げる化合物を週5回注射して1カ月間、経過を観察。すると、注射しなかったグループよりも、がんの増殖や転移が抑えられ、生存率も高くなった。
CXCL1は膵臓がんなどにもあり、同様の仕組みがあるとみられる。八代准教授は「これらのタンパク質を標的とした新薬の臨床試験につなげたい」と話した。
"スキルス胃がん" の手強いメカニズムが解明された。
<スキルス胃がん細胞> の "支配下" にある <CXCL1というタンパク質> と <CXCR2という別のタンパク質> が、<体内の正常な骨髄細胞> を、自らのがん組織内に引き込むことによって、がん組織の増殖や転移を画策している、というのである。 だから、これらの "タンパク質" の働きを妨げる!ような、そんな新薬の開発が、目指されることになる...... (2016.10.14)
コメントする