"記憶" には、一方で "思い出せなくなった記憶" という問題があるとともに、他方では、<つらい記憶が突然よみがえる心的外傷後ストレス障害(PTSD)> という問題がある。
◆ 参照 当誌過去の "記憶" 関連記事
(1) <アルツハイマー病のマウスを使った実験で、思い出せなくなった記憶を引き出すことに成功したとの研究成果を、理化学研究所の利根川進・脳科学総合研究センター長らが、英科学誌ネイチャーで17日発表する。研究チームは「アルツハイマー病は、記憶が消えるのではなく、記憶を思い出す機能が働かなくなる病気であることを示唆する結果だ」としている......> ( "記憶を担っているとみられた脳細胞"を刺激するとマウスの記憶が戻る!(利根川進氏ら)/当誌 2016.03.20 )
(2) <......アルツハイマー病の初期症状の「物忘れ」が生じる仕組みの解明につながる成果。利根川氏は「患者は記憶を正しく形成できないのではなく、思い出せないだけかもしれない」と話している> ( 初期アルツハイマー病で失われた記憶、脳の神経細胞を働かせて取り戻し成功!マウスで/当誌 2016.03.18 )
今回注目する下記引用サイト記事 : つらい記憶、忘れられる? 富山大、マウスの脳操作で/共同通信/2017.01.27 - 04:00 は、 <水を飲むと電気ショックの恐怖感を感じるように訓練したマウスの脳に光ファイバーの光を当てて制御する手法で、恐怖記憶を思い出さないようにすることができたと、富山大などのチームが27日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した> と報じている。
<......つらい記憶が突然よみがえる心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状は、日常のささいな記憶が引き金になることがある。今回の手法は脳を傷つけなくてはならないという問題点があるが、井ノ口馨・富山大教授は「将来的にPTSDの治療に応用できる可能性がある」と話している> とある。
つらい記憶、忘れられる? 富山大、マウスの脳操作で/共同通信/2017.01.27 - 04:00
水を飲むと電気ショックの恐怖感を感じるように訓練したマウスの脳に光ファイバーの光を当てて制御する手法で、恐怖記憶を思い出さないようにすることができたと、富山大などのチームが27日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。
つらい記憶が突然よみがえる心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状は、日常のささいな記憶が引き金になることがある。今回の手法は脳を傷つけなくてはならないという問題点があるが、井ノ口馨・富山大教授は「将来的にPTSDの治療に応用できる可能性がある」と話している。
上記記事での "記憶に関する" マウスの脳操作実験もまた、"恐怖記憶" 自体の消去ではなく、<恐怖記憶を思い出さないようにする> というアプローチだと見受けられる。 その点で、冒頭の二つの問題は、"表裏一体" だと考えられ、"刻印された記憶事実" への "接近機能" のあり方という点が低通しているのだと解釈されようか...... (2017.01.28)
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