"人工知能(AI)" を駆使して "最適ながん治療" を目指すシステムの構築が、相次いでいる。 一方で、"がん患者のゲノム(全遺伝情報)解析" が進展し、他方で、医療機関における患者の診療データの膨大な蓄積が達成される、その "交差点" で "AI" という情報処理アプローチが展開されるわけである。
◆ 参照 当誌過去の "がん治療 AI" 関連記事
○ <国立がん研究センターは、人工知能(AI)を活用して、がん患者一人ひとりに最適な治療を提供する医療システムを開発する。 AIの高い技術を持つ産業技術総合研究所、ベンチャー企業「プリファード・ネットワークス」(東京都)と協力。同センターにある膨大な患者の診療データ(診察記録、遺伝情報、血液などの検査結果、画像情報など)を整理してデータベースを構築して、AIを使って効率的に分析する。がんの早期診断や、最適な治療法の選択、新しい治療薬の開発などに結びつける。......> ( "AI"活用!がん患者一人ひとりに最適治療を提供する医療システムを開発!(国立がん研)/当誌 2016.12.06 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 最適ながん治療、AIが指南 がん研究会など開発へ/日本経済新聞/2017.02.01 - 09:26 は、 <公益財団法人がん研究会などは1日までに、がん患者のゲノム(全遺伝情報)を解析し人工知能(AI)で最適な治療法や薬を選ぶシステムを開発すると発表した。一人ひとりの患者に合わせ、最も効果が高く副作用が少ない治療を医師に示すことで、がんによる死亡率の低減や医療費の適正化につなげる。2021年末の実用化を目指す> と報じている。
<......医療データ解析などを手がけるFRONTEOヘルスケア(東京・港)と共同開発する。同社が開発するAIが専門家が良質と判断した論文を読み込んで学習。患者の血液などを解析して得たゲノム情報と照らし合わせ、患者に最適な治療法が書いてある論文を探して医師に示す。 まず乳がんと肺がんで研究を始める。保険の適用外だったり、臨床試験(治験)中だったりする薬も探すようにし、治療の選択肢を増やす。 治療などで患者から取る同意書についても、AIが患者の理解度に合わせ説明内容を医師に示すシステムも開発する> とある。
最適ながん治療、AIが指南 がん研究会など開発へ/日本経済新聞/2017.02.01 - 09:26
公益財団法人がん研究会などは1日までに、がん患者のゲノム(全遺伝情報)を解析し人工知能(AI)で最適な治療法や薬を選ぶシステムを開発すると発表した。一人ひとりの患者に合わせ、最も効果が高く副作用が少ない治療を医師に示すことで、がんによる死亡率の低減や医療費の適正化につなげる。2021年末の実用化を目指す。
医療データ解析などを手がけるFRONTEOヘルスケア(東京・港)と共同開発する。同社が開発するAIが専門家が良質と判断した論文を読み込んで学習。患者の血液などを解析して得たゲノム情報と照らし合わせ、患者に最適な治療法が書いてある論文を探して医師に示す。
まず乳がんと肺がんで研究を始める。保険の適用外だったり、臨床試験(治験)中だったりする薬も探すようにし、治療の選択肢を増やす。
治療などで患者から取る同意書についても、AIが患者の理解度に合わせ説明内容を医師に示すシステムも開発する。
もちろん、"人工知能(AI)応用のがん治療システム" が、如何ほど "有意な効能" を発揮するのかが分かるのはまだ先のことだ。 大いに期待したいところではあるが、もう片方で一抹の懸念がないわけではない。 依拠される "患者の診療データ" が、現状の実態までの、"低減しないがん死亡率" 状況下でのデータが元になっていた場合に、如何に "AI" といえども、画期的な治療法を紡ぎ出すことができるのか、という懸念なのである...... (2017.02.03)
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