"認知症患者" さんとの "意思疎通" で苦労するのは、患者さんの家族だけではない。 関連記事のような <けがや別の病気で通常病院に入院した際の問題点> というケースに止まらず、"通常治療における医療関係者とのやりとり" にあっても、より大きな配慮が向けられて然るべきかと思われる。
◆ 参照 当誌過去の "認知症患者" 関連記事
(1) <......認知症患者の対応に「困難と感じることがある」と94%が回答。理由は「転倒・転落の危険がある」「意思疎通が困難」「検査・処置への協力が得られにくい」などが多かった。......> ( "認知症患者"が、けがや別の病気で通常病院に入院した際の問題点が今更のように浮上!/当誌 2016.10.24 )
(2) おじいちゃん豹変!"急に怒りっぽくなった人"に潜む認知症リスク="易怒性"に要注意!/当誌 2015.11.27
今回注目する下記引用サイト記事 : 愛知県立大、認知症模擬患者を養成 医療現場の対応改善へ/中日新聞/2017.01.07 16:01 は、 <看護師の卵に認知症患者への正しい対応方法を学んでもらおうと、愛知県立大看護学部(名古屋市)は、認知症の人の態度や思いを表現できる模擬患者の養成講座を開いている。模擬患者とのやりとりを通して、一見理不尽な行動にもその人なりの思いがあることを知り、より良い医療につなげるのが狙い。同大によると、認知症の模擬患者養成は全国的にも珍しいという> と報じている。
<......「エックス線を撮るなんて、聞いとらん。スーパーに来ただけや」。強い口調で検査を拒否する模擬患者の男性。看護師を目指す女子学生が「奥さんが心配していますよ。検査しましょう」と何度もなだめると、男性は次第に語気が弱まり、落ち着いた表情を取り戻した。 昨年12月中旬に名古屋市内で開かれた養成講座。模擬患者を目指して受講している53~61歳の男女5人が、学生とのロールプレー(役割演技)に臨んだ。4分間の演技を終えると、模擬患者と学生の双方の表情が緩んだ。 模擬患者を務めたうちの1人で、ケアマネジャーの柴田清子さん(53)=同市名東区=は「看護師の威圧的な態度は、当事者には嫌な思いとして残る。対応がいい方向になるよう役作りをしたい」と話す。 これまで、がんやアルコール依存症に扮(ふん)する模擬患者の養成は、全国の医療系大学などで行われてきた。しかし、認知症の人に接する機会が少ない学生たちが、看護実習などの場で戸惑うケースもあったため、同大が昨年度から養成講座を始めた。認知症の人と家族の会県支部(愛知県東海市)に協力を呼び掛け、家族の介護を経験した人を中心に、本年度までに13人が講座を終えた。 認知症は医療職の理解が不足していると、患者本人や家族が傷つくことが多いため、認識を深めるのは不可欠。百瀬由美子看護学部長(60)は「学生のとった行動や言葉掛けなど、模擬患者に具体的に言ってもらえると、学生の気づきになります」と指摘する。 模擬患者との演技を行った同大4年の倉知佐緒里さん(22)は「学生同士ではなれ合いになって、うまくいかない。模擬患者と接すると、自分の対応をじっくり考えられます」と話していた。 (中日新聞・出口有紀)> とある。
愛知県立大、認知症模擬患者を養成 医療現場の対応改善へ/中日新聞/2017.01.07 16:01
看護師の卵に認知症患者への正しい対応方法を学んでもらおうと、愛知県立大看護学部(名古屋市)は、認知症の人の態度や思いを表現できる模擬患者の養成講座を開いている。模擬患者とのやりとりを通して、一見理不尽な行動にもその人なりの思いがあることを知り、より良い医療につなげるのが狙い。同大によると、認知症の模擬患者養成は全国的にも珍しいという。
「エックス線を撮るなんて、聞いとらん。スーパーに来ただけや」。強い口調で検査を拒否する模擬患者の男性。看護師を目指す女子学生が「奥さんが心配していますよ。検査しましょう」と何度もなだめると、男性は次第に語気が弱まり、落ち着いた表情を取り戻した。
昨年12月中旬に名古屋市内で開かれた養成講座。模擬患者を目指して受講している53~61歳の男女5人が、学生とのロールプレー(役割演技)に臨んだ。4分間の演技を終えると、模擬患者と学生の双方の表情が緩んだ。
模擬患者を務めたうちの1人で、ケアマネジャーの柴田清子さん(53)=同市名東区=は「看護師の威圧的な態度は、当事者には嫌な思いとして残る。対応がいい方向になるよう役作りをしたい」と話す。
これまで、がんやアルコール依存症に扮(ふん)する模擬患者の養成は、全国の医療系大学などで行われてきた。しかし、認知症の人に接する機会が少ない学生たちが、看護実習などの場で戸惑うケースもあったため、同大が昨年度から養成講座を始めた。認知症の人と家族の会県支部(愛知県東海市)に協力を呼び掛け、家族の介護を経験した人を中心に、本年度までに13人が講座を終えた。
認知症は医療職の理解が不足していると、患者本人や家族が傷つくことが多いため、認識を深めるのは不可欠。百瀬由美子看護学部長(60)は「学生のとった行動や言葉掛けなど、模擬患者に具体的に言ってもらえると、学生の気づきになります」と指摘する。
模擬患者との演技を行った同大4年の倉知佐緒里さん(22)は「学生同士ではなれ合いになって、うまくいかない。模擬患者と接すると、自分の対応をじっくり考えられます」と話していた。
(中日新聞・出口有紀)
昨今、医療問題への焦点の合わせ方においては、"医療技術の進展と医療制度の改革(経済面)" とに、やや "偏重" しているかの感がなきにしもあらずである。
それらも重要であるには違いないのだが、上記記事が示唆するような "医療現場における、人間としての意思疎通のあり方" は、今後ますます重要度が増すのではなかろうか。 この肝要な部分を蔑ろにしたのでは、すべてが "上滑り!" しかねない。 医療関係者各位の、"一歩踏み込んだ洞察" が、今こそ要請されているかに思われる...... (2017.01.09)
コメントする