「アルツハイマー型」認知症への治療薬は、"抗認知症薬" と呼ばれるものが各種使われている。 <ただ、これらの治療薬では、症状の進行を完全に止めることはできない。また、薬との相性により、副作用が強く出ることもある> と一般的には考えられている。
◆ 参照 当誌過去の "抗認知症薬" 関連記事
(1) <......認知症の進行を遅らせる「アリセプト」(一般名ドネペジル)などの抗認知症薬には、少量から始めて有効量まで増量する使用規定がある。規定通りに投与すると、患者によっては興奮や歩行障害、飲み込み障害などの副作用が出て介護が困難になると医師らのグループが指摘していた......> ( 厚労省"抗認知症薬"の規定量未満での少量投与を容認し周知することを決定 (6月1日付)/当誌 2016.06.03 )
(2) <......「抗認知症薬の適量処方を実現する会」(兵庫県)の代表、長尾和宏医師が、抗認知症薬の副作用とみられる興奮などの症例が約100件集まったとの中間集計結果を発表した......> ( "認知症薬(抗認知症薬)の副作用" 100件!興奮や怒りっぽくなる症状!中間集計結果!/当誌 2014.00.00 )
(3) "認知症"治療・予防薬、新薬の登場は?早くて2020年ごろと想定されるも簡単ではない!/当誌 2016.02.03
(4) <......認知症の進行を遅らせる抗認知症薬を規定の有効量を下回って少量投与した場合、過去3年間で全国の国民健康保険団体連合会(国保連)のうち9県が医療機関からの診療報酬支払い請求を認めない査定をしたことが、共同通信の調査で21日、分かった......> ( 抗認知症薬、処方の審査に地域差!9県で少量投与認めず!少量投与の医師側が不利益!/当誌 2015.11.24 )
今回注目する下記引用サイト記事 : [認知症のはてな](7)アルツハイマー型、進行遅らせる治療薬/yomiDr. ヨミドクター/2016.10.31 は、 <■ 生活の改善・維持、副作用注意 認知症の中で最も多いアルツハイマー型の治療では、4種類の薬が使われる。症状の進行を遅らせて、生活を改善・維持するのに役立つ一方、食欲減退などの副作用が出る場合もあるため、患者の状態に応じて使い分けることが重要だ。 ...... アルツハイマー型認知症は、脳に異常なたんぱく質がたまり、神経細胞が壊れて記憶力の低下などの症状が表れる。国内では、「ガランタミン」を含む4種類の治療薬が販売されている> と概説されている。
<......どの薬も認知症を完治させることはできないが、一時的に症状を改善させ、進行を遅らせる効果が期待できる。東京大学病院の亀山祐美助教(老年病科)によると、認知機能テストの点数には改善がみられない場合でも、身の回りのことができるようになったり、暮らしのリズムが整ったりして、生活が改善する効果が得られることがあるという。 亀山助教は、「治療薬は、初期のうちから使うと、効果がみえやすい。症状が軽いうちに進行を遅らせることで、家族がふれあったり、介護の態勢を整えたりなどの時間を持てる」という。 ◇ ただ、これらの治療薬では、症状の進行を完全に止めることはできない。また、薬との相性により、副作用が強く出ることもある。 ...... 4種類の治療薬のうち最初に発売されたのは、1999年の「ドネペジル」(商品名「アリセプト」)だ。その後、10年余りの間はこの1種類しかなかったが、2011年に、「ガランタミン」「リバスチグミン」「メマンチン」の3種類が加わった。薬剤の形態も、錠剤や粉薬、貼り薬などがあり、患者の生活習慣などに応じて、選ぶことができる。くるみクリニック(東京都世田谷区)の西村知香院長は、「2種類を併用することも可能で、治療の選択肢が広がった」と歓迎する。 副作用を抑えるため、4種類とも、少量から服薬を開始し、一定期間内に1・7~4倍まで増やすよう、定められている。だが中には、規定量まで増やすと、興奮や歩行障害などの副作用が強く表れる場合があるとの指摘もある。 昨年9月、高齢者医療に携わる医師らが一般社団法人「抗認知症薬の適量処方を実現する会」を設立した。副作用の実態調査を行い、症例をネットで公開している。同会は、規定量より少ない投薬を保険診療で認めるよう求めており、厚生労働省は今年6月、規定量未満の投薬については、保険適用すべきかどうかを症例ごとに判断するようにとの通知を出した。 ......(飯田祐子)> とある。
[認知症のはてな](7)アルツハイマー型、進行遅らせる治療薬/yomiDr. ヨミドクター/2016.10.31
■ 生活の改善・維持、副作用注意
認知症の中で最も多いアルツハイマー型の治療では、4種類の薬が使われる。症状の進行を遅らせて、生活を改善・維持するのに役立つ一方、食欲減退などの副作用が出る場合もあるため、患者の状態に応じて使い分けることが重要だ。
東京都内の男性(79)は、3年ほど前からもの忘れが激しくなり、日時も分からなくなるなどの症状が表れた。クリニックを受診すると、アルツハイマー型認知症と診断された。
それまでは、家では何もせずに過ごすことが多かったが、治療薬「ガランタミン」を飲み始めると活動的になった。空腹を感じると、自分で即席スープを作るなど、身の回りのこともできるようになった。
アルツハイマー型認知症は、脳に異常なたんぱく質がたまり、神経細胞が壊れて記憶力の低下などの症状が表れる。国内では、「ガランタミン」を含む4種類の治療薬が販売されている。
どの薬も認知症を完治させることはできないが、一時的に症状を改善させ、進行を遅らせる効果が期待できる。東京大学病院の亀山祐美助教(老年病科)によると、認知機能テストの点数には改善がみられない場合でも、身の回りのことができるようになったり、暮らしのリズムが整ったりして、生活が改善する効果が得られることがあるという。
亀山助教は、「治療薬は、初期のうちから使うと、効果がみえやすい。症状が軽いうちに進行を遅らせることで、家族がふれあったり、介護の態勢を整えたりなどの時間を持てる」という。
◇ ただ、これらの治療薬では、症状の進行を完全に止めることはできない。また、薬との相性により、副作用が強く出ることもある。 ......
4種類の治療薬のうち最初に発売されたのは、1999年の「ドネペジル」(商品名「アリセプト」)だ。その後、10年余りの間はこの1種類しかなかったが、2011年に、「ガランタミン」「リバスチグミン」「メマンチン」の3種類が加わった。薬剤の形態も、錠剤や粉薬、貼り薬などがあり、患者の生活習慣などに応じて、選ぶことができる。くるみクリニック(東京都世田谷区)の西村知香院長は、「2種類を併用することも可能で、治療の選択肢が広がった」と歓迎する。
副作用を抑えるため、4種類とも、少量から服薬を開始し、一定期間内に1・7~4倍まで増やすよう、定められている。だが中には、規定量まで増やすと、興奮や歩行障害などの副作用が強く表れる場合があるとの指摘もある。
昨年9月、高齢者医療に携わる医師らが一般社団法人「抗認知症薬の適量処方を実現する会」を設立した。副作用の実態調査を行い、症例をネットで公開している。同会は、規定量より少ない投薬を保険診療で認めるよう求めており、厚生労働省は今年6月、規定量未満の投薬については、保険適用すべきかどうかを症例ごとに判断するようにとの通知を出した。 ......(飯田祐子)
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
上記記事でも、<「抗認知症薬の適量処方を実現する会」を設立> について触れられているとおり、<だが中には、規定量まで増やすと、興奮や歩行障害などの副作用が強く表れる場合がある> といった "投薬・服薬" 上の難しい問題も横たわっており、関係者にとっては気が休まらない状況であるに違いない...... (2016.11.02)
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